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Toggle心内膜炎(しんないまくえん、Endocarditis)は、心臓の内膜、特に心臓の弁に感染が起きる病気で、通常、細菌や真菌によって引き起こされます。子供においてもこの病気は発生し、早期の診断と治療が求められます。心内膜炎は、心臓に重篤な影響を及ぼす可能性があり、適切な治療を行わないと、心不全や感染症が全身に広がるリスクがあります。この記事では、子供における心内膜炎の原因、症状、診断、治療方法について詳しく解説します。
1. 心内膜炎の原因
心内膜炎の原因となる主な微生物は細菌です。特に、以下のような細菌が心内膜炎を引き起こすことが多いです。
- 緑膿菌(こうしつきん):最も一般的な原因となる細菌で、血流感染を引き起こすことがあります。
- 黄色ブドウ球菌:皮膚や粘膜に常在する細菌で、外的要因によって血流に侵入することがあります。
- A群連鎖球菌:喉や皮膚に常在する細菌で、感染症の原因となることがあります。
心内膜炎は、通常、血流を通じて心臓に細菌が到達し、心臓弁に付着して感染を引き起こします。特に以下のような状態にある子供は心内膜炎にかかりやすいとされています。
- 心臓の先天的な異常:先天的な心臓の構造異常がある場合、感染が起こりやすくなります。
- 心臓手術歴がある場合:過去に心臓の手術を受けたことがある子供は、心内膜炎のリスクが高くなります。
- 免疫力が低い場合:免疫抑制状態や感染症によって免疫力が低下している場合、細菌が心臓に侵入しやすくなります。
2. 心内膜炎の症状
心内膜炎の症状は多様であり、進行が遅い場合もあれば急速に悪化する場合もあります。子供における主な症状は以下の通りです。
- 発熱:最も一般的な症状で、高熱が続くことがあります。
- 倦怠感や疲労感:子供が通常よりも疲れやすく、元気がなくなることがあります。
- 食欲不振:食欲が落ち、体重減少が見られることがあります。
- 心臓の雑音:心臓の弁に感染が広がると、心音が異常になることがあります。
- 皮膚の症状:小さな赤い斑点や、手足の爪の周りに出血が見られることがあります(爪下出血)。
- 関節痛や筋肉痛:関節や筋肉に痛みを感じることがあります。
- 呼吸困難:心臓の機能が低下することで、息切れが現れることがあります。
3. 診断方法
心内膜炎の診断には、いくつかの検査が必要です。主な診断方法は次の通りです。
- 血液検査:細菌や真菌が血液に存在するかを確認するために血液検査を行います。感染症がある場合、白血球数の増加が見られることがあります。
- 心臓超音波検査(エコーカルディオグラフィー):心臓の構造を詳細に観察するための検査です。心内膜炎の診断において、心臓弁に感染があるかを確認するために行われます。
- 血液培養:血液中の細菌や真菌を培養して、感染を引き起こしている微生物を特定します。
- CTスキャンやMRI:感染が心臓以外に広がっている場合、これらの検査を使用して全身を調べます。
4. 治療方法
心内膜炎の治療には、通常、以下の方法が取られます。
- 抗生物質治療:細菌性の心内膜炎には、強力な抗生物質を点滴で投与することが一般的です。最初は広範囲な抗生物質を使い、後に培養結果に基づいて細菌に対する特異的な抗生物質に変更します。治療期間は数週間に及ぶことがあり、長期間の治療が必要です。
- 手術:心内膜炎によって心臓弁が重度に損傷した場合や、抗生物質治療が効かない場合には、手術で弁
