ランゲルハンス島は、膵臓の内部に存在する特定の細胞群で、インスリンやグルカゴンなどのホルモンを分泌する役割を持っています。これらの島状構造は、膵臓の外分泌腺と内分泌腺の両方として機能し、体内の血糖値を調節する重要な役割を果たしています。ランゲルハンス島は、膵臓全体の約2〜3%の体積を占めていますが、その機能は人体の健康において非常に重要です。
膵臓自体は、腹部の上部、胃の後ろに位置し、十二指腸の近くにあります。膵臓は、外分泌腺として消化酵素を分泌し、また内分泌腺としてインスリンやグルカゴンなどを分泌する役割も担っています。これらのホルモンは、血糖値の調節に関与しており、ランゲルハンス島はその分泌を担当している細胞群の集まりです。
ランゲルハンス島の主要な細胞は、アルファ細胞、ベータ細胞、デルタ細胞、そしてPP細胞です。それぞれが異なるホルモンを分泌します。
-
ベータ細胞:インスリンを分泌します。インスリンは血糖値を下げる作用を持ち、食後に血糖が急激に上昇するのを防ぎます。
-
アルファ細胞:グルカゴンを分泌します。グルカゴンはインスリンとは逆に血糖値を上げる作用があり、空腹時に血糖値を維持するために重要です。
-
デルタ細胞:ソマトスタチンを分泌します。ソマトスタチンはインスリンやグルカゴンの分泌を抑制する働きがあります。
-
PP細胞:膵ポリペプチドを分泌します。このホルモンは、消化過程や食欲に関与しています。
ランゲルハンス島が正常に機能することで、血糖値のバランスが保たれ、健康的な体内環境が維持されます。しかし、何らかの原因でこれらのホルモンの分泌が乱れると、糖尿病などの疾患が引き起こされる可能性があります。例えば、ベータ細胞の機能が失われると、インスリンの分泌が不十分になり、血糖値が上昇する糖尿病が発症します。
ランゲルハンス島はその機能において非常に重要であり、膵臓の健康を維持するためには、その機能が適切に保たれることが求められます。
