シェアポイント (SharePoint) 上でのドメイン コントローラの完全なセットアップ方法
シェアポイント (SharePoint) は、企業内での情報共有やコラボレーションを支援する強力なツールであり、Microsoft 365の一部として広く利用されています。シェアポイントの設定を行う際には、ドメイン コントローラ (Domain Controller, DC) の準備が重要なステップとなります。ドメイン コントローラは、シェアポイントサーバーがActive Directory (AD) にアクセスできるようにするために必要不可欠な役割を果たします。本記事では、シェアポイントを使用するために必要なドメイン コントローラのセットアップ手順を完全に説明します。

1. ドメイン コントローラの役割と重要性
ドメイン コントローラは、Active Directory (AD) の管理を担当するサーバーです。シェアポイントのインストールや運用には、ユーザー認証やセキュリティポリシーの適用に必要なAD環境が欠かせません。シェアポイントは、ADを使用してユーザーの認証や権限管理を行うため、ドメイン コントローラを正しく構成しておくことが非常に重要です。
2. ドメイン コントローラのインストール
ドメイン コントローラのインストールは、Windows Serverを使用して行います。以下の手順でセットアップを行います。
2.1. サーバーの準備
まず最初に、シェアポイントをインストールするサーバーを準備します。このサーバーには、以下の要件が必要です。
- OS: Windows Server 2016以降(推奨: Windows Server 2019または2022)
- CPU: 2.0 GHz 以上のプロセッサ
- メモリ: 16GB以上
- ディスク容量: 100GB以上の空き容量
サーバーをセットアップした後、最新のWindowsアップデートを適用してください。
2.2. Active Directory ドメイン サービス (AD DS) の役割をインストール
- サーバーマネージャーを開き、**「役割と機能の追加」**ウィザードを開始します。
- 役割の選択画面で「Active Directory ドメイン サービス」を選択します。
- 必要な機能(特に「AD DS」)を選択し、次に進みます。
- インストールを完了させます。
2.3. ドメイン コントローラの昇格
- インストール後、サーバーマネージャーで**「通知」アイコンをクリックし、「このサーバーをドメイン コントローラに昇格」**を選択します。
- 新しいドメインを作成するか、既存のドメインに参加させるオプションを選択します。
- ドメイン名を入力し、設定を完了させます。例:
example.local
- ドメイン コントローラの昇格に必要なパスワードや設定を確認して、ドメインの作成または参加を完了させます。
これにより、このサーバーはドメイン コントローラとして機能し、Active Directory ドメインサービスが有効化されます。
3. シェアポイントサーバーの準備
シェアポイントのインストールを行う前に、以下の環境準備を整えます。
3.1. サーバーの構成
シェアポイントは専用のサーバーにインストールすることを推奨します。シェアポイントサーバーの要件に合致するサーバーを用意し、Windows Server 2016以降をインストールします。必要に応じてシェアポイント専用の管理者アカウントを作成しておきます。
3.2. 必要なソフトウェアのインストール
シェアポイントをインストールするために、以下のコンポーネントが必要です。
- .NET Framework(通常は3.5および4.7以上)
- IIS (Internet Information Services)、Web サーバーとして利用
- SQL Server(シェアポイントのデータベースが格納される)
これらのインストールを行った後、シェアポイントのインストール準備が整います。
4. シェアポイントインストール手順
シェアポイントのインストールには、Microsoftのインストーラーパッケージを利用します。インストール手順は次の通りです。
- シェアポイントのインストールパッケージをダウンロードします。Microsoft公式サイトから最新バージョンを取得します。
- インストールパッケージを展開し、インストーラを起動します。
- インストーラの指示に従い、インストールする役割やコンポーネントを選択します。これにはWebフロントエンド、アプリケーションサーバー、検索サーバーなどが含まれます。
- 必要に応じて、インストール後にSQL Serverとの接続を設定します。
5. シェアポイントの構成
シェアポイントのインストールが完了したら、次に構成を行います。
5.1. SharePoint 管理シェルの起動
インストール後、SharePoint Management Shellを管理者権限で起動します。ここでシェアポイントの設定を行います。
powershellNew-SPConfigurationDatabase -DatabaseName "SharePoint_Config" -DatabaseServer "SQL_Server_Name" -AdministrationContentDatabaseName "SharePoint_AdminContent" -FarmCredentials (Get-Credential) -Passphrase (ConvertTo-SecureString "YourPassword" -AsPlainText -Force)
このコマンドで、シェアポイントのファーム構成データベースを作成します。
5.2. ファームの構成
次に、シェアポイントのファームを構成するために以下のコマンドを実行します。
powershellNew-SPWebApplication -Name "SharePoint Web App" -ApplicationPool "SharePointAppPool" -Port 80 -URL "http://your-sharepoint-url"
これにより、シェアポイントのWebアプリケーションが作成されます。
6. ドメイン コントローラとシェアポイントの連携
シェアポイントがActive Directoryと統合されることで、ユーザー認証や権限管理がスムーズに行われます。シェアポイントの設定で、ADのグループを使用してアクセス権を管理することが可能です。
6.1. Active Directory グループの設定
シェアポイント内で使用するActive Directoryのユーザーグループを設定し、それらをシェアポイントの権限管理に組み込むことで、企業内のセキュリティやアクセス権限を一元管理することができます。
7. 結論
シェアポイントを利用するためには、ドメイン コントローラの準備が不可欠です。ドメイン コントローラを正しくセットアップすることで、シェアポイントがスムーズに運用でき、ユーザーの認証や権限管理が効率的に行えます。この記事で紹介した手順に従って、シェアポイントとActive Directoryを統合し、企業内での情報共有を強化しましょう。