各国の経済と政治

グアンタナモの現在の収容者数

2025年4月現在、キューバのグアンタナモ湾にある米軍基地内の拘禁施設には、15名の被拘禁者が収容されています。この施設は2002年に開設されて以来、780人以上の被拘禁者を収容してきましたが、現在の収容者数は最少記録を更新しています。この減少は、バイデン政権による施設閉鎖への取り組みの一環として、2025年1月に11名のイエメン人被拘禁者をオマーンに移送したことが大きな要因です 。​Reuters

現在の被拘禁者の内訳

現在収容されている15名の被拘禁者のうち、9名は軍事委員会制度の下で起訴または有罪判決を受けています。残りの6名のうち3名は釈放が承認されているにもかかわらず、移送先の国が見つからないなどの理由で依然として収容されています。残る3名は、正式な起訴も釈放の承認もないまま、戦時法に基づく無期限の拘禁状態に置かれています 。​

拘禁施設の運営コストと批判

グアンタナモ湾拘禁施設の運営コストは非常に高額であり、2025年の推定では年間6億6,300万ドル、1人当たり約4,400万ドルに達しています。このような高額な費用に対して、被拘禁者の数が少ないことから、米国内外で批判の声が高まっています 。​

移民収容施設としての利用計画とその問題点

2025年初頭、トランプ政権はグアンタナモ湾の移民作戦センター(GMOC)を拡張し、最大3万人の移民を収容する計画を発表しました。しかし、この計画は法的・財政的・運用上の問題に直面しています。実際には、最大で178人の移民が一時的に収容されましたが、その後ほとんどが本国送還され、現在は数十人が一時的に収容されているのみです 。​Wikipedia

この計画には、法的な権限の不明確さや高額な運営コスト、施設のインフラ不足など、多くの課題が指摘されています。また、移民の人権侵害の懸念から、アメリカ自由人権協会(ACLU)などの団体が法的措置を講じています 。​AP News

結論

グアンタナモ湾拘禁施設は、テロ容疑者の拘禁から移民の収容まで、その役割を変化させてきましたが、現在は15名の被拘禁者を収容するのみとなっています。施設の高額な運営コストや人権問題、法的な課題などから、今後の運用については慎重な検討が求められています。特に、移民収容施設としての利用計画は、多くの問題を抱えており、その実現可能性には疑問が残ります。

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