バレーボールにおける「パス」は、試合の進行において非常に重要な技術であり、プレイヤーがボールを他の選手に渡す際に使用される技術のことを指します。パスは攻撃の起点となり、ディフェンスにも大きな影響を与えるため、その技術の習得はバレーボール選手にとって欠かせません。ここでは、バレーボールにおける主なパスの種類とその特徴について詳しく解説します。
1. アンダーパス(下手投げパス)
アンダーパスは、最も基本的でよく使われるパスの一つです。主に相手のサーブや強いスパイクを受ける際に使用され、ボールが体の前に来たときに両手を使ってボールを受け、下に向かってパスします。アンダーパスを正確に行うためには、以下のポイントに注意する必要があります。

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手の形:両手を合わせて、指を閉じた状態でパスを行います。手のひらがボールに触れないようにし、腕全体でボールを受け止める感覚を大切にします。
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膝を使う:腕だけでなく、膝を使ってボールのコントロールをします。膝を軽く曲げて、その反動を利用してボールを飛ばします。
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目線:ボールをしっかりと視認し、目線をボールの軌道に合わせることが重要です。
2. オーバーパス(上手投げパス)
オーバーパスは、アンダーパスとは異なり、ボールが体の上に来た場合に使用されます。特に、相手のサーブやセットを受ける際に有効で、ボールを上に向けて味方にパスします。この技術を使うことで、攻撃的なプレイを素早く展開することができます。
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手の位置:両手を軽く広げ、ボールをつかむようにします。手のひらをボールの下に向け、指でボールを押し出す形でパスします。
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肘の使い方:肘は曲げずに、腕を伸ばしてパスします。手首を使ってボールのスピードや方向を調整します。
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足の使い方:オーバーパスでは、膝を少し曲げて腰を低く保つことが大切です。これにより、安定した力強いパスが可能になります。
3. セットパス
セットパスは、バレーボールの攻撃において最も重要なパスの一つです。これは、ボールを高くセットし、スパイカーが打ちやすい位置にボールを送る技術です。セットパスは、しっかりとしたタイミングとコントロールが必要で、スパイカーとの連携が重要です。
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両手を使う:セットパスでは、両手でボールをしっかりと持ち上げ、指先でボールを押し出すようにします。
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足の動き:セットパスを行うときは、足をしっかりと動かし、力をボールに伝えるようにします。特に膝を使って、腰から力を伝えます。
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目線とタイミング:セットパスをする際には、スパイカーの動きに合わせてタイミングを取ることが重要です。また、ボールの高さや方向を正確にコントロールすることも大切です。
4. ドライブパス
ドライブパスは、スパイクのような強い力を持ってボールを送るパス技術です。通常、ボールが非常に速い速度で来たときに使用されます。このパスは、攻撃的な場面で有効で、相手のブロックを避けながら素早くボールを味方に渡します。
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体の使い方:ドライブパスでは、上半身を使ってボールを力強く押し出します。腕の力を使い、ボールを前方に飛ばします。
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パスの角度:ボールが相手のブロックを越えるように、パスの角度を調整します。ボールが低い位置で速く飛ぶようにすることがポイントです。
5. バックパス
バックパスは、後ろ向きにパスを行う技術です。相手がブロックしている場合や、急いでプレイを展開したい場合に使用されることが多いです。このパスも非常に高度な技術を必要とします。
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体の向き:バックパスを行う際には、体を後ろにひねり、ボールを後ろから前に向かって押し出します。
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足の位置:バックパスでは、足をしっかりと固定し、体全体を使ってパスを行うことが重要です。
6. ワンハンドパス
ワンハンドパスは、片手でパスを行う技術で、ボールが予期しない方向に来た場合や、急な反応を求められる場合に使用されます。通常、ボールを片手で受け、すばやくコントロールします。
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片手での受け方:片手をしっかりと伸ばしてボールを受けます。このとき、手のひらをボールに向け、しっかりとキャッチします。
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スピードと反応:ワンハンドパスはスピードが求められるため、素早い反応と手首を使ってボールを調整することが重要です。
結論
バレーボールにおけるパスは、ゲームを支配する上で非常に重要な役割を果たします。アンダーパス、オーバーパス、セットパス、ドライブパス、バックパス、ワンハンドパスなど、さまざまな種類のパス技術があります。それぞれのパスは特定の状況や相手のプレイに対応するために使い分ける必要があり、プレイヤーがこれらの技術を習得することで、チーム全体のプレイが大きく向上します。