エクセル(Excel)2019における「集計」と「要約」の機能は、データ分析やレポート作成において非常に重要な役割を果たします。これらの機能を活用することで、大量のデータを効率的に整理し、簡単に意味のある情報に変換することができます。以下では、エクセル2019を使った集計と要約の方法を、実際の操作例を交えて詳しく説明します。
集計機能の利用方法
エクセルでデータを集計する際には、ピボットテーブルや関数を用いるのが一般的です。集計とは、複数のデータを一つにまとめたり、特定の条件で合計や平均を計算することを指します。

1. ピボットテーブルを使った集計
ピボットテーブルは、大量のデータをグループ化して、簡単に集計できる強力なツールです。例えば、売上データがある場合、地域ごとに売上を集計したり、月ごとに売上の合計を計算することができます。
- ピボットテーブルの作成手順
- 集計したいデータが入力されたシートを開きます。
- データ範囲を選択し、[挿入]タブから[ピボットテーブル]を選択します。
- ピボットテーブルを配置する場所(新規シートまたは既存のシート)を選び、「OK」をクリックします。
- 右側に表示されるフィールドリストから、集計に必要なフィールド(例えば「売上」「地域」など)をドラッグ&ドロップして、行や列、値に配置します。
これで、指定したデータを基にした集計表が自動的に作成されます。ピボットテーブルは、データを動的に分析できるため、非常に便利です。
2. 関数を使った集計
エクセルには、データを集計するための関数が多数用意されています。代表的な関数を以下に紹介します。
- SUM(合計): 指定した範囲の数値を合計します。
excel
=SUM(A1:A10)
- AVERAGE(平均): 指定した範囲の数値の平均を計算します。
excel
=AVERAGE(B1:B10)
- COUNT(数える): 指定した範囲のセルに入力されている数値の個数を数えます。
excel
=COUNT(C1:C10)
- IF(条件付き集計): 指定した条件に基づいて値を集計します。
excel
=IF(D1>100, "高い", "低い")
これらの関数を駆使することで、手軽に集計結果を得ることができます。
要約機能の利用方法
エクセルにおける「要約」とは、大量のデータを簡潔にまとめ、主要な情報を取り出すことです。要約機能としては、条件付き書式やグラフの作成が挙げられます。
1. 条件付き書式を使った要約
条件付き書式は、データの中で特定の条件を満たすセルを強調表示する機能です。これにより、データの傾向や異常値を視覚的に把握することができます。
- 条件付き書式の設定方法
- データ範囲を選択します。
- [ホーム]タブの[条件付き書式]をクリックします。
- 目的に応じたルールを選択(例えば、「セルの強調表示ルール」など)し、条件を設定します。
例えば、「売上が100以上のセルを赤色で強調表示する」といった設定を行うことができます。
2. グラフを使った要約
グラフは、データを視覚的に要約するための強力なツールです。売上の推移やカテゴリーごとの割合を簡単に示すことができます。
- グラフの作成手順
- グラフにしたいデータを選択します。
- [挿入]タブから目的のグラフタイプ(例えば、「折れ線グラフ」や「円グラフ」)を選択します。
- 作成されたグラフをドラッグして配置し、必要に応じてタイトルやラベルを追加します。
グラフを活用することで、データの傾向や関係性を視覚的に簡単に理解できるようになります。
集計と要約の実際の活用例
例えば、ある販売データを集計して、地域別や月別の売上合計を求め、その後その結果をグラフ化して視覚的に比較するというような作業が考えられます。以下の手順で行うことができます。
- データ集計: ピボットテーブルを使って地域別、月別に売上を集計します。
- 結果の要約: 集計結果を基に、条件付き書式で売上が高い地域や月を強調表示します。
- グラフ化: 集計結果をもとに棒グラフや折れ線グラフを作成して、売上の推移を視覚的に要約します。
これにより、どの地域でどの月に売上が高かったか、またその傾向をすぐに把握できるようになります。
まとめ
エクセル2019における集計と要約は、データを整理し、分析結果をわかりやすく伝えるための強力な手段です。ピボットテーブルや関数を使って集計を行い、条件付き書式やグラフを活用して要約することで、効率的にデータを管理し、意思決定に役立つ情報を得ることができます。これらの機能をマスターすることで、エクセルを最大限に活用し、データ分析やレポート作成のスキルを向上させることができます。