ラズベリーパイをSSHでコンピュータに接続する方法は、リモートでラズベリーパイを操作したい場合に非常に便利です。このガイドでは、ラズベリーパイにSSHを利用して接続するためのステップを完全かつ包括的に解説します。
1. SSHとは?
SSH(Secure Shell)は、ネットワーク越しにコンピュータを安全に操作するためのプロトコルです。SSHを使用することで、物理的にラズベリーパイの近くにいなくても、他のコンピュータからラズベリーパイを操作することができます。
2. SSHを有効にする
ラズベリーパイにSSHで接続するためには、まずSSHが有効になっている必要があります。ラズベリーパイの最新のRaspberry Pi OSでは、SSHはデフォルトで無効になっているため、手動で有効にする必要があります。
SSHを有効にする方法
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ラズベリーパイのSDカードを取り出す
ラズベリーパイをシャットダウンし、SDカードを取り出します。 -
SDカードをパソコンに挿入
パソコンにSDカードを挿入します。これにより、ラズベリーパイのファイルシステムにアクセスできます。 -
SSHファイルを作成
SDカードのルートディレクトリに「ssh」という名前の空のファイルを作成します。このファイルには拡張子は不要です。 -
SDカードをラズベリーパイに戻す
SDカードをラズベリーパイに戻し、電源を入れると、SSHが有効になります。
3. ラズベリーパイのIPアドレスを確認する
次に、SSHで接続するためにはラズベリーパイのIPアドレスが必要です。ラズベリーパイがネットワークに接続されている状態で、そのIPアドレスを確認します。
IPアドレスの確認方法
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ラズベリーパイのディスプレイを使用して確認する
ラズベリーパイのターミナルを開き、以下のコマンドを入力します:bashhostname -Iこれにより、ラズベリーパイのIPアドレスが表示されます。
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ルーターの管理画面を使用して確認する
ルーターの管理画面にアクセスし、接続されているデバイスの一覧を表示します。ラズベリーパイのIPアドレスを確認できるはずです。
4. SSHクライアントを使って接続する
ラズベリーパイのIPアドレスがわかったら、次はSSHを使用して接続します。
Windowsの場合
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SSHクライアント(PuTTY)のインストール
Windowsには標準でSSHクライアントがないため、PuTTYという無料のSSHクライアントをインストールします。公式サイト(PuTTY公式サイト)からダウンロードし、インストールします。 -
PuTTYを使用して接続
PuTTYを開き、以下の情報を入力します:- Host Name (or IP address):ラズベリーパイのIPアドレス
- Port:22(デフォルトのSSHポート)
- Connection type:SSHを選択
その後、「Open」をクリックします。
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ログイン
初めて接続する場合、「Are you sure you want to continue connecting?」というメッセージが表示されることがあります。信頼できる接続であれば「Yes」をクリックします。次に、ラズベリーパイのデフォルトユーザー名「pi」とパスワード「raspberry」を入力します。
macOS/Linuxの場合
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ターミナルを開く
macOSやLinuxの場合、標準でSSHがインストールされています。ターミナルを開き、以下のコマンドを入力します:bashssh pi@<ラズベリーパイのIPアドレス> -
パスワードの入力
接続が確立すると、ラズベリーパイのパスワード(デフォルトは「raspberry」)を入力するよう求められます。
5. セキュリティの強化
デフォルトのユーザー名とパスワード(「pi」と「raspberry」)は非常に弱いため、セキュリティを強化することが重要です。以下の手順でセキュリティを向上させることができます。
パスワードの変更
ラズベリーパイにSSHで接続したら、次のコマンドでパスワードを変更できます:
bashpasswd
新しいパスワードを入力して、確認します。
SSHキー認証を使用
SSHキー認証を使用することで、パスワードを使わずに安全に接続できるようになります。以下の手順でSSHキーを設定します。
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ローカルPCでSSHキーを作成
ローカルPCで以下のコマンドを入力します:bashssh-keygenパスフレーズを設定することができますが、空のままにすることもできます。
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公開鍵をラズベリーパイにコピー
以下のコマンドで公開鍵をラズベリーパイにコピーします:bashssh-copy-id pi@<ラズベリーパイのIPアドレス>これにより、SSHキーを使ってパスワードなしで接続できるようになります。
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パスワード認証を無効化
セキュリティをさらに強化するために、パスワード認証を無効化します。ラズベリーパイで以下のコマンドを実行して設定を変更します:bashsudo nano /etc/ssh/sshd_configPasswordAuthenticationをnoに変更し、ファイルを保存して終了します。その後、SSHサービスを再起動します:bashsudo systemctl restart ssh
6. SSH接続の終了
作業が終わったら、SSH接続を終了します。以下のコマンドを入力します:
bashexit
これでSSH接続が切断されます。
まとめ
SSHを使用すると、ラズベリーパイを遠隔操作することができ、物理的に近くにいなくても、ラズベリーパイの設定や管理が可能になります。セキュリティを強化するために、パスワードの変更やSSHキー認証の設定を行うことをお勧めします。
