子どもの体温が低下する原因はさまざまであり、いくつかの生理的および病理的な要因が絡んでいます。通常、体温が36.5℃から37.5℃の範囲であることが健康な状態とされていますが、この範囲を外れると何らかの異常が考えられます。ここでは、子どもの体温が低くなる原因について詳しく説明します。
1. 生理的要因による体温低下
1.1 新生児期や乳児期の体温調節機能
新生児や乳児は、体温調節機能が未発達なため、周囲の温度の影響を受けやすいです。特に、生後数ヶ月間は体温が環境によって大きく変動することがあり、低体温が起こることがあります。これを「新生児低体温」と呼びます。この時期の赤ちゃんは、大人よりも体温が急激に下がりやすいため、適切な保温が必要です。
1.2 寒冷環境への曝露
寒い環境に長時間いると、子どもの体温は急速に下がることがあります。特に冬季には、外気温が低くなると、適切に衣服を重ねるなどの対策を取らなければ、体温低下を引き起こします。外で遊んだり、寒い場所に長時間いることが原因となり得ます。
2. 病理的要因による体温低下
2.1 感染症
ウイルスや細菌による感染症が原因で、体温が低下することがあります。例えば、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染、または胃腸炎や尿路感染症などが体温低下を引き起こすことがあります。特に重篤な感染症では、体が感染に対抗する過程で体温が調整されることがありますが、この調整がうまくいかない場合、低体温となることがあります。
2.2 低血糖
低血糖(血糖値の低下)は、体温低下の一因となることがあります。特に糖尿病を持っている子どもや、長時間食事を取っていない子どもは、血糖値が急激に低下することがあります。低血糖状態になると、体温を維持するためのエネルギーが不足し、結果として体温が下がることがあります。
2.3 脱水症状
体内の水分が不足すると、体の機能が正常に働かなくなり、体温の調節が難しくなります。特に嘔吐や下痢が続くと、体内の水分が失われ、脱水症状が起こりやすくなります。脱水状態になると、体温が適切に調節されず、低体温を引き起こすことがあります。
2.4 甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌が不十分な状態である「甲状腺機能低下症(低 thyroidism)」も、子どもの体温低下の原因となります。甲状腺ホルモンは体の新陳代謝を調整し、体温の維持にも重要な役割を果たします。ホルモンが不足すると、体のエネルギー消費が低下し、結果として体温が低くなることがあります。
2.5 ショックや重篤な外傷
ショック状態(血液循環が不足する状態)や重篤な外傷も、体温低下を引き起こす可能性があります。特に、大きな事故や外的な衝撃により、体内の循環系が損なわれると、体温の調節がうまくいかなくなることがあります。外的な傷による出血や器官の損傷が原因となることもあります。
3. その他の原因
3.1 睡眠時の体温低下
子どもは睡眠中に体温が若干下がることがあります。特に夜間は、体温が最も低くなることが多く、これは生理的な現象です。しかし、寝室の温度が極端に低い場合や、寝具が不十分な場合、低体温が生じることがあります。
3.2 薬剤の副作用
一部の薬剤、特に抗精神病薬や鎮静剤、あるいは冷却効果のある薬剤を服用している場合、体温が低下することがあります。薬剤の影響で血管が収縮し、血流が制限されることがあり、それが原因で体温が下がることがあります。
4. 低体温の症状と対応
低体温が進行すると、震え、疲労感、顔色の悪化、意識障害などの症状が現れます。軽度の場合は温かい場所に移動し、暖かい飲み物を与えたり、衣服を重ねるなどの対策を取ります。重度の場合には、速やかに医療機関を受診する必要があります。
5. 予防と対応方法
- 適切な衣服の着用:寒い環境では、十分な衣服を着せ、特に手足や頭部を温かく保つことが重要です。
- 暖かい飲み物の摂取:体内から温めるために、温かい飲み物(例えばお湯やスープ)を与えることが有効です。
- 室温の管理:子どもが過ごす部屋の温度は18~22℃程度に保ち、寒い季節には暖房を使って室内温度を調整します。
- 感染症予防:手洗いやうがいを習慣にし、免疫力を高めることで感染症を予防します。
結論
子どもが低体温になる原因は多岐にわたりますが、適切な対策を取ることで予防や改善が可能です。低体温は生命に関わる危険を伴う場合があるため、早期に発見し、適切な対処を行うことが重要です。親は、子どもが寒さにさらされないよう環境を整えるとともに、健康状態に注意を払い、異常を感じたら早期に医師に相談することが求められます。

