医学と健康

乳児・幼児の発熱ガイド

子どもの発熱(熱性疾患)は、親にとって非常に心配な症状の一つです。特に赤ちゃんや幼児における発熱は、体温の急激な変化や、まだ免疫機能が十分でないことから、特に注意が必要です。この記事では、乳児や幼児の発熱について、原因、症状、治療法、予防策などを包括的に解説します。

1. 乳児・幼児の発熱の原因

発熱は、体内で何らかの異常が起きているサインです。特に乳児や幼児においては、発熱が示す原因がさまざまです。主な原因には以下のようなものがあります。

(1) ウイルス感染

乳児や幼児の発熱の多くはウイルス感染が原因です。風邪やインフルエンザ、RSウイルス(呼吸器合胞体ウイルス)、手足口病など、さまざまなウイルスが発熱を引き起こします。ウイルスに感染すると、体内で免疫反応が起こり、体温が上昇することがあります。

(2) 細菌感染

細菌による感染症も発熱の原因となります。例えば、耳の感染症(中耳炎)、喉の感染症(扁桃炎)、尿路感染症などが代表的です。細菌感染はウイルス感染よりも症状が重くなることが多いため、発熱が続く場合には早急な治療が求められます。

(3) 接種後の反応

乳児や幼児は定期的に予防接種を受けますが、一部の予防接種後に一時的な発熱が見られることがあります。これは免疫反応として正常な反応であり、通常は数日以内に収まります。

(4) 歯の生え始め

乳歯が生え始める時期には、歯茎が腫れて痛みを伴い、その結果として軽い発熱が起こることがあります。この場合、発熱は通常、軽度で一時的なものです。

(5) 環境要因

過度な暑さや不適切な衣服、重ね着など、環境による要因で体温が上がることもあります。このような発熱は、体温を適切に調整することで改善できます。

(6) その他の原因

まれに、発熱が自己免疫疾患や腫瘍などの深刻な疾患に起因していることもありますが、これは非常に稀です。特に発熱とともに異常な症状(例えば、けいれん、元気がないなど)が見られる場合は、早期に医療機関を受診することが重要です。

2. 乳児・幼児の発熱の症状

発熱を伴う病気では、発熱自体の症状だけでなく、以下のような関連する症状が見られることがあります。

(1) 食欲不振

発熱があると、乳児や幼児は通常より食欲が減少します。特に乳児の場合、授乳を拒否することがよくあります。

(2) 体調不良

発熱とともに、ぐったりして元気がなくなることがあります。動きが鈍くなったり、遊ぶことを嫌がったりする場合は、体調が悪いサインと考えられます。

(3) 呼吸困難

ウイルスや細菌の感染によって、発熱とともに呼吸が荒くなることがあります。特に、RSウイルスやインフルエンザなどでは、呼吸がしづらくなることがあり、注意が必要です。

(4) けいれん

高熱が続くと、けいれんを起こすことがあります。特に、1歳未満の乳児に多く見られる症状ですが、これが起きた場合は速やかに医師に相談する必要があります。

(5) 皮膚の発疹

発熱と共に皮膚に発疹が現れることがあります。発疹が広がるタイプの病気(例えば、麻疹や風疹)では、発熱と一緒に皮膚の変化が見られることがあります。

3. 発熱時の対処法

発熱は必ずしも重大な問題を示しているわけではありませんが、症状によっては適切な対応が必要です。

(1) 体温の管理

乳児や幼児の場合、体温を下げるために軽い服装をさせ、涼しい環境に保つことが重要です。高温の環境や厚着は避けましょう。また、こまめに水分補給をさせることで、脱水症状を防ぎます。

(2) 解熱薬の使用

発熱が続く場合や、子どもが不快そうにしている場合は、解熱薬を使用することがあります。ただし、薬の使用には注意が必要で、必ず小児科医の指導を受けるようにしましょう。一般的に、アセトアミノフェンなどの薬が使用されますが、イブプロフェンなどは慎重に使う必要があります。

(3) 体温を測る

発熱があるときは、定期的に体温を測定し、体温がどのくらい上昇しているのかを把握します。体温が39度を超える場合や、長時間にわたって高熱が続く場合は、速やかに医療機関に相談することが推奨されます。

(4) 医師の診察

発熱が2日以上続く、食欲が全くない、ぐったりしている、またはけいれんが見られるなどの異常がある場合は、早急に医師の診察を受けるべきです。特に、生後3ヶ月未満の赤ちゃんの発熱は緊急事態と見なされることがあるため、直ちに医療機関を受診しましょう。

4. 発熱の予防法

発熱を完全に予防することは難しいですが、以下の予防策を講じることで、発熱を引き起こす原因となる病気を防ぐことができます。

(1) 手洗いと衛生管理

手洗いやアルコール消毒を徹底し、病気の感染を防ぎましょう。外出後や食事の前、トイレの後など、手を洗う習慣を身につけさせることが大切です。

(2) 予防接種

乳児や幼児は予防接種を受けることで、重篤な病気を予防できます。予防接種は、免疫力を高め、特にウイルスや細菌による感染症から身を守る重要な手段です。

(3) 健康的な生活習慣

バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を確保することは、免疫力を高め、発熱のリスクを低減するために重要です。

(4) 病気を持っている人との接触を避ける

風邪やインフルエンザなどの症状がある人との接触を避けることで、感染を防ぎます。また、公共の場では、赤ちゃんや幼児を過度に人混みに近づけないようにしましょう。

5. まとめ

乳児や幼児の発熱は、しばしばウイルス感染が原因ですが、発熱の背後にはさまざまな原因があります。発熱自体は体の免疫反応の一環として重要な役割を果たしていますが、過度の発熱や長期間の発熱は、深刻な病気を示唆する場合もあるため、適切な対処が求められます。もし発熱が続いたり、他の異常な症状が見られたりする場合は、早めに医師に相談することが重要です。

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