フェズ(Fes)はモロッコの都市であり、その歴史的な重要性や文化的な遺産から、観光地として非常に注目されています。フェズは特に中世のイスラム文化と建築の宝庫として知られ、世界的に有名な「フェズ旧市街(メディナ)」はユネスコの世界遺産に登録されています。ここでは、フェズの主な観光名所とその魅力について詳しく紹介します。
1. フェズ旧市街(メディナ)
フェズの旧市街は、モロッコでも最も保存状態の良い中世の都市の一つとして知られています。迷路のように入り組んだ狭い路地や市場(スーク)は、訪れる人々に古代の雰囲気を与えます。歩いていると、昔ながらの職人の工房や伝統的な商店が並んでおり、手工芸品や地元の特産品を目にすることができます。特に皮なめし工場(タヌール)は有名で、見学者は中世の製法で革がなめされる様子を見学できます。

2. ブージュルード門(Bab Boujloud)
ブージュルード門は、フェズ旧市街の西側にある大きな入り口であり、フェズを訪れる際に必ず通る場所となっています。この門はその美しい青いタイルで装飾されており、モロッコの伝統的な建築様式を体現しています。門を通り抜けると、古代の街並みが広がり、まるでタイムスリップしたかのような感覚を味わうことができます。
3. アル・カラウィーン大学(Al Quaraouiyine)
アル・カラウィーン大学は、世界最古の現存する大学の一つとして有名です。859年に設立されたこの大学は、長い歴史を持ち、特にイスラム学や科学、数学の学問が盛んに行われていました。現在でも、フェズにおける学問と教育の中心的な存在として、多くの学生が学んでいます。訪れる際には、その歴史的な建築や美しい庭園を見ることができます。
4. メゾワール・アッサーイ(Mausoleum of Moulay Idriss II)
フェズにとって非常に重要な宗教的人物であるムラ・イドリス二世の廟(メゾワール)は、モロッコのスーフィー文化における聖地とされています。イドリス二世はフェズの創設者であり、この場所は彼の偉業を讃えるための神聖な場所となっています。廟内には、彼の墓があり、多くの信者や巡礼者が訪れます。
5. バスティア(Fes el-Bali)
フェズのバスティア地区は、旧市街の中でも特に歴史的な価値が高い場所です。ここには中世のモスクや学校、伝統的な市場があります。特に「アイン・アス・サー」をはじめとする歴史的な水道や、宮殿跡地なども見所となっています。このエリアは、歩いて探索するのが最も楽しく、フェズの文化と歴史に触れることができます。
6. ジンジャ(Jnan Sbil)
ジンジャは、フェズで最も美しい庭園の一つです。この庭園は、アラブ・イスラム様式の庭園で、池や噴水、色とりどりの花々が調和した美しい空間が広がっています。特に観光の合間にリラックスできる場所として人気があり、静かな時間を過ごすことができます。
7. ハラ・オウァリーン(Hara Oued Fes)
ハラ・オウァリーンは、フェズのユダヤ人地区であり、かつてユダヤ人が住んでいたエリアです。この地域にはユダヤ教の礼拝所や古い住宅が残っており、フェズの多文化的な歴史を感じることができます。ユダヤ人の影響を受けた建築や文化が色濃く残っており、訪れる価値があります。
8. アラウィー宮殿(Royal Palace of Fes)
フェズには、現在もモロッコ王室が使用しているアラウィー宮殿があります。この宮殿は、その壮麗な建築と庭園が特徴的で、モロッコの王族の権威を象徴しています。宮殿内には一般公開されていない部分も多いため、外観を見学することが主な目的となりますが、その美しさは圧倒的です。
9. フェズ・バビウム(Fes El-Jdid)
フェズ・バビウム地区は、フェズの新しいエリアですが、そこには古いモスクや宮殿が点在しており、フェズの歴史的な遺産を感じることができます。このエリアもまた、現代と古代が融合した魅力的な地域となっています。
10. フェズの美術館とギャラリー
フェズには、イスラム芸術や伝統工芸を展示する美術館が多くあります。これらの美術館では、フェズの豊かな芸術文化に触れることができ、特にモザイクタイルや刺繍、金細工などの工芸品は観光客に人気があります。フェズの芸術的な側面を深く理解するためにも、これらの美術館は訪れる価値があるスポットです。
結論
フェズは、モロッコの文化的、歴史的な中心地として、多くの見どころを誇る都市です。古代の建築や宗教的な遺産、そして地元の伝統に触れることができる場所として、観光客にとっては魅力的な都市です。フェズを訪れることで、モロッコの深い歴史と文化を体験し、忘れがたい思い出を作ることができるでしょう。