めまい(または「ふらつき」)は、体が不安定に感じたり、周囲が回っているように感じる状態です。この症状は多くの人々に経験されるもので、軽いものから重いものまでさまざまな程度があります。めまいの原因は非常に多岐にわたり、時には単純な原因によって引き起こされることもあれば、より深刻な健康問題が隠れていることもあります。本記事では、めまいを引き起こすさまざまな原因を完全かつ包括的に解説します。
1. 内耳の異常
内耳は、体のバランスを保つために重要な役割を果たします。内耳には前庭という部分があり、ここが正常に機能していないと、めまいを引き起こすことがあります。以下は、内耳に関連するめまいの原因です。

1.1 良性発作性頭位めまい症(BPPV)
良性発作性頭位めまい症は、内耳の前庭にある小さな石(耳石)が異常な位置に移動することによって起こります。これにより、頭を動かすと急激なめまいが発生します。このめまいは通常、短時間で収まりますが、繰り返し起こることがあります。
1.2 メニエール病
メニエール病は、内耳の液体の流れが異常をきたすことにより、耳鳴り、難聴、めまいを引き起こします。発作的なめまいが数分から数時間続くことが特徴です。メニエール病は、内耳の圧力が変動することによって引き起こされると考えられています。
1.3 前庭神経炎
前庭神経炎は、内耳の前庭神経が炎症を起こすことで、めまいを引き起こします。通常、風邪などのウイルス感染後に発症し、突然の強いめまいが数日間続くことがあります。
2. 血圧の異常
血圧の異常は、めまいを引き起こす一般的な原因の一つです。特に、低血圧(血圧が正常より低い状態)や、高血圧(血圧が正常より高い状態)は、脳に十分な血液が供給されないことがあり、めまいを感じることがあります。
2.1 低血圧
低血圧は、特に立ち上がったときにめまいやふらつきを感じることがあります。これは、血圧が急激に下がり、脳への血液供給が一時的に減少するためです。この状態を「起立性低血圧」と呼びます。
2.2 高血圧
高血圧もめまいを引き起こすことがあります。血圧が非常に高くなると、血管に負担がかかり、脳への血液供給が不安定になることがあります。これにより、頭痛やめまいを感じることがあります。
3. 脳の異常
脳に関連する疾患も、めまいの原因となることがあります。これらは比較的深刻な症状であり、迅速な診断と治療が必要です。
3.1 脳卒中(脳梗塞・脳出血)
脳卒中は、脳の血流が途絶えたり、血管が破裂したりすることで起こります。脳卒中は、めまいのほかにも、手足の麻痺や言語障害などの症状を伴います。急性の症状が現れた場合は、直ちに医療機関に連絡する必要があります。
3.2 一過性脳虚血発作(TIA)
一過性脳虚血発作は、脳の一部に一時的に血流が届かなくなることで、めまいやふらつきが現れる病態です。TIAは、脳卒中の前兆として現れることがあり、放置すると脳卒中を引き起こす可能性があります。
3.3 脳腫瘍
脳腫瘍もめまいを引き起こす原因となります。腫瘍が脳内のバランスを司る部分に影響を与えると、めまいや頭痛、視力の変化などの症状が現れることがあります。
4. 心臓の異常
心臓の異常もめまいの原因となることがあります。特に、心拍数や血流に関する問題が関与していることがあります。
4.1 不整脈
不整脈は、心拍が不規則になる状態です。これにより、血液が正常に脳に送られず、めまいを引き起こすことがあります。特に、心房細動や心室性頻脈などが関係しています。
4.2 心不全
心不全は、心臓が血液を十分に送ることができない状態です。この場合、血液が脳に届きにくくなり、めまいやふらつきを感じることがあります。
5. 薬の副作用
特定の薬剤がめまいを引き起こすことがあります。これは薬の副作用として現れるものであり、特に以下の薬剤が関与しています。
5.1 高血圧の治療薬
高血圧を治療する薬の中には、血圧を過度に下げることで、めまいを引き起こすものがあります。特に、利尿剤や降圧剤は、めまいの原因となることがあります。
5.2 抗うつ薬や抗不安薬
抗うつ薬や抗不安薬も、めまいを引き起こす副作用があることがあります。これらの薬剤は、神経系に影響を与えるため、めまいやふらつきが生じることがあります。
6. 心理的な要因
心理的な要因もめまいに影響を与えることがあります。特に、ストレスや不安が原因となってめまいを感じることがあります。
6.1 パニック障害
パニック障害では、強い不安感や恐怖感を伴い、突然のめまいや動悸、呼吸困難が現れることがあります。このような発作は、通常数分で収まりますが、再発