カナダにおけるムスリム人口は、2021年の国勢調査によると、1,775,715人であり、これはカナダ全体の人口の4.9%に相当します。この数値は、2001年の2.0%から大幅に増加しており、カナダにおける宗教的多様性の中で重要な位置を占めています。Justice For All+5Statistics Canada+5Wikipedia+5Statistics Canada+1Statistics Canada+1
ムスリム人口の年齢層は比較的若く、中央値は30歳であり、カナダ全体の中央値である41歳と比較しても若年層が多いことが特徴です。特に0〜14歳の子どもが26.3%を占めており、これはカナダ全体の16.5%を大きく上回っています。一方で、65歳以上の高齢者は6.4%にとどまっており、全体の18.1%と比較しても少ない割合です。
ムスリム人口の人種的構成は多様であり、南アジア系が37.6%、アラブ系が32.2%、西アジア系が13.0%、黒人系が11.6%を占めています。また、ムスリムの約29.5%はカナダ生まれであり、残りの70.5%は海外からの移民です。主な出身国としては、パキスタン（12.7%）、イラン（5.8%）、モロッコ（4.2%）、アルジェリア（4.2%）、バングラデシュ（3.7%）、シリア（3.5%）、アフガニスタン（3.4%）、インド（3.1%）、レバノン（2.4%）などが挙げられます。Statistics Canada+1Statistics Canada+1
言語面では、カナダのムスリムの約47.3%が家庭で最も頻繁に使用する言語として英語を挙げており、次いでアラビア語（18.1%）、フランス語（15.3%）、ウルドゥー語（13.0%）、ペルシャ語（4.5%）などが続いています。これらのデータは、カナダのムスリムコミュニティが多言語・多文化社会の中で活発に活動していることを示しています。
都市部への集中も顕著であり、オンタリオ州（6.7%）、ケベック州（5.1%）、アルバータ州（4.8%）がムスリム人口の多い州として挙げられます。特にトロント都市圏では、ムスリム人口が全体の10.2%を占めており、今後も増加が予想されています。
カナダのムスリムコミュニティは、宗教的・文化的な多様性を持ちながらも、カナダ社会への貢献を通じてその存在感を高めています。今後も人口増加が続くと予想され、社会的・文化的な影響力をさらに強めていくことでしょう。