発熱と高熱

子どもの高熱対処法

子どもの熱が高い時の対処法

子どもが熱を出すことはよくありますが、親としてはその状況にどう対処すれば良いのか悩むことも多いでしょう。熱は体の免疫反応の一環として現れ、体がウイルスや細菌と戦っている証拠です。しかし、高熱は体に負担をかけることがあるため、適切に対応することが重要です。以下に、子どもの高熱に対する基本的な対応方法について詳しく解説します。

1. 熱が出る原因を理解する

子どもが熱を出す原因として最も一般的なのは、風邪やインフルエンザなどの感染症です。その他にも、喉や耳の感染、尿路感染症、予防接種後の副作用、そして体温調節の不良などが考えられます。特に小さな子どもは、免疫が未発達なため、感染症にかかりやすい傾向があります。

2. 熱がある時の基本的な対処法

a. 体温の測定と記録

最初に行うべきことは、体温を正確に測定することです。赤ちゃんや小さな子どもでは、体温計を使う場所(口、耳、腋の下、直腸)によって数値が異なるため、使用する体温計の種類と測定方法を理解しておくことが重要です。

  • 直腸体温(肛門)は最も正確な方法です。

  • 口で測る場合、子どもが口を開けていることが必要です。

  • 耳式体温計は迅速で便利ですが、使用方法に慣れていないと正確に測れないこともあります。

熱が37.5°C以上の場合は、発熱とみなされます。38.5°Cを超える場合は注意が必要です。40°Cを超える高熱は緊急の対応が求められます。

b. 水分補給

発熱時は体が汗をかくため、水分をしっかり摂ることが大切です。特に赤ちゃんや小さな子どもは、脱水症状を起こしやすいため、こまめに水分補給を行いましょう。飲み物は、白湯や経口補水液(ORS)などが適しています。

c. 衣服の調整

子どもが発熱している時に、熱をこもらせないように衣服を適切に調整しましょう。暑すぎる服を着せることは避け、軽めの服装を選びます。布団や毛布も軽く掛ける程度にし、体温が下がり過ぎないよう注意します。

d. 環境の調整

部屋の温度や湿度も重要です。室内が高温になると体温がさらに上がりやすくなるため、エアコンや扇風機を使って涼しい環境を保ちましょう。ただし、冷たい風が直接当たらないように配慮することが必要です。

3. 解熱剤の使用

a. 市販薬の使用

解熱剤を使用することで、熱を下げることができますが、必ず医師の指導に従って使用しましょう。市販されている解熱剤としては、アセトアミノフェン(カロナールなど)やイブプロフェン(モービックなど)が一般的です。

  • アセトアミノフェンは、熱を下げる効果があり、胃に優しいため、赤ちゃんや小さな子どもにも適用されやすいです。

  • イブプロフェンは、抗炎症作用があるため、風邪やインフルエンザなどの症状が伴う場合に使用されます。

b. 使用の注意点

解熱剤は過剰に与えないように注意が必要です。過剰摂取は肝臓に負担をかけたり、胃に影響を及ぼす可能性があります。また、解熱剤は熱を下げることができても、病気そのものを治すわけではないため、症状が続く場合や他の異常が見られる場合は、すぐに医師に相談しましょう。

4. 高熱の際に気をつけるべき症状

高熱は一時的なものであれば心配ありませんが、以下のような症状が見られる場合は、すぐに病院を受診する必要があります。

  • 熱が3日以上続く

  • 40°Cを超える高熱

  • けいれんを起こす(熱性けいれん)

  • 激しい頭痛や嘔吐

  • 意識がもうろうとする

  • 呼吸が苦しそう

  • 顔色が青白い、または紫色に見える

  • 発疹が出る

これらの症状は、感染症やその他の疾患の兆候である可能性があるため、専門医の診察を受けることが重要です。

5. 家でできる追加的なケア

a. 温湿布や冷却シートの使用

軽い熱の場合、体温を下げるために、ぬるま湯で濡らしたタオルや冷却シートを使って体を拭いてあげることができます。冷たすぎる水や氷を使うと、逆に体温が上がってしまうことがあるので、適温で拭きましょう。

b. 安静にする

高熱があるときは、子どもが無理に遊んだり、活動をすることは避け、静かに休ませることが大切です。休息をしっかりとることで、体の回復が早くなります。

6. 医師に相談するタイミング

発熱が長引く場合や高熱が続く場合は、専門医の診察を受けることが重要です。特に赤ちゃんや免疫力が弱い子どもでは、迅速な対処が必要です。また、発熱とともに他の症状が現れた場合(例えば、発疹や嘔吐、呼吸困難など)は、すぐに病院に行きましょう。

まとめ

子どもの熱が高い時は、冷静に対処することが大切です。体温を適切に管理し、水分補給や解熱剤を使いながら、子どもが安静に過ごせる環境を整えましょう。しかし、熱が長期間続いたり、高熱が続いたりする場合は、早急に医師に相談することを忘れないでください。親として冷静に対処し、必要な時に専門家の助けを借りることが、子どもを守るために最も重要なことです。

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