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シスコルーター設定ガイド

シスコルーターの設定方法:ネットワーク構築における完全ガイド

シスコ(Cisco)は、ネットワーク機器業界で非常に有名な企業で、ルーターやスイッチなどを提供しています。シスコのルーターは、企業ネットワークやインターネット接続の基盤として重要な役割を果たします。この記事では、シスコルーターの設定について、ネットワーク構築における基本的なステップを包括的に解説します。

1. シスコルーターの基本設定

シスコルーターを使用する場合、最初に行うべきは基本的な設定です。これは、シスコルーターにアクセスし、管理者としての設定を行うことから始まります。以下は、基本的な設定手順です。

1.1 ルーターへのアクセス

まず、シスコルーターに接続します。接続方法は、コンソールケーブルを使用してPCとルーターを接続することが一般的です。その後、ターミナルソフトウェア(例:Tera TermやPuTTY)を使用してルーターのコンソールポートにアクセスします。

1.2 初期設定モードに入る

ルーターを初めて起動すると、setupモードに入るかどうかを尋ねられます。このモードでは、基本的な設定をガイドしてくれますが、今回は手動で設定を行う方法を選びます。

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Router> enable Router# configure terminal

このコマンドにより、設定モード(configure terminal)に入ります。

1.3 ホスト名とパスワードの設定

ルーターのホスト名(名前)を設定することは、ネットワーク管理を容易にするために重要です。また、パスワードを設定して、セキュリティを強化します。

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Router(config)# hostname MyRouter MyRouter(config)# enable secret mypassword MyRouter(config)# line console 0 MyRouter(config-line)# password myconsolepassword MyRouter(config-line)# login

これで、MyRouterというホスト名が設定され、コンソールポートにアクセスするためのパスワードも設定されました。

2. インターフェースの設定

シスコルーターには複数のインターフェース(例えば、EthernetやSerialインターフェース)があり、それらを設定する必要があります。インターフェースを設定する際には、IPアドレスの設定が重要です。

2.1 インターフェースの確認

インターフェースの状態を確認するには、次のコマンドを使用します。

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MyRouter# show ip interface brief

これにより、すべてのインターフェースとその状態が表示されます。

2.2 IPアドレスの設定

各インターフェースにIPアドレスを設定するためには、次のコマンドを使用します。

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MyRouter(config)# interface GigabitEthernet0/1 MyRouter(config-if)# ip address 192.168.1.1 255.255.255.0 MyRouter(config-if)# no shutdown

この設定では、GigabitEthernet0/1インターフェースにIPアドレス192.168.1.1とサブネットマスク255.255.255.0が設定され、インターフェースが有効化されました。

3. ルーティングの設定

ルーティングは、ネットワーク内でデータがどのように流れるかを決定します。シスコルーターでは、スタティックルーティングまたはダイナミックルーティングを設定できます。

3.1 スタティックルーティングの設定

スタティックルーティングでは、手動でルートを設定します。以下は、スタティックルートの設定例です。

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MyRouter(config)# ip route 10.1.1.0 255.255.255.0 192.168.1.2

この設定により、ネットワーク10.1.1.0/24に向けて192.168.1.2を経由するルートが設定されます。

3.2 ダイナミックルーティングの設定

シスコルーターでは、RIP(Routing Information Protocol)やOSPF(Open Shortest Path First)などのダイナミックルーティングプロトコルを使用することができます。以下は、RIPを設定する例です。

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MyRouter(config)# router rip MyRouter(config-router)# version 2 MyRouter(config-router)# network 192.168.1.0 MyRouter(config-router)# network 10.0.0.0

これにより、192.168.1.0および10.0.0.0のネットワークがRIPで広報されます。

4. NAT(ネットワークアドレス変換)の設定

NATは、内部ネットワークのIPアドレスを外部ネットワークと接続する際に変換する技術です。以下のように、シスコルーターでNATを設定することができます。

4.1 静的NATの設定

静的NATでは、特定の内部IPアドレスを外部IPアドレスにマッピングします。

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MyRouter(config)# ip nat inside source static 192.168.1.10 203.0.113.5

この設定により、192.168.1.10の内部IPアドレスが外部IPアドレス203.0.113.5にマッピングされます。

4.2 ダイナミックNATの設定

ダイナミックNATでは、複数の内部IPアドレスを外部IPアドレスのプールにマッピングします。

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MyRouter(config)# ip nat pool mypool 203.0.113.10 203.0.113.20 netmask 255.255.255.0 MyRouter(config)# ip nat inside source list 1 pool mypool

この設定により、リスト1で指定された内部IPアドレスが203.0.113.10から203.0.113.20の範囲に変換されます。

5. セキュリティ設定

ネットワークのセキュリティは非常に重要です。シスコルーターでは、アクセス制御リスト(ACL)を使ってトラフィックの制御やフィルタリングを行います。

5.1 ACLの設定

ACLを使用して、特定のトラフィックを許可または拒否することができます。

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MyRouter(config)# access-list 100 permit ip 192.168.1.0 0.0.0.255 any MyRouter(config)# access-list 100 deny ip any any MyRouter(config)# interface GigabitEthernet0/1 MyRouter(config-if)# ip access-group 100 in

この設定により、192.168.1.0/24ネットワークからのすべてのIPトラフィックが許可され、それ以外のトラフィックは拒否されます。

6. 保存と再起動

設定を完了したら、ルーターの設定を保存する必要があります。

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MyRouter# write memory

または

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MyRouter# copy running-config startup-config

これにより、現在の設定が保存され、再起動後にも反映されます。

まとめ

シスコルーターの設定は、ネットワークの規模や目的によって異なりますが、基本的な設定手順を理解しておくことが重要です。インターフェースの設定、ルーティングの設定、NATやセキュリティの設定を行うことで、堅牢で信頼性の高いネットワークを構築することができます。

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