妊娠中の貧血(鉄欠乏症貧血)は、妊婦さんにとって非常に重要な健康問題です。特に妊娠7ヶ月目、つまり妊娠後期においては、この問題が一層深刻になることがあります。この時期には、胎児の成長が著しく進み、母体の血液量も増加するため、貧血の症状が顕著になりやすいです。この記事では、妊娠7ヶ月における貧血の原因、症状、予防法、治療法について詳しく解説します。
妊娠中の貧血の原因
妊娠中に貧血を引き起こす主な原因は鉄分不足です。妊娠により、母体は胎児の成長と発達に必要な栄養素を供給するため、通常の時よりも多くの鉄を必要とします。このため、鉄分が不足すると、血液中のヘモグロビン濃度が低下し、貧血を引き起こすことになります。

妊娠7ヶ月目における貧血の原因としては、以下の要因が挙げられます:
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鉄分不足: 妊娠中は鉄分の需要が増加しますが、食事から十分に摂取できない場合、鉄分が不足することがあります。
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ビタミンB12や葉酸の不足: 鉄分だけでなく、ビタミンB12や葉酸も血液の生成に重要な役割を果たします。これらの栄養素が不足していると、貧血を引き起こす原因となります。
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妊娠による血液量の増加: 妊娠中、血液量が増加しますが、赤血球の生成が追いつかないと、貧血が発生します。
妊娠7ヶ月の貧血の症状
妊娠中の貧血は、初期段階では自覚症状が少ないことが多いですが、貧血が進行すると以下のような症状が現れることがあります:
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疲れやすさ: 体が酸素を効率よく運搬できないため、妊婦は疲れやすく、体力が低下します。
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息切れ: 軽い運動や日常の動作でも息切れを感じることがあります。
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めまい: 貧血により脳への酸素供給が不足するため、めまいや立ちくらみが起こることがあります。
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顔色が悪い: 貧血により血液の色が薄くなり、顔色が青白くなることがあります。
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動悸: 心臓が酸素不足を補おうとするため、動悸が起こることがあります。
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爪や髪の異常: 貧血が進行すると、爪が割れやすくなったり、髪の毛が抜けやすくなることがあります。
妊娠7ヶ月の貧血の予防法
妊娠中の貧血を予防するためには、鉄分を十分に摂取することが重要です。妊娠7ヶ月目における予防法は以下の通りです:
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鉄分を豊富に含む食品を摂取する: 鉄分を多く含む食品には、赤身の肉、鶏肉、魚、卵、ほうれん草、レンズ豆、ひじきなどがあります。これらの食品を積極的に摂取しましょう。
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ビタミンCを同時に摂取する: 鉄分の吸収を助けるため、ビタミンCを含む食品(オレンジ、キウイ、ピーマン、トマトなど)を一緒に摂取することが推奨されます。
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葉酸とビタミンB12を摂取する: 葉酸とビタミンB12は赤血球の生成に重要な栄養素です。これらは緑黄色野菜や肉、魚、卵、乳製品に多く含まれています。
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鉄分サプリメントの摂取: 医師の指示のもと、鉄分のサプリメントを摂取することもあります。特に鉄分が不足していると診断された場合は、サプリメントを使うことが効果的です。
妊娠7ヶ月の貧血の治療法
妊娠中に貧血が見つかった場合、まずは医師に相談することが重要です。治療方法としては、鉄分を補うための食事療法やサプリメントの摂取が一般的ですが、症状がひどくなる前に早期に対処することが大切です。
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鉄分サプリメントの服用: 妊娠中に必要な鉄分量を満たすために、鉄分のサプリメントが処方されることがあります。通常、医師が推奨する用量を守り、定期的に血液検査を受けながら服用します。
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血液製剤の投与: 貧血が重度の場合、鉄分のサプリメントだけでは改善しないことがあります。その場合、鉄剤の点滴や血液製剤の投与が行われることもあります。これにより、素早く血液量を補充することができます。
妊娠7ヶ月の貧血による影響
妊娠中の貧血は、母体にとっても胎児にとっても健康リスクを引き起こす可能性があります。妊婦にとっては、貧血が進行すると、以下のような問題を引き起こすことがあります:
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低出生体重児: 貧血がひどくなると、胎児に十分な酸素や栄養が届かなくなり、低出生体重で生まれるリスクが高くなります。
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早産: 貧血が未治療で進行すると、早産のリスクも増加します。
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出産時の合併症: 妊娠中の貧血は、出産時に大量出血を引き起こす可能性があります。また、分娩後の回復にも影響を与えることがあります。
結論
妊娠7ヶ月目における貧血は、母体と胎児にとって深刻な影響を与える可能性があるため、早期の対策が重要です。鉄分を中心に、ビタミンCや葉酸、ビタミンB12などの栄養素をバランスよく摂取することが予防につながります。もし貧血が進行してしまった場合は、医師と相談し、適切な治療を受けることが求められます。健康な妊娠生活を送るためには、日々の栄養管理と定期的な検査が欠かせません。