フットサル(サッカー5人制)の競技におけるルールは、通常のサッカーと似ている部分もありますが、いくつかの点で異なります。フットサルは屋内で行われることが多く、狭いフィールドでの競技であるため、特有のルールや制約が設けられています。ここでは、フットサルの主要なルールを詳細に説明します。
1. フィールドのサイズと構造
フットサルの競技場は、通常のサッカー場よりも小さいです。フィールドの長さは25〜42メートル、幅は16〜25メートルとされています。ゴールのサイズは、幅3メートル、高さ2メートルです。通常、競技場にはアウトオブバウンズラインとゴールラインが設定され、フットサルボールは外に出ると再開が行われます。

2. プレイヤーとポジション
フットサルの試合は5人対5人で行われ、各チームには1人のゴールキーパーと4人のフィールドプレイヤーがいます。フィールドプレイヤーは攻撃と守備をバランスよくこなします。選手交代は自由に行えますが、ボールがプレイ中でないときに交代を行う必要があります。
3. ゲームの進行
フットサルの試合は2つのハーフに分かれており、各ハーフは20分間が標準です。ただし、競技によっては異なる時間が設定されることもあります。試合が途中で引き分けの場合、延長戦が行われることもあります。また、延長戦の後、引き分けの場合にはペナルティシュートアウトで決着がつけられます。
4. ボール
フットサルで使用されるボールは、通常のサッカーのボールよりも小さく、硬さも異なります。フットサルボールは地面に低く、少し跳ねにくいように設計されています。これにより、速いプレイが求められると同時に、選手の精密な技術が必要とされます。
5. 反則とペナルティ
フットサルにはいくつかの反則があります。最も一般的な反則は、トラッピングや手を使うこと、ラフプレイや過剰な接触です。フットサルでは、ファウルが5回以上行われた場合、6回目のファウルからは相手チームに「ペナルティスロー」が与えられます。このペナルティスローは、ゴールエリアの外から直接ゴールを狙うものです。
6. ファウルの制限と罰則
フットサルでは、チームが試合中に犯すファウルの回数に制限があります。通常、1チームにつき1試合で5回までのファウルが許されます。6回目のファウルが発生した場合、相手チームにペナルティスローが与えられます。また、特定のファウル(危険なプレイや意図的なハンドボールなど)には、即座にフリーキックやペナルティスローが与えられます。
7. 退場とイエローカード・レッドカード
フットサルでもサッカー同様にイエローカードやレッドカードが使用されます。イエローカードは警告であり、選手が悪質なファウルを犯した場合に出されます。レッドカードは、選手が重大な反則(例:危険なプレイや暴力行為)を犯した場合に出され、その選手は即座に試合から退場し、その試合には復帰できません。また、レッドカードを受けた選手は次の試合に出場できないことが一般的です。
8. ゴールキーパーの特別ルール
ゴールキーパーには特別なルールが適用されます。ゴールキーパーは手でボールを扱うことが許されていますが、ペナルティエリア内でのみ手を使うことができます。ゴールキーパーがボールをペナルティエリア外で使った場合、フリーキックが相手チームに与えられます。
また、ゴールキーパーにはボールの保持時間に制限があります。ゴールキーパーがボールを手で保持できる時間は、通常4秒以内です。この制限を超えた場合、相手チームにフリーキックが与えられます。
9. セットプレイ
フットサルでは、ゴールキーパーや選手がボールをフィールドに投げたり、蹴ったりする際に特定のルールがあります。フリーキックやコーナーキック、スローインなどのセットプレイは、速やかに行う必要があり、相手チームがプレイを妨げることは許されません。また、コーナーキックの場合、ボールがゴールラインを越えた場合にのみ、相手チームにコーナーキックが与えられます。
10. フィールドプレイと戦術
フットサルの試合は、スペースが限られているため、スピードと戦術が非常に重要です。選手たちは素早くボールを移動させ、相手の守備を崩すための巧妙なパスやドリブルを駆使します。また、フットサルでは選手が素早く交代できるため、試合の途中で戦術を柔軟に変更することが可能です。
結論
フットサルは、非常に速いペースで行われ、技術的なスキルが求められるスポーツです。そのため、選手やコーチは細かいルールや戦術を理解し、適切にゲームを進める必要があります。フットサルの競技は、サッカーの基本的なルールに準じつつも、フィールドサイズやプレイスタイルの違いによって独自の魅力を持っています。このルールに従って行われる試合は、観客にとっても非常にエキサイティングでダイナミックなものとなります。