Microsoft Wordで文書を編集する際、ページやセクションの区切りを適切に管理することは、文書のレイアウトを整理するために非常に重要です。特に、複数のセクションを持つ長文書や、ページごとに異なるレイアウトが必要な場合、**セクション区切り(Section Break)やページ区切り(Page Break)**の使用は不可欠です。この記事では、これらの機能を使いこなすための方法を完全かつ包括的に解説します。
1. ページ区切り(Page Break)の使用方法
ページ区切りは、現在のページから新しいページへとコンテンツを移動させるために使用します。これにより、文書内で意図した場所でページを分けることができます。ページ区切りを適切に使用することで、次のページに続くコンテンツを強制的に移動させることができます。

ページ区切りの挿入方法
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カーソルを配置する位置を選択する:
ページを区切りたい場所にカーソルを置きます。 -
「挿入」タブをクリックする:
メニューバーの「挿入」タブをクリックします。 -
「ページ区切り」オプションを選択する:
「ページ区切り」ボタンをクリックすると、カーソルの位置にページ区切りが挿入されます。
ページ区切りの編集・削除
- 編集: ページ区切りを挿入した後、ページの内容が変更されると自動的にページ区切りが再配置される場合がありますが、手動で移動させることはできません。そのため、ページ区切りを調整したい場合は、ページ区切りを削除してから再度挿入し直します。
- 削除: ページ区切りを削除するには、「ホーム」タブの「段落」グループで「表示/非表示」をクリックして、非表示のページ区切りを表示させ、その上にカーソルを置き、Deleteキーを押します。
2. セクション区切り(Section Break)の使用方法
セクション区切りは、文書のレイアウトや書式を変える際に使用されます。例えば、特定のセクションで異なるページ番号を設定したり、用紙サイズを変更したりする場合に便利です。セクション区切りを使用することで、文書内で複数のセクションを独立して管理できるようになります。
セクション区切りの挿入方法
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カーソルを配置する位置を選択する:
セクションを区切りたい位置にカーソルを置きます。 -
「レイアウト」タブをクリックする:
メニューバーの「レイアウト」タブをクリックします。 -
「区切り」オプションを選択する:
「区切り」ボタンをクリックすると、ドロップダウンメニューが表示されます。 -
必要なセクション区切りを選択する:
- 次のページから開始(Next Page): 新しいセクションを次のページから開始します。
- 連続(Continuous): 新しいセクションを現在のページのまま開始します。
- 奇数ページ(Odd Page): 奇数ページから新しいセクションを開始します。
- 偶数ページ(Even Page): 偶数ページから新しいセクションを開始します。
これにより、セクション区切りが文書に挿入されます。
セクション区切りの編集・削除
- 編集: セクション区切りを移動することはできませんが、カーソルを区切りの前後に配置し、必要に応じて新たに区切りを追加することができます。
- 削除: セクション区切りを削除するには、「表示/非表示」を使って区切りを表示させ、区切り部分を選択してDeleteキーを押します。
3. セクション区切りとページ区切りの違い
セクション区切りとページ区切りの主な違いは、次の通りです。
- ページ区切り: ページ単位でコンテンツを区切ります。ページ番号やページレイアウトの設定に影響を与えず、単純に内容が次のページに移動します。
- セクション区切り: ページレイアウトや書式設定をセクションごとに変更できるようにするための区切りです。例えば、ページ番号の書式変更や、異なるページサイズの設定など、ページごとではなくセクションごとに設定を変更できます。
4. セクション区切りを使ったページ番号の設定
異なるセクションで異なるページ番号を設定する方法を紹介します。例えば、目次ページにはページ番号を付けず、本文からページ番号を付ける場合などに使います。
ページ番号の挿入方法
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セクション区切りを挿入する:
目次と本文を別々のセクションに分けます。目次ページを最初のセクション、本文ページを次のセクションにします。 -
「挿入」タブをクリックし、「ページ番号」を選択する:
ページ番号を挿入するには、「挿入」タブから「ページ番号」を選択し、番号の配置方法を選びます。 -
セクションごとにページ番号の設定を変更する:
ページ番号の設定を変更したいセクションにカーソルを置き、「ヘッダーとフッター」タブの「前とリンク」をクリックして、他のセクションとリンクを解除します。 -
ページ番号の書式を変更する:
必要に応じて、各セクションのページ番号の書式や開始番号を変更します。
5. まとめ
Microsoft Wordでは、ページ区切りとセクション区切りをうまく活用することで、複雑な文書でも簡単にレイアウトを整え、目的に応じた書式設定を行うことができます。ページ区切りはシンプルにページを分けるために使用し、セクション区切りはより細かいレイアウト設定を可能にします。これらの機能を使いこなすことで、効率的に美しい文書を作成することができるでしょう。