妊娠中の栄養

妊娠中のツナの健康効果

妊娠中のツナ(マグロ)のメリットと注意点

妊娠中の栄養摂取は母体と胎児の健康にとって極めて重要です。特に、タンパク質やオメガ3脂肪酸が豊富な魚は、胎児の発育に役立つ栄養源とされています。その中でも「ツナ(マグロ)」は手軽に摂取できる食品の一つですが、一方で水銀の含有量が問題視されることもあります。本記事では、妊娠中のツナのメリット、適切な摂取量、選び方、注意点について詳しく解説します。


1. 妊娠中にツナを食べるメリット

1.1. 良質なタンパク質の供給源

ツナは高タンパク食品であり、妊娠中に必要なアミノ酸を効率よく摂取できます。タンパク質は胎児の筋肉、臓器、細胞の形成に不可欠であり、母体の健康維持にも貢献します。

1.2. オメガ3脂肪酸が胎児の脳と視力の発達を促進

ツナには DHA(ドコサヘキサエン酸)EPA(エイコサペンタエン酸) といったオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。これらは胎児の脳の発達を助け、神経系や視力の発達にも良い影響を与えます。特に妊娠後期にDHAを十分に摂取することで、赤ちゃんの認知能力向上が期待できます。

1.3. 貧血予防に役立つ鉄分が含まれる

妊娠中は血液量が増えるため、鉄分の摂取が欠かせません。ツナには ヘム鉄 が含まれており、これは体内で吸収されやすい形の鉄分です。鉄分は胎児の酸素供給を助け、母体の貧血予防にも役立ちます。

1.4. ビタミンB群が豊富

ツナには ビタミンB6、B12、ナイアシン(B3) などのビタミンB群が含まれています。これらの栄養素は、胎児の神経系の発達やエネルギー代謝の促進、赤血球の生成に重要な役割を果たします。

1.5. 低脂肪・低カロリーでヘルシー

ツナは 低脂肪・低カロリー でありながら、栄養価の高い食品です。体重管理が必要な妊婦にとって、適量を摂取することで栄養バランスを保ちながら健康的な食生活を送ることができます。


2. 妊娠中のツナの適切な摂取量

ツナは栄養価の高い食品ですが、一部の種類には 水銀 が含まれるため、摂取量に注意が必要です。厚生労働省や世界保健機関(WHO)は、妊娠中の魚の摂取について以下の指針を示しています。

ツナの種類 摂取目安量(週あたり)
ライトツナ(カツオ系ツナ) 約160g(ツナ缶2缶分)
ホワイトツナ(ビンナガマグロ) 約80g(ツナ缶1缶分)
メバチマグロ、キハダマグロ 週1回(約80gまで)
クロマグロ(本マグロ)、ミナミマグロ 避けるのが推奨される

ライトツナ(カツオ系ツナ)は比較的水銀含有量が低いため、妊娠中でも適量なら安心して食べられます。一方で、ビンナガマグロやクロマグロは水銀濃度が高いため、摂取量を制限する必要があります。


3. 妊娠中に安全なツナの選び方

ツナを選ぶ際には、以下のポイントを意識すると安全に摂取できます。

3.1. 水銀含有量の少ない種類を選ぶ

前述の表にあるように、「ライトツナ(カツオ系ツナ)」が最も安全です。できるだけ水銀濃度の低い種類を選びましょう。

3.2. 水煮タイプのツナを選ぶ

ツナ缶には「オイル漬け」と「水煮」の2種類があります。オイル漬けはカロリーが高く、脂質の摂取量が増える可能性があるため、水煮のツナ を選ぶのがベストです。

3.3. 無添加・低ナトリウムのものを選ぶ

妊娠中は塩分の摂取を控えめにすることが推奨されるため、「無添加」や「低ナトリウム」のツナ缶を選ぶとより健康的です。

3.4. 新鮮なツナを選ぶ

刺身やステーキとしてツナを食べる場合は、新鮮で安全なもの を選びましょう。生魚にはリステリア菌が含まれる可能性があるため、しっかりと管理されたものを購入し、適切に調理することが大切です。


4. 妊娠中のツナのリスクと注意点

ツナを食べる際には、以下の点に注意しましょう。

4.1. 水銀摂取のリスク

水銀は胎児の脳や神経系の発達に悪影響を与える可能性があるため、高水銀含有の魚を過剰に摂取しないように注意が必要です。

4.2. 食中毒のリスク

生のツナ(刺身や寿司)は、リステリア菌や寄生虫のリスク があります。妊娠中は免疫力が低下しているため、食中毒になりやすくなります。できるだけ加熱されたツナを食べるようにしましょう。

4.3. 塩分の過剰摂取

ツナ缶には塩分が多く含まれていることがあるため、食べ過ぎると妊娠高血圧症候群のリスクが高まります。減塩タイプのツナを選ぶか、食べる際に塩分を控えめにする工夫が必要です。


5. まとめ

妊娠中のツナの摂取は、適量を守れば 良質なタンパク質やオメガ3脂肪酸を効率よく摂取できる ため、胎児の発育や母体の健康に良い影響を与えます。しかし、水銀含有量が高い種類のツナを食べすぎると、胎児の神経系に悪影響を及ぼす可能性があるため、摂取量と種類の選び方に注意が必要です。

妊娠中でも安全にツナを楽しむために、「ライトツナ(カツオ系)を適量」、「水煮タイプを選ぶ」、「新鮮で無添加のものを選ぶ」といったポイントを押さえ、バランスの良い食生活を心がけましょう。

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