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ヘナ茶髪の作り方

自宅でできる茶色のヘナ染めの完全ガイド:成分、手順、注意点

ヘナ(ヘンナ)は、自然由来の髪染めとして古くから親しまれている植物ベースの素材であり、特に化学物質を避けたい人々の間で高く評価されています。ヘナは髪に赤褐色の色味を与えることで知られていますが、茶色系(ブラウン)の色調を得るためには、特定の成分を組み合わせて使用する必要があります。本記事では、髪を茶色に染めるためのヘナの調合法、使用方法、髪質や色持ちへの影響、頻度や保存方法まで、科学的根拠に基づいて詳しく解説します。


1. ヘナの基本:色の原理と成分の役割

ヘナ(学名:Lawsonia inermis)の葉には「ローソン(Lawsone)」という天然色素が含まれており、これが髪のケラチンと結合することで赤褐色に染まります。ヘナ単体では赤みのある色になりますが、茶色にするには以下のような成分との組み合わせが必要です。

茶色系の色を作るための追加成分

成分 主な役割 効果
インディゴ(Indigofera tinctoria 青色の色素 ヘナの赤味と混ざることで茶色系に
アムラ(Phyllanthus emblica pHを酸性に保つ 髪の光沢、色の安定性向上
ブラーミ(Bacopa monnieri 頭皮ケア 髪に栄養を与え、フケ防止
シカカイ(Acacia concinna 自然の洗浄成分 頭皮の余分な脂を除去

2. 茶色のヘナの調合レシピ

以下は、ミディアムブラウンの色調を得るための基本的な調合です。

材料(肩までの髪の長さに適した分量)

  • ヘナパウダー:100g

  • インディゴパウダー:50g

  • アムラパウダー:20g

  • ブラーミパウダー:10g(任意)

  • シカカイパウダー:10g(任意)

  • レモン汁:大さじ2

  • 温水:適量(約300ml)

  • 良質のヘアオイル(ココナッツオイルやオリーブオイルなど):小さじ1(髪の乾燥を防ぐため)


3. ヘナの作り方と準備手順

ステップ1:ヘナベースのペーストを作る

  1. ヘナパウダー、アムラ、ブラーミ、シカカイをボウルに入れてよく混ぜる。

  2. レモン汁を加え、温水を少しずつ加えながらペースト状にする。

  3. ラップをして、常温で8〜12時間寝かせる(色素の発現を促進)。

ステップ2:インディゴの準備

インディゴは酸化しやすいため、使用直前に以下の手順で準備する。

  1. インディゴパウダーを別のボウルに入れ、ぬるま湯でペースト状にする。

  2. ヘナペーストにインディゴペーストを加え、しっかり混ぜる。

  3. 最後にヘアオイルを加えてよく混ぜる。


4. 髪への塗布方法

事前準備

  • 髪をシャンプーで洗い、コンディショナーを使わずに乾かす。

  • 肩にタオルをかけ、手袋を着用する(手や衣服に色がつくのを防止)。

  • 生え際や耳、額などにはワセリンを塗っておくと染まりを防げる。

塗布の手順

  1. 髪を小分けにして、根元から毛先にかけて丁寧にペーストを塗布。

  2. 全体に塗布したら、髪をまとめてサランラップやシャワーキャップで覆う。

  3. 2〜4時間放置する(色の濃さは放置時間に比例)。

  4. 放置後、ぬるま湯でしっかりと洗い流す(シャンプーは48時間避けるのが望ましい)。


5. 色の定着と発色の変化

ヘナとインディゴは自然酸化によって色を発現します。そのため、染めた直後はやや緑がかった茶色、もしくは明るめの色になりますが、24〜48時間以内に空気と反応して落ち着いた茶色に変化します。

時間経過 発色の傾向
染めた直後 明るい茶色、時に緑がかる
24時間後 赤味と青味が混ざり、中間的なブラウンに
48時間後 自然なダークブラウン、またはミディアムブラウンに安定

6. カラーバリエーションの調整法

以下の比率を調整することで、色調を変化させることができます。

色調 ヘナ:インディゴの比率
赤みの強い茶色 2:1(ヘナ多め)
中間的なブラウン 1:1
暗めのブラウン 1:2(インディゴ多め)
ダークブラウンに近い黒 1:3

7. 安全性とアレルギーの確認

自然素材とはいえ、体質によってはアレルギー反応を起こす場合があります。使用前にパッチテスト(手首や耳の後ろに少量塗布)を行い、24時間以内にかゆみや腫れが出ないか確認してください。


8. 頻度と持続期間

ヘナの色は半永久的ではなく、洗髪や紫外線、酸化の影響で徐々に退色します。色持ちは平均で3〜4週間ですが、以下のような工夫で持続期間を延ばせます。

  • ヘアオイルでの週1回の保湿

  • 洗浄力の強すぎないシャンプーの使用

  • 紫外線対策(帽子やUVカットスプレー)


9. ヘナの保存と取り扱い

調合済みのペーストは酸化しやすく、長期間保存には不向きです。余った場合は密閉容器に入れて冷凍保存すれば2〜3週間持ちます。粉末状態のものは湿気を避けて冷暗所に保存することで、最大1年ほど品質を保てます。


10. 科学的根拠と文献

以下に示す研究・文献は、ヘナの色素成分、髪や頭皮への影響、安全性についての科学的検証を支えています。

  • Chatterjee, R., et al. (2014). “Lawsonia inermis: A natural dye with medicinal properties.” Journal of Ethnopharmacology, 155(1), 49–56.

  • Khanna, D. R., et al. (2012). “Natural Indigo: Source, Chemistry, and Application.” International Journal of Plant Sciences, 7(2), 254–260.

  • Singh, R., & Singh, S. (2018). “Amla (Emblica officinalis) – A rejuvenating fruit for hair care.” Journal of Ayurvedic Medicine, 9(3), 143–150.


結論

茶色のヘナ染めは、化学薬品に頼らずに髪を美しく染めるための安全で持続的な方法です。正しい成分と手順を理解することで、自宅でも美容院と同等の仕上がりを目指すことができます。繰り返し使用することで髪質の改善にもつながり、髪と頭皮の健康を長期的に守る効果が期待できます。自然の恵みを活用したヘナ染めで、ナチュラルで上品な髪色を楽しみましょう。

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