エクセルオンライン365を使用して、データの分析や視覚化を行うために非常に便利なツールの1つが「ピボットテーブル」と「ピボットチャート」です。これらを使うことで、膨大なデータを効率的に集約し、簡潔で視覚的に理解しやすい形式に変換することができます。本記事では、エクセルオンライン365を用いてピボットテーブルとピボットチャートを作成する方法を詳細に解説します。
1. ピボットテーブルとは?
ピボットテーブルは、データセットの要約や集計を行うためのツールです。大量のデータを整理し、特定の指標に基づいて素早く分析することができます。例えば、売上データに基づいて月別や地域別の合計を算出したり、商品の種類別に分析することができます。
2. ピボットテーブルの作成手順
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データを準備する
ピボットテーブルを作成する前に、まず整理されたデータが必要です。エクセルオンライン365で新しいシートを開き、列ごとに適切なデータ(例えば、「日付」「地域」「売上額」など)を入力します。 -
ピボットテーブルの挿入
データを入力した後、エクセルオンラインの上部にある「挿入」タブをクリックします。そこから「ピボットテーブル」を選択します。表示されるダイアログボックスで、データ範囲を確認し、ピボットテーブルを配置する場所(新しいシートか既存のシートか)を選びます。 -
フィールドの設定
ピボットテーブルの作成画面が開いたら、右側に「ピボットテーブルフィールド」の一覧が表示されます。ここから、表示したいデータの項目を「行」「列」「値」「フィルター」にドラッグアンドドロップします。例えば、売上額を「値」にドラッグし、地域を「行」にドラッグすると、地域別の売上合計が表示されます。 -
集計方法の変更
デフォルトでは、値の集計方法は「合計」になっていますが、これを変更したい場合は、ピボットテーブル内の任意の数値セルを右クリックして、「値のフィールド設定」を選択します。ここから、「平均」「最大」「最小」など、異なる集計方法を選択することができます。 -
フィルタリングと並べ替え
必要に応じて、ピボットテーブル内でデータを並べ替えたり、フィルターを追加することができます。例えば、売上データを月別に並べ替えたり、特定の地域のみを表示させることができます。これにより、分析をさらに絞り込むことができます。
3. ピボットチャートとは?
ピボットチャートは、ピボットテーブルのデータを視覚的に表示するためのツールです。これにより、データの傾向やパターンを一目で把握することができます。ピボットチャートは、グラフの形でピボットテーブルの内容を表示するため、データの変動を視覚的に追いやすくなります。
4. ピボットチャートの作成手順
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ピボットテーブルを選択
ピボットテーブルが完成したら、その範囲を選択します。 -
ピボットチャートを挿入
上部メニューの「挿入」タブをクリックし、表示されるオプションから「ピボットチャート」を選びます。エクセルオンライン365では、さまざまな種類のチャート(棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフなど)を選択できます。目的に応じて適切なチャートを選びます。 -
チャートのカスタマイズ
挿入されたピボットチャートは、デフォルトの設定で表示されますが、必要に応じて色やラベル、軸の設定などをカスタマイズできます。ピボットチャートをクリックすると、右側に「チャートツール」が表示され、そこから設定を変更することができます。
5. ピボットテーブルとピボットチャートの活用例
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売上分析
月別、地域別、商品別の売上データを集計し、ピボットテーブルで合計を表示。ピボットチャートを使って、最も売上の多い地域や月を視覚的に確認できます。 -
顧客データの分析
顧客の年齢層や地域別に集計したデータをピボットテーブルで整理し、顧客層ごとの購買傾向をチャートで確認できます。 -
プロジェクト管理
プロジェクトの進行状況やタスクの完了率をピボットテーブルで表示し、進捗を視覚化することで、関係者との共有がスムーズになります。
6. ピボットテーブルとピボットチャートのメリット
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データの効率的な集計と分析
ピボットテーブルを使うことで、数千行のデータも簡単に集計し、素早く結果を得ることができます。また、データのフィルタリングや並べ替えも直感的に行えるため、分析が効率化されます。 -
視覚的な理解が容易
ピボットチャートを使用することで、数字だけでは分かりにくい傾向やパターンを視覚的に理解することができ、意思決定をサポートします。 -
柔軟なデータ分析
ピボットテーブルとピボットチャートは、データを柔軟に分析できるため、ユーザーのニーズに応じて適切な分析結果を得ることができます。
7. まとめ
エクセルオンライン365を使用したピボットテーブルとピボットチャートの作成は、データ分析の強力なツールです。ピボットテーブルでデータを効率的に集約し、ピボットチャートでその結果を視覚的に表現することで、複雑なデータを簡潔に理解することができます。これらのツールを活用することで、ビジネスの意思決定が迅速かつ正確に行えるようになります。
