モスクに到着した際の「モスクの礼拝」について、詳細に説明いたします。モスクに到着した瞬間、私たちの最初の行動は「タハィヤ・アル・マスジド(モスクの礼拝)」を行うことです。この礼拝は、モスクに入った際に行うべき特別な礼拝であり、モスクの神聖さを尊重するためのものです。以下では、その詳細な方法を解説します。
1. モスクに入る前の心構え
モスクに足を踏み入れる前に、まず心を清め、体を整えます。モスクは神聖な場所であるため、外的な汚れや不浄を取り除くことが重要です。このため、モスクに入る前には必ず「ウドゥ(小浄)」を行って体を清めることが求められます。また、モスクに入る前に「ビスマラ(アッラーの名前を唱える)」を心の中で唱えることも推奨されます。
2. モスクに入る際の礼儀
モスクに入るとき、まず右足から踏み入れることが望ましいとされています。これには、右側を優先するというイスラムの伝統に従った意味があります。そして、モスクの内部に入るときには、礼儀正しく静かな態度を保ち、他の信者を尊重することが求められます。
3. タハィヤ・アル・マスジド(モスクの礼拝)の方法
モスクに入った際に行う「タハィヤ・アル・マスジド」は、2つの短いサラート(礼拝)から成る礼拝です。この礼拝は、モスクに入った瞬間に神に対する感謝と敬意を表すために行います。以下の手順で行います。
1. ニア(心の誓い)
タハィヤ・アル・マスジドを行う前に、心の中でその意図を固めます。「私はモスクに入ったことを神に感謝し、モスクのために2回の礼拝を捧げます」という意図を持つことが重要です。
2. 礼拝の開始
次に、モスクの中で適切な場所を選び、立ちます。タハィヤ・アル・マスジドの礼拝は通常、モスクの中央または指定された場所で行います。この際、他の信者が礼拝中でないことを確認し、自分のスペースを確保します。
3. サラートの進行
モスクに入ったら、2回のラカア(礼拝の単位)を行います。この礼拝では、通常のサラートと同じように、以下の手順を踏んで行います。
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アラーム(立って開始): まず、立った状態で「アッラーフ・アクバル(アッラーは偉大である)」を言って礼拝を開始します。
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サウダ(祝詞の朗読): 最初のラカアでは、スーラ「アル・ファティハ」を読み、その後、追加で任意のスーラ(例えば、スーラ「アル・イクラス」など)を読むことができます。
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ルクウ(お辞儀): 次に、頭を下げてお辞儀をします。このとき、背筋がまっすぐになり、両手と両膝を地面に付けて姿勢を正します。
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スジュード(額を地面に): さらに頭を地面に付け、神に対する完全な服従の姿勢を取ります。
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座る: 2回目のスジュードの後、少し座り直してから、再びサラートを続けます。
これが1回のラカアの流れです。2回のラカアを行った後、礼拝は終了し、「アッサラーム・アライクム(平安がありますように)」と言って終了します。
4. タハィヤ・アル・マスジドを行う意味
タハィヤ・アル・マスジドは、モスクに到着した際に神への感謝の気持ちを示し、その場所の神聖さを尊重するための礼拝です。モスクは神の家であり、そこで行う礼拝は、神に対する深い敬意を表すものです。この礼拝を通じて、信者はモスクに入る際の心の準備を整え、その後の礼拝が神聖で有意義なものになるようにします。
5. モスクでの過ごし方
タハィヤ・アル・マスジドの礼拝を終えた後は、静かに過ごし、モスク内で他の信者を邪魔しないようにします。読書をしたり、個人的な祈りを捧げたりすることができますが、他の信者の祈りを尊重し、静かに過ごすことが重要です。
結論
モスクに到着した際に行う「タハィヤ・アル・マスジド(モスクの礼拝)」は、モスクを尊重するための大切な儀式です。清潔な心と体を保ち、適切な礼儀を守ることで、この礼拝は神に対する感謝の表現となり、モスクにおける神聖な時間をより有意義に過ごすことができます。モスクに入った際の心の準備と礼拝の流れをしっかりと理解し、日々の礼拝に活かすことが信者としての大切な教えとなります。
