馬に乗る技術は、単に体力やバランスを保つだけでなく、馬との信頼関係を築くことが求められます。初心者でも安全に乗馬を楽しむためには、段階的に技術を身につけることが大切です。ここでは、馬に乗る方法を学ぶための基本的なステップを、初めての方にもわかりやすく説明します。
1. 馬との信頼関係を築く
馬に乗る前に、まずは馬との信頼関係を築くことが重要です。馬は非常に敏感で、周囲の環境や乗り手の感情に影響を受けやすい動物です。馬に近づく際は、静かに、そして落ち着いて接することが大切です。

最初に行うべきは、馬を手で優しくなでたり、馬房での世話をすることです。馬の顔や体を撫でることで、馬はあなたに安心感を覚えるようになります。また、馬にエサを与えることも信頼関係を築く良い方法です。
2. 基本的な乗り方を学ぶ
馬に乗る準備が整ったら、次は実際に馬に乗るステップです。まず、乗る際は安全な場所、たとえば乗馬用の円形の馬場で練習をすることが推奨されます。初めて乗る場合、インストラクターの指導を受けることが大切です。
馬に乗るときの基本的な手順は以下の通りです:
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馬の左側に立つ:馬の左側(通常の乗り方のルール)に立ち、馬の背中を触りながら、足元を確認します。
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ステップに乗る:足をステップにかけ、馬の背中に向かって一気に跨るようにします。この時、手で鞍をしっかりとつかみ、バランスをとります。
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脚の位置:馬に乗ったら、脚を鞍の下にしっかりと位置させます。足の踵が下に下がり、膝を軽く曲げてリラックスします。
3. 馬の歩き方とコントロール
馬に乗ったら、次は馬の歩き方を理解し、その動きをコントロールできるようになる必要があります。馬の歩き方にはいくつかの種類がありますが、最初は「歩行」から練習を始めます。
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歩行:最も基本的な歩き方で、馬はゆっくりと歩きます。この歩行はリズムよく、安定しています。乗り手は、座りながらリズムに合わせて体を揺らし、バランスを取ります。
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速歩:次に挑戦するべきは速歩です。速歩は歩行よりも少し速く、乗り手は座った状態でスムーズにバランスを取ることが求められます。速歩の際は、腰を使ってバランスを取り、体を前後に揺らしすぎないようにします。
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駆け足(カントゥ):駆け足は、速歩よりもさらに速い馬の動きです。これにはより高いバランス感覚が必要です。最初はインストラクターの指導を受けながら練習し、次第に自分で馬の動きに合わせていきます。
4. 手綱の使い方
手綱は、馬の方向やスピードをコントロールするために使います。手綱をしっかりと握り、馬に指示を与える方法を学ぶことが重要です。
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進行方向を決める:手綱を左右に引くことで、馬はその方向に進みます。右手で右手綱、左手で左手綱を使い、馬の首をコントロールします。
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減速・停止:手綱を引くことで、馬は減速します。引きすぎず、適切なタイミングで引くことが求められます。停止する際は、手綱を軽く引きながら、口調で「ホ」と言うことが一般的です。
5. 乗馬のための体力作りとストレッチ
乗馬は体力を必要とするスポーツであり、筋力や柔軟性が求められます。特に、腹筋、背筋、脚の筋力が重要です。定期的なトレーニングとストレッチで、乗馬に必要な体力を養いましょう。
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腹筋と背筋のトレーニング:乗馬中は、しっかりとした体幹の維持が必要です。腹筋と背筋を鍛えることで、安定した姿勢を保ちやすくなります。
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脚の筋力トレーニング:馬をコントロールするためには、脚の筋肉が必要です。スクワットやランジなどのエクササイズで脚を鍛えましょう。
6. 安全対策と心構え
乗馬を楽しむためには、安全対策を守ることが最も重要です。必ず適切な乗馬用具を使用し、初心者の場合はインストラクターの指導を受けることをお勧めします。
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ヘルメットの着用:頭部を守るために、必ずヘルメットを着用しましょう。
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手袋の着用:手綱を握るための手袋は、滑りにくくし、手の保護にもなります。
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適切な服装:乗馬には、動きやすく、馬の鞍や手綱に干渉しない服装を選びましょう。
7. 練習の積み重ねと継続
乗馬は一度で完璧にできるものではなく、練習を重ねることで上達します。最初は難しく感じることもありますが、徐々に馬とのコミュニケーションが取れるようになります。焦らず、少しずつステップを踏んでいきましょう。
乗馬を習得することは、精神的な充実感や体力向上に繋がるだけでなく、馬との絆を深める貴重な体験です。安全を第一に、楽しみながら学んでいってください。