妊娠・出産時の疾患

妊娠7ヶ月 高血圧の注意点

妊娠中における高血圧は、母体や胎児にさまざまな影響を及ぼす可能性があるため、特に妊娠後期、つまり妊娠7ヶ月目において注意が必要です。妊娠高血圧症候群(妊娠高血圧)は、妊娠20週目以降に血圧が高くなることが診断基準となりますが、月齢が進むにつれてそのリスクは高まります。ここでは、妊娠7ヶ月目における高血圧の症状、原因、予防策、管理方法について詳しく解説します。

妊娠高血圧症候群とは?

妊娠高血圧症候群(または妊娠中毒症)は、妊娠期間中に高血圧が現れる状態を指します。妊娠中における高血圧は、母体の健康に重大なリスクをもたらす可能性があり、最悪の場合、母体の命に関わることもあります。また、高血圧が放置されると、胎児にも十分な栄養が届かず、発育不全や低出生体重などのリスクが高まります。

妊娠7ヶ月目の高血圧のリスク

妊娠7ヶ月目(28週目から31週目)は、妊娠後期の入り口にあたり、高血圧が特に重要な問題となる時期です。この時期になると、胎盤から母体へ供給される血流が多くなる一方で、母体の循環系も急激に変化します。このため、血圧が上昇しやすく、妊娠高血圧症候群が発症するリスクが増します。

高血圧の兆候と症状

妊娠7ヶ月目に高血圧が現れると、いくつかの兆候が見られることがあります。以下はその一部です:

  • 頭痛

  • 視覚障害(例えば視界がぼやける、目がチラつく)

  • 手足のむくみ(特に顔や足首)

  • 呼吸困難や胸痛

  • 胎動の減少

これらの症状が現れた場合、すぐに産婦人科を受診することが重要です。

妊娠高血圧の原因と危険因子

妊娠中の高血圧にはいくつかの原因や危険因子があります。これらを理解することが、高血圧の予防や早期発見に役立ちます。

  1. 遺伝的要因
    妊娠高血圧症候群は家族に高血圧の人が多い場合、リスクが高くなります。特に母親や姉妹が妊娠中に高血圧になった場合、妊娠高血圧になる可能性が高いです。

  2. 肥満
    妊娠前に過体重または肥満の状態であると、高血圧のリスクが高まります。適切な体重管理が重要です。

  3. 初産婦
    初めての妊娠である場合、妊娠高血圧症候群を発症するリスクが高いことが分かっています。

  4. 多胎妊娠
    双子や三つ子などの多胎妊娠の場合、妊娠高血圧のリスクが高くなります。

  5. 慢性疾患
    妊娠前に高血圧や糖尿病などの慢性疾患を抱えていると、妊娠中に高血圧が悪化することがあります。

妊娠高血圧症候群の予防と管理

妊娠高血圧症候群の予防には、生活習慣を改善することが非常に効果的です。以下の方法を実践することで、リスクを減らすことができます。

1. 体重管理

妊娠中に過度の体重増加を避けることが重要です。妊娠中の健康的な体重増加を維持するためには、栄養バランスの取れた食事と適度な運動が欠かせません。

2. 塩分制限

高血圧の原因の一つに塩分の摂りすぎがあります。妊娠中は特に塩分の摂取量を控えめにし、健康的な食事を心掛けましょう。

3. 定期的な血圧測定

妊娠高血圧症候群を早期に発見するためには、定期的な血圧測定が必要です。妊婦健診時に血圧を測定し、高血圧の兆候を見逃さないようにしましょう。

4. ストレス管理

妊娠中のストレスも血圧に悪影響を与えることがあります。リラックスできる時間を持つことや、ヨガや軽い散歩などのストレス解消法を取り入れることが有効です。

5. 十分な休息

適切な睡眠と休息を取ることも重要です。睡眠不足が続くと、高血圧を引き起こす可能性があるため、十分に休むことを心がけましょう。

妊娠高血圧症候群の治療と対策

もし妊娠7ヶ月目で高血圧が発症した場合、医師の指導のもとで治療を行います。治療方法には以下のようなものがあります。

  • 薬物療法
    血圧を下げるために、妊娠中でも使用可能な降圧薬を処方されることがあります。ただし、すべての降圧薬が妊娠中に使用できるわけではないため、医師の指示に従うことが重要です。

  • 入院治療
    重度の高血圧や他の合併症がある場合、入院して管理を受けることがあります。安静にすることや、医療機器でのモニタリングが行われることもあります。

  • 胎児の監視
    高血圧が続くと胎児に影響を与えるため、胎児の状態を定期的にモニタリングすることが必要です。超音波検査やNST(非ストレステスト)などで胎児の健康状態を確認します。

高血圧に対する早期発見の重要性

妊娠中の高血圧は早期に発見し、適切に管理することが非常に重要です。放置すると、母体に重篤な合併症を引き起こす可能性があります。例えば、子癇(しけん)や胎盤剥離などの危険な状態に進展することもあります。これらの合併症は、母子共に命に関わるリスクを伴うため、早期発見と早期治療が重要です。

結論

妊娠7ヶ月目における高血圧は、妊娠高血圧症候群の発症が増える時期です。母体と胎児の健康を守るためには、定期的な血圧測定や生活習慣の改善が重要です。高血圧が発症した場合は、早期に医師に相談し、適切な治療を受けることが必要です。妊婦自身の体調に注意を払い、胎児の健やかな成長をサポートするための努力が求められます。

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