プログラミング

ワードプレス 翻訳設定ガイド

ワードプレスのテーマやプラグインを翻訳可能にするための方法について、詳細かつ包括的な記事を日本語でご紹介します。


ワードプレステーマやプラグインの翻訳可能性を高める方法

ワードプレスは世界中で広く使用されているコンテンツ管理システム(CMS)であり、多言語対応が非常に重要です。特に、異なる言語でコンテンツを提供したい場合、テーマやプラグインが簡単に翻訳できるようになっていることが求められます。このガイドでは、ワードプレスのテーマやプラグインを翻訳可能にする方法を詳しく説明します。

1. 翻訳可能なテーマとプラグインの選び方

最初に重要なのは、翻訳が可能なテーマやプラグインを選ぶことです。一般的に、多言語対応のテーマやプラグインは、開発者が国際化(i18n)とローカリゼーション(l10n)を考慮して作成されています。

  • 国際化(i18n): ソフトウェアのコードを他の言語で動作させる準備をすることです。具体的には、文字列をハードコードせずに外部ファイルにまとめ、翻訳が容易になるようにします。

  • ローカリゼーション(l10n): ソフトウェアが特定の言語に適応できるようにするプロセスです。

これらの機能が組み込まれているテーマやプラグインを選ぶことで、後の翻訳作業が格段に楽になります。

2. 翻訳準備のためにテーマやプラグインを調整する

ワードプレスのテーマやプラグインを翻訳可能にするためには、いくつかの基本的な手順を踏む必要があります。以下はその主な手順です。

2.1 .potファイルの作成

ワードプレスのテーマやプラグインにおける翻訳可能な文字列は、.pot(Portable Object Template)ファイルにまとめられます。このファイルは翻訳者が翻訳すべき文字列を含んでおり、翻訳作業のためのテンプレートとして機能します。

  • load_textdomain() 関数を使用して、テーマやプラグインに翻訳ファイルを読み込ませます。

  • __()_e() などの関数を使用して、文字列を翻訳可能にします。これらの関数は翻訳文字列を指定するもので、翻訳作業ができるようにします。

2.2 翻訳用のファイル(.po / .mo)の作成

.pot ファイルを作成した後、実際に翻訳を行うために .po ファイル(Portable Object)を作成します。このファイルには、原文と翻訳された文字列がペアで保存されます。翻訳が完了した後、.po ファイルをコンパイルして .mo(Machine Object)ファイルを生成します。この .mo ファイルが実際にワードプレスで使用されます。

  • .po ファイルは翻訳者が直接編集できるテキストファイルです。

  • .mo ファイルはコンパイルされたバイナリ形式で、ワードプレスが実行時に読み込みます。

2.3 翻訳ツールの使用

翻訳作業を効率化するためには、専用のツールを使用することが推奨されます。代表的なツールには以下があります。

  • Poedit: .po ファイルを編集するための人気のあるツールです。GUIで翻訳作業ができ、翻訳の管理が簡単です。

  • Loco Translate: ワードプレスの管理画面から直接翻訳作業ができるプラグインです。これを使えば、特別なソフトをインストールせずに翻訳が可能です。

3. 翻訳ファイルの実装

翻訳が完了したら、生成した .mo ファイルをワードプレスに適切に配置する必要があります。通常、これらのファイルはテーマやプラグインの languages フォルダーに格納します。

  • テーマの場合、wp-content/themes/{テーマ名}/languages フォルダに .mo.po ファイルを置きます。

  • プラグインの場合、wp-content/plugins/{プラグイン名}/languages フォルダに配置します。

4. 多言語対応プラグインの活用

ワードプレスで多言語サイトを構築するためには、専用のプラグインを活用するのが非常に有効です。代表的なプラグインには以下のようなものがあります。

  • WPML(WordPress Multilingual Plugin): ワードプレスの公式な多言語対応プラグインで、サイト全体を複数の言語で管理できます。

  • Polylang: 無料で使用できる多言語プラグインで、サイトの翻訳を簡単に管理できます。

  • TranslatePress: フロントエンドから直接翻訳できるプラグインです。ライブで翻訳内容を確認しながら作業できます。

これらのプラグインは、ユーザーインターフェースやコンテンツの多言語化を簡単に実現することができます。

5. 翻訳の管理とメンテナンス

翻訳後も、新たに追加されたコンテンツや変更された文字列があるたびに翻訳を更新する必要があります。定期的にテーマやプラグインの更新を行い、翻訳ファイルを更新することで、常に最新の状態を保つことができます。

また、翻訳が正確で一貫性があることを確保するために、翻訳メモリツール(TM)や用語集を使用することも役立ちます。これにより、同じフレーズが一貫して翻訳されるようになります。


結論

ワードプレスのテーマやプラグインを翻訳可能にすることは、サイトを多言語対応にするための第一歩です。適切なツールと手順を使用すれば、翻訳作業は効率的かつ正確に行うことができます。これにより、世界中のユーザーに向けてコンテンツを提供することが可能となり、ユーザー体験の向上につながります。

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