バレーボールの競技場(またはコート)は、特定の規格に従って設計されており、これにより試合が公平かつ安全に行われることが保証されています。以下では、バレーボールコートの主要な仕様について詳述します。
1. コートの寸法
バレーボールのコートは、長方形であり、正式な試合用コートの標準寸法は以下の通りです。

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長さ: 18メートル
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幅: 9メートル
コートの中央には、ネットが張られ、その両端を区切るラインとして「センターライン」と呼ばれる線があります。コートの外周には、コートを囲むアウトオブバウンズ(境界線)が設けられており、これを越えたボールは失敗として扱われます。
2. ネットとその高さ
ネットはコートの中央に張られ、対戦する両チームを分けます。ネットの高さは、男女の競技において異なります。
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男子のネットの高さ: 2.43メートル
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女子のネットの高さ: 2.24メートル
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混合大会のネットの高さ: 通常、男子の高さ(2.43メートル)が採用されます。
ネットの幅は、コート全体の幅と同じであり、ネットの端から端までが9メートルです。ネットには「アンテナ」が付いており、これがネットの両端に設置され、ボールがこのアンテナを越えると失敗となります。
3. ゾーンとライン
コートは複数のゾーンに分けられ、それぞれのゾーンには特定の役割があります。主なゾーンは以下の通りです。
3.1 センターライン
センターラインは、コートの中央に引かれた線であり、両チームが対峙する位置を示します。このラインを越えたプレイヤーは、ファウルとして扱われます。
3.2 攻撃ライン
攻撃ライン(またはバックライン)は、コートの各端から3メートルの位置に引かれた線です。このラインは、バックプレイヤーが攻撃を行う際に越えても良い範囲を示します。バックプレイヤーは、このラインより前に出て攻撃を行うことが許可されていませんが、前衛プレイヤーに比べて制約が多くなっています。
3.3 サービスエリア
サービスエリアは、サーバーがボールを打つ位置を示します。サーバーは、サービスエリア内に立ってボールを打つことが求められます。サービスエリアの幅は、コートの端から端までの9メートルの幅をカバーしています。
4. チームと選手の配置
バレーボールでは、各チームは通常6人の選手で構成されます。これらの選手は、前衛と後衛の位置に分かれてプレーします。前衛の選手はネット近くで攻撃やブロックを担当し、後衛の選手は主に守備やレシーブを行います。
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前衛: ネットに近い3人の選手
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後衛: コートの後方にいる3人の選手
選手の配置は、サービス時に回転します。サービスが終了するごとに、選手は時計回りに位置を変えます。これにより、全員が前衛と後衛の役割を交代しながら試合を進めます。
5. プレイエリアと周辺の規定
コートの周囲には、一定のスペース(プレイエリア)が確保されています。このプレイエリアは、選手がボールを打つために自由に動けるスペースを提供するもので、以下のような要件があります。
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周囲の空間: 最低3メートル以上の空間が必要です。
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安全区域: 競技場周辺には安全区域が設けられ、選手がコートを越えてプレイする際にぶつからないように配慮されています。
6. その他の規定
6.1 ボール
バレーボールのボールは、直径が約65~67センチメートル、重さは約260~280グラムです。ボールは、空気圧が適切に調整されており、選手が打つ際に適切な反発力を持つように設計されています。
6.2 衣服
選手は、試合中に特定の服装を着用する必要があります。通常、ユニフォームは、チームの色やロゴが入ったシャツ、ショートパンツ、スポーツシューズが基本です。選手が着用する服装には、自由度がありますが、安全性と快適性を考慮する必要があります。
6.3 鳴り物・設備
競技中には、試合の進行を示すためのホイッスルやサウンドシステムが使用されます。これにより、選手や審判は試合の進行や中断を認識することができます。
結論
バレーボールコートの仕様は、競技を公平に進行させ、選手が最大のパフォーマンスを発揮できるように設計されています。コートの寸法、ネットの高さ、ライン、プレイエリアなど、すべての要素はルールに基づき詳細に定められており、国際的な大会でも統一されています。これらの基準が守られることにより、バレーボールは全世界で同じルールと条件のもとで行われ、観客にとっても魅力的なスポーツとなっているのです。