世界には、かつて活気に満ちていたものの、現在は廃墟と化した「都市の亡霊」とも言える場所がいくつか存在します。これらの「都市の亡霊」は、自然災害、戦争、経済的な衰退、あるいは政府の政策変更などさまざまな理由で放棄されました。今回は、その中でも特に有名な10の都市について紹介します。
1. プリピャチ（ウクライナ）
プリピャチは、1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故後に避難を余儀なくされた町です。現在でも放射線が高い状態にあり、周囲には立ち入ることができません。この町は当時、ソビエト連邦のモデル都市として急速に発展していましたが、事故により全てが一夜にして廃墟となりました。現在も多くの観光客が廃墟ツアーを行うために訪れています。
2. セクスティン（アメリカ合衆国）
アメリカ合衆国のカリフォルニア州に位置するセクスティンは、かつて鉱山都市として栄えていました。金の発見により多くの住民が集まりましたが、金の埋蔵量が枯渇すると、住民たちは町を後にし、現在では完全に廃墟となっています。
3. アレクサンドリア（エジプト）
エジプトのアレクサンドリアは、古代の学問と文化の中心地として名を馳せましたが、時が経つにつれ衰退しました。近年では、地震や津波などの自然災害の影響で一部の建物が崩壊し、かつての栄光を垣間見ることができるのみとなっています。
4. ハッシュマット（イラク）
イラクのハッシュマットは、イラク戦争の影響で人々が避難し、廃墟化した都市です。この町はかつて商業と産業の中心地でしたが、戦争による破壊と過酷な環境が原因で、現在は完全に放棄されています。
5. キュラン（ロシア）
ロシアのキュランは、ソビエト時代に軍事基地として使用されていた町で、冷戦時代の終結とともに廃墟となりました。町にはかつての軍事施設や住居がそのまま残されており、現在では観光名所となっています。
6. ザラ（ギリシャ）
ギリシャのザラは、かつて観光地として人気がありましたが、1960年代の大規模な地震によりほぼ全ての建物が倒壊しました。町は再建されることなく放置され、現在では人々が訪れることはほとんどなく、完全に放棄された場所となっています。
7. ベカン（アメリカ合衆国）
ベカンは、アメリカ合衆国のテキサス州に存在した鉱山町で、金と銀の鉱山が発見されると一躍栄えました。しかし、鉱山の枯渇とともに町は放棄され、現在は風化した建物が点在するだけの廃墟となっています。
8. ロコス（チリ）
チリのロコスは、かつて海岸沿いの町として栄えましたが、19世紀末に発生した津波によって壊滅的な打撃を受けました。津波による被害とその後の放置によって、現在では完全に廃墟と化しています。
9. ガン（中国）
中国のガンは、かつては製造業が盛んな都市でしたが、経済改革とともに工場が閉鎖され、住民が移住しました。現在では廃墟化しており、都市の面影はほとんど残っていません。
10. タリン（エストニア）
エストニアのタリンは、第二次世界大戦後にソビエト連邦に支配され、その後経済的に衰退しました。現在では過去の遺物と化した建物や施設が残されており、観光地として訪れる人々にとっては興味深い場所となっています。
結論
これらの都市の廃墟は、単なる「空の町」以上の意味を持っています。それぞれの町には、歴史的な背景や人々の暮らしがあったことを思い出させてくれる存在です。廃墟となった町々は、過去の栄光を感じる場所であり、またそれらを見学することにより、歴史の中で消えた都市の物語を学ぶことができます。