エクセルは日常的な業務やデータ分析に欠かせないツールであり、その機能には多くの便利な数式や関数があります。特に、数値を操作する関数は、データの精度を保つためや計算結果を整理するために頻繁に使われます。今回は、エクセルにおける「数字の四捨五入」や「小数点処理」を中心に、重要な関数を説明します。
1. ROUND関数(四捨五入)
ROUND
関数は、指定した桁数に数字を四捨五入するために使用されます。この関数は、計算結果を扱いやすくするために非常に便利です。

構文:
scssROUND(数値, 桁数)
- 数値: 四捨五入したい数値。
- 桁数: 四捨五入したい小数点以下の桁数。正の値で小数点以下、負の値で整数の位が対象となります。
使用例:
-
=ROUND(3.14159, 2)
結果: 3.14(小数点以下2桁に四捨五入) -
=ROUND(1234.567, -2)
結果: 1200(十の位に四捨五入)
このように、ROUND
関数を使うことで、数値を簡単に整理できます。
2. ROUNDUP関数(切り上げ)
ROUNDUP
関数は、指定した桁数において数値を切り上げます。四捨五入ではなく、必ず上の桁に繰り上がるため、過小評価を避けたいときに便利です。
構文:
scssROUNDUP(数値, 桁数)
- 数値: 切り上げたい数値。
- 桁数: 切り上げを行いたい桁数。正の値で小数点以下、負の値で整数の位が対象。
使用例:
-
=ROUNDUP(3.14159, 2)
結果: 3.15(小数点以下2桁に切り上げ) -
=ROUNDUP(1234.567, -2)
結果: 1300(百の位に切り上げ)
3. ROUNDDOWN関数(切り捨て)
ROUNDDOWN
関数は、指定した桁数において数値を切り捨てます。ROUNDUP
とは逆に、必ず下の桁に切り捨てるため、過大評価を避けたい場合に有用です。
構文:
scssROUNDDOWN(数値, 桁数)
- 数値: 切り捨てたい数値。
- 桁数: 切り捨てを行いたい桁数。
使用例:
-
=ROUNDDOWN(3.14159, 2)
結果: 3.14(小数点以下2桁に切り捨て) -
=ROUNDDOWN(1234.567, -2)
結果: 1200(百の位に切り捨て)
4. CEILING関数(天井関数)
CEILING
関数は、指定した桁数または基準となる数値に対して数値を繰り上げます。この関数は、特定の基準値の倍数に丸めるときに使用します。
構文:
scssCEILING(数値, 基準)
- 数値: 繰り上げたい数値。
- 基準: 繰り上げるための基準となる数値。
使用例:
-
=CEILING(7.2, 2)
結果: 8(2の倍数に繰り上げ) -
=CEILING(17, 5)
結果: 20(5の倍数に繰り上げ)
5. FLOOR関数(床関数)
FLOOR
関数は、指定した基準値の倍数に対して数値を繰り下げます。これにより、数値が指定した基準の最も近い下の倍数に調整されます。
構文:
scssFLOOR(数値, 基準)
- 数値: 繰り下げたい数値。
- 基準: 繰り下げるための基準となる数値。
使用例:
-
=FLOOR(7.8, 2)
結果: 6(2の倍数に繰り下げ) -
=FLOOR(17, 5)
結果: 15(5の倍数に繰り下げ)
6. MROUND関数(最寄り倍数関数)
MROUND
関数は、指定した数値を最も近い指定した倍数に丸めます。四捨五入と同様に使われますが、丸める対象が倍数である点が異なります。
構文:
scssMROUND(数値, 基準)
- 数値: 丸めたい数値。
- 基準: 丸めたい基準となる倍数。
使用例:
-
=MROUND(7.2, 2)
結果: 8(2の倍数に丸め) -
=MROUND(17, 5)
結果: 20(5の倍数に丸め)
7. INT関数(整数関数)
INT
関数は、数値を最も近い整数に切り捨てる関数です。小数点以下を単純に切り捨てるため、整数部分だけを扱いたい場合に使用されます。
構文:
scssINT(数値)
- 数値: 整数にしたい数値。
使用例:
-
=INT(3.7)
結果: 3(小数点以下を切り捨て) -
=INT(-3.7)
結果: -4(負の数の場合は下に切り捨て)
まとめ
エクセルでは、数値の四捨五入や小数点以下の処理を行う関数が豊富に用意されています。これらの関数を使いこなすことで、データをより正確に、そして効率的に扱うことができます。特に、ROUND
、ROUNDUP
、ROUNDDOWN
、CEILING
、FLOOR
、MROUND
、INT
などは、データ分析や計算処理において非常に役立ちます。数値の精度を保ちつつ、作業をスムーズに進めるために、これらの関数を積極的に活用しましょう。