各国の経済と政治

世界の超高層階ビル

世界には、その規模や技術力の象徴としてそびえ立つ超高層ビルが数多く存在している。これらのビルは単に高さを競うだけでなく、経済力、都市計画、技術革新、そして未来への展望を体現する存在でもある。本稿では、2025年時点において「階数が最も多い世界の建物」上位10件を完全かつ包括的に紹介する。高さ(メートル)や総階数、所在地、用途などのデータを基に、各建物の特長と世界に与えるインパクトについても考察を加える。


1. セントラルパークタワー(アメリカ・ニューヨーク)

  • 階数:98階(居住可能階数)/総階数:131階

  • 高さ:472.4メートル

  • 完成:2020年

  • 主な用途:高級住宅、商業施設

セントラルパークタワーは、アメリカで最も階数の多い建築物であり、主に高級レジデンシャルタワーとして設計されている。ニューヨーク・マンハッタンのセントラルパークに隣接しており、その立地と眺望は世界でも随一である。超富裕層向けの物件として知られ、1ユニット数十億円という価格帯は話題となった。


2. ブルジュ・ハリファ(アラブ首長国連邦・ドバイ)

  • 階数:163階(居住可能階数)/総階数:206階

  • 高さ:828メートル

  • 完成:2010年

  • 主な用途:オフィス、住宅、ホテル、展望台

言わずと知れた世界一高い建物であるブルジュ・ハリファは、階数でも世界有数である。技術的には206階まで構造が伸びているが、実際に使用可能な階は163階までである。ドバイの象徴として、観光資源としての価値も絶大であり、建築・観光・不動産の融合モデルとして世界中から注目を集めている。


3. メルデカ118(マレーシア・クアラルンプール)

  • 階数:118階

  • 高さ:678.9メートル

  • 完成:2023年

  • 主な用途:オフィス、ホテル、商業施設、展望台

2023年に完成したメルデカ118は、アジアで2番目に高く、世界では2番目に高い建物であると同時に、階数でも世界上位に位置する。マレーシアの独立を象徴する名称が与えられており、国民的な誇りを表すモニュメントとして建てられた。


4. アブラージュ・アル・ベイト・タワーズ(サウジアラビア・メッカ)

  • 階数:120階(中央時計塔)

  • 高さ:601メートル

  • 完成:2012年

  • 主な用途:ホテル、ショッピングモール、祈祷室、博物館

メッカ巡礼者向けの複合施設として建設されたこのタワーは、世界最大級の時計を持つ「時計塔」としても知られる。イスラム圏最大の建造物として、宗教的・文化的意義が非常に高い。


5. ペンインシュラ・ホテル・タワー(香港)

  • 階数:118階

  • 高さ:約484メートル

  • 完成:2010年

  • 主な用途:オフィス、ホテル、レジデンス

香港のビジネスとラグジュアリーを象徴するこのビルは、特に超高層オフィスビルとしての需要が高く、金融機関や国際企業が多く入居している。アジアの金融拠点としての威信を誇示する象徴でもある。


6. ロッテワールドタワー(韓国・ソウル)

  • 階数:123階

  • 高さ:555メートル

  • 完成:2016年

  • 主な用途:オフィス、ホテル、レジデンス、展望台、ショッピングモール

韓国における最も高層の建築物であり、文化・商業の複合施設として多くの訪問者を集めるランドマークである。地震や強風に備えた高度な耐震構造を備えており、技術的にも注目されている。


7. 天津 CTF ファイナンスセンター(中国・天津)

  • 階数:97階

  • 高さ:530メートル

  • 完成:2019年

  • 主な用途:ホテル、オフィス、レジデンス

中国の「超高層ビルラッシュ」を代表する建築物であり、流線型の美しいデザインが特徴。省エネ性能と耐震構造が評価され、環境配慮型の設計が採用されている。


8. 上海タワー(中国・上海)

  • 階数:128階

  • 高さ:632メートル

  • 完成:2015年

  • 主な用途:オフィス、展示ホール、展望台、商業施設

中国最高峰の建物であり、二重ガラス構造の外壁によって省エネ効率が極めて高い。世界で最も高速なエレベーター(時速73.8km)を有しており、技術力の粋が結集された構造となっている。


9. ゴールドイン・ファイナンス117(中国・天津)

  • 階数:128階

  • 高さ:597メートル(未完成)

  • 主な用途:ホテル、オフィス

建設中に一時中断されていたが、再開が見込まれている。完成すれば階数・高さともに世界上位に位置する見込みである。天津の経済発展を象徴するプロジェクトとして計画された。


10. 武漢グリーンランドセンター(中国・武漢)

  • 階数:119階(計画)

  • 高さ:475メートル(実際)

  • 完成:2022年(縮小設計で完成)

  • 主な用途:ホテル、オフィス、レジデンス

当初636メートルで設計されたが、航空法制限などの事情により、475メートル・119階相当の構造に変更されて完成した。それでもなお、中国国内では有数の高さを誇り、地域のランドマークとなっている。


比較表:階数で見る世界の超高層ビル

ランキング ビル名 所在地 総階数 高さ(メートル) 完成年
1 セントラルパークタワー アメリカ 131階 472.4m 2020年
2 ブルジュ・ハリファ アラブ首長国連邦 206階 828m 2010年
3 メルデカ118 マレーシア 118階 678.9m 2023年
4 アブラージュ・アル・ベイト サウジアラビア 120階 601m 2012年
5 ペンインシュラタワー 香港 118階 約484m 2010年
6 ロッテワールドタワー 韓国 123階 555m 2016年
7 天津 CTF センター 中国 97階 530m 2019年
8 上海タワー 中国 128階 632m 2015年
9 ゴールドイン117 中国 128階 597m(未完成) 未定
10 武漢グリーンランド 中国 119階 475m 2022年

これらの建築物は単に「高い」だけでは

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