医療検査に関連する用語は、医療現場や研究の中で非常に重要な役割を果たします。これらの用語を理解することで、患者や医療従事者は、病気の診断や治療方法に関する情報をより効果的に伝達することができます。本記事では、医療検査に関する英語の用語を日本語で解説します。これにより、専門的な理解が深まり、英語の文献や診療報告書を理解する際に役立つ知識を提供します。
1. 血液検査(Blood Tests)
血液検査は、体内の健康状態を調べるために最も一般的に行われる検査の一つです。血液中の成分を調べることで、病気の兆候や異常を早期に発見することができます。

- Complete Blood Count (CBC): 完全血球計算。血液中の赤血球、白血球、血小板などの数を測定し、貧血や感染症、白血病などの異常を発見します。
- Hemoglobin (Hb): ヘモグロビン。血液中の酸素を運ぶ役割を持つタンパク質で、貧血の診断に重要です。
- Hematocrit (Hct): ヘマトクリット。血液中の赤血球の容積比を示し、貧血や脱水症状の診断に役立ちます。
- White Blood Cell Count (WBC): 白血球数。感染症や免疫系の異常を調べるために用いられます。
- Platelet Count (PLT): 血小板数。血液の凝固機能に関連し、出血や血栓のリスクを評価するために使われます。
2. 尿検査(Urinalysis)
尿検査は、腎臓や泌尿器系の疾患を調べるための重要な手段です。尿中の成分を分析することで、糖尿病や感染症、腎不全などの症状を確認できます。
- Urine Specific Gravity (SG): 尿比重。尿の濃さを測定し、腎機能や水分状態を評価します。
- Proteinuria: 蛋白尿。尿中に異常な量のタンパク質が含まれていることを示し、腎臓の障害を示唆します。
- Glucose in Urine: 尿中のグルコース。糖尿病の診断に用いられ、血糖値が高いと尿中に糖分が現れます。
- Hematuria: 血尿。尿中に血液が混じっている状態で、腎臓や膀胱の疾患を示す場合があります。
3. 肝機能検査(Liver Function Tests)
肝機能検査は、肝臓の健康状態を評価するために行われます。肝炎や肝硬変、肝臓がんなどを早期に発見するために重要です。
- Alanine Aminotransferase (ALT): アラニンアミノトランスフェラーゼ。肝臓の細胞が損傷を受けると血液中に漏れ出す酵素で、肝機能障害の指標となります。
- Aspartate Aminotransferase (AST): アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ。ALTと共に肝機能を評価するための重要な酵素です。
- Alkaline Phosphatase (ALP): アルカリフォスファターゼ。肝臓や胆道系の疾患を示す指標となります。
- Bilirubin: ビリルビン。赤血球が破壊されると生成され、肝臓で処理されます。血中のビリルビン濃度が高いと、肝臓や胆嚢の問題を示唆します。
4. 腎機能検査(Kidney Function Tests)
腎機能検査は、腎臓の健康状態を評価するために行われます。腎臓病の早期発見や進行具合を知るために役立ちます。
- Serum Creatinine: 血清クレアチニン。腎臓のろ過機能を評価するための指標で、腎機能が低下すると血中のクレアチニン濃度が上昇します。
- Blood Urea Nitrogen (BUN): 血中尿素窒素。腎臓の機能が低下するとBUNの値が上昇します。
- Glomerular Filtration Rate (GFR): 糸球体濾過率。腎臓のろ過機能を評価するための重要な指標で、腎機能が低下するとGFRが低下します。
5. 糖尿病関連検査(Diabetes Tests)
糖尿病は、インスリンの分泌や働きに異常があることによって引き起こされる疾患です。血糖値を測定することが重要です。
- Fasting Blood Sugar (FBS): 空腹時血糖。食事を摂る前の血糖値を測定し、糖尿病の診断に役立ちます。
- Oral Glucose Tolerance Test (OGTT): 経口糖負荷試験。糖尿病や耐糖能異常を診断するために行います。
- Hemoglobin A1c (HbA1c): ヘモグロビンA1c。過去2~3ヶ月の平均血糖値を示し、糖尿病の管理状態を評価します。
6. 心臓関連検査(Cardiac Tests)
心臓の健康状態を評価するための検査です。心疾患や動脈硬化、心不全などのリスクを早期に発見するために重要です。
- Electrocardiogram (ECG or EKG): 心電図。心臓の電気的活動を測定し、異常なリズムや心臓病を検出します。
- Troponin: トロポニン。心筋の損傷を示すタンパク質で、心筋梗塞の診断に用いられます。
- B-type Natriuretic Peptide (BNP): B型ナトリウム利尿ペプチド。心不全の指標となり、心臓が過度に負荷を受けているときに増加します。
7. がん関連検査(Cancer Markers)
がんの早期発見や進行状況を評価するために行われる検査です。血液や尿中の腫瘍マーカーを測定します。
- Prostate-Specific Antigen (PSA): 前立腺特異抗原。前立腺がんの検査に用いられ、異常値が高い場合はがんのリスクを示唆します。
- Carcinoembryonic Antigen (CEA): 癌胚抗原。大腸がんやその他のがんで異常値を示すことがあります。
- Alpha-fetoprotein (AFP): アルファフェトプロテイン。肝臓がんや胚細胞腫瘍などで異常値が見られることがあります。
結論
医療検査は、疾病の早期発見や予防において非常に重要な役割を果たします。これらの検査結果を理解することは、診断や治療の選択肢を選ぶ際に必要不可欠です。また、患者が自分の健康状態をよりよく理解し、医師と効果的にコミュニケーションをとるためにも、検査に関連する用語を把握しておくことは大切です。英語の用語は国際的に使われているため、理解しておくことで、最新の医療情報や研究成果にアクセスしやすくなります。