エクセルは、データの分析や管理に非常に便利なツールですが、その強力な機能の一つに「検索関数」があります。これらの関数を使用すると、大量のデータの中から特定の情報を効率的に見つけ出すことができます。この記事では、エクセルでよく使用される「検索関数」をいくつか紹介し、それぞれの関数の使い方と応用方法について詳しく説明します。
1. VLOOKUP(ブイ・ルックアップ)
基本説明:
VLOOKUP
(Vertical Lookup)は、エクセルの最も有名な検索関数の一つで、指定した値を縦に並べたデータ範囲から検索して、関連する値を返します。主に、テーブルの左端の列を基準にして検索を行います。

構文:
excelVLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, [検索方法])
- 検索値:検索したい値。
- 範囲:検索範囲となるセルの範囲(左端の列に検索値が含まれている必要があります)。
- 列番号:検索範囲内で、返したいデータが存在する列番号。
- 検索方法(省略可能):TRUE(近似値)またはFALSE(完全一致)を指定します。
使用例:
例えば、以下のようなデータがあるとします:
商品コード | 商品名 | 価格 |
---|---|---|
101 | ノート | 500 |
102 | ペン | 150 |
103 | 消しゴム | 100 |
商品コードを入力して、その商品の価格を検索したい場合、次のようにVLOOKUP関数を使います。
excel=VLOOKUP(102, A2:C4, 3, FALSE)
この式では、商品コード「102」を検索し、価格列(3番目の列)の値「150」を返します。
2. HLOOKUP(エイチ・ルックアップ)
基本説明:
HLOOKUP
(Horizontal Lookup)は、VLOOKUPの横バージョンです。こちらは横方向にデータを検索し、指定した行から関連する値を返します。検索値は上部の行に配置されている必要があります。
構文:
excelHLOOKUP(検索値, 範囲, 行番号, [検索方法])
- 検索値:検索したい値。
- 範囲:検索範囲となるセルの範囲(上部の行に検索値が含まれている必要があります)。
- 行番号:検索範囲内で、返したいデータが存在する行番号。
- 検索方法(省略可能):TRUE(近似値)またはFALSE(完全一致)を指定します。
使用例:
以下のようなデータがあるとします:
商品コード | 101 | 102 | 103 |
---|---|---|---|
商品名 | ノート | ペン | 消しゴム |
価格 | 500 | 150 | 100 |
商品コード「102」の価格を調べたい場合、次のようにHLOOKUP関数を使います。
excel=HLOOKUP(102, A1:D2, 2, FALSE)
この式では、商品コード「102」を検索し、2行目の価格「150」を返します。
3. INDEX(インデックス)
基本説明:
INDEX
関数は、指定した範囲から行番号と列番号を使って特定の値を返す関数です。VLOOKUP
やHLOOKUP
とは異なり、検索方法がより柔軟で、行と列を任意に指定できるため、複雑なデータ検索にも適しています。
構文:
excelINDEX(範囲, 行番号, [列番号])
- 範囲:検索対象のセル範囲。
- 行番号:検索範囲内で取得したいデータの行番号。
- 列番号(省略可能):検索範囲内で取得したいデータの列番号(複数列の範囲の場合)。
使用例:
例えば、以下のようなデータがあるとします:
商品コード | 商品名 | 価格 |
---|---|---|
101 | ノート | 500 |
102 | ペン | 150 |
103 | 消しゴム | 100 |
商品名「ペン」の価格を調べたい場合、次のようにINDEX関数を使います。
excel=INDEX(C2:C4, 2)
この式では、C2からC4の範囲から2番目の行(「ペン」の価格「150」)を返します。
4. MATCH(マッチ)
基本説明:
MATCH
関数は、指定した検索値が範囲内で何番目の位置にあるかを返します。VLOOKUP
やHLOOKUP
のように実際の値を返すのではなく、位置情報を返す点が特徴です。
構文:
excelMATCH(検索値, 検索範囲, [一致の種類])
- 検索値:検索したい値。
- 検索範囲:検索対象となるセル範囲。
- 一致の種類(省略可能):0(完全一致)、1(近似値)または-1(逆順で近似値)を指定します。
使用例:
次のようなデータがあるとします:
商品コード | 商品名 |
---|---|
101 | ノート |
102 | ペン |
103 | 消しゴム |
商品名「ペン」の位置を調べたい場合、次のようにMATCH関数を使います。
excel=MATCH("ペン", B2:B4, 0)
この式では、「ペン」がB列の何番目にあるかを検索し、「2」を返します。
5. LOOKUP(ルックアップ)
基本説明:
LOOKUP
関数は、指定した検索値を範囲内で検索し、最も近い一致を見つけて、その対応する値を返します。VLOOKUP
やHLOOKUP
と異なり、検索対象が並んでいる必要はなく、範囲内のどこでも検索できます。
構文:
excelLOOKUP(検索値, 検索範囲, 結果範囲)
- 検索値:検索したい値。
- 検索範囲:検索対象のセル範囲。
- 結果範囲:対応する値が存在する範囲。
使用例:
次のようなデータがあるとします:
商品コード | 商品名 |
---|---|
101 | ノート |
102 | ペン |
103 | 消しゴム |
商品コード「102」に対応する商品名を検索したい場合、次のようにLOOKUP関数を使います。
excel=LOOKUP(102, A2:A4, B2:B4)
この式では、「102」に対応する商品名「ペン」を返します。
結論
エクセルの検索関数は非常に多用途であり、データの中から特定の情報を効率的に抽出するために不可欠です。VLOOKUP
、HLOOKUP
、INDEX
、MATCH
、LOOKUP
などの関数を組み合わせて使うことで、複雑なデータ解析や情報の検索を迅速かつ正確に行うことができます。これらの関数をマスターすることで、エクセルの利便性を最大限に活用することができるでしょう。