発熱と高熱

子供の正常体温とは

子供の体温は、成長段階や年齢に応じて若干異なることがありますが、一般的に「正常な体温」とされる範囲は広いです。この範囲を理解することは、子供の健康状態を適切に評価するために重要です。以下は、子供の体温に関する包括的な解説です。

子供の体温の基本

健康な子供の体温は通常36.5度から37.5度の間で変動します。体温が37.5度を超えると、一般的には発熱と見なされ、何らかの感染症や健康問題が原因となっている可能性があります。ただし、体温の変動には日内変動もあり、午後の方が体温が高くなることが一般的です。

年齢別の正常体温範囲

子供の年齢や体調によっても正常な体温の範囲が変わるため、年齢別にどのような体温が正常とされるのかを理解しておくことが大切です。

新生児(0~28日)

新生児の正常体温は37.0度前後が理想です。新生児期は特に体温調節機能が未発達であり、体温の異常を早期に発見し、適切な対応を取ることが重要です。

乳児(1ヶ月~1歳)

乳児の正常体温は36.5度から37.5度の範囲内です。発熱を示す場合、特に高熱の場合(38度以上)には注意が必要です。乳児期は免疫機能も未発達なため、発熱が感染症の兆候であることが多いため、早期に小児科を受診することが推奨されます。

幼児(1歳~5歳)

幼児期の正常体温は36.5度から37.5度です。体温が37.5度を超えると、軽い発熱と考えられ、38度以上の高熱は通常、体内で感染症が発生しているサインです。発熱が続く場合やその他の症状(食欲不振、元気がないなど)が見られる場合には、医師の診断を受けることが重要です。

学童期(6歳~12歳)

学童期の子供の体温も、36.5度から37.5度が正常範囲です。体温の急激な上昇や38度以上の熱が出た場合は、感染症や病気の兆候となるため、注意が必要です。この時期には、風邪やインフルエンザ、胃腸炎などが多く見られます。

思春期(13歳~18歳)

思春期に入ると、体温の範囲は成人とほぼ同じ36.5度から37.5度に近づきます。ただし、思春期にはホルモンバランスの変化や体内の成長過程が影響を与えるため、体温が少し高めに推移することもあります。発熱の際は、感染症や体調不良を疑い、症状が続く場合は医師に相談することが大切です。

体温測定方法

子供の体温を測定する方法にはいくつかの種類があります。以下に代表的な測定方法を紹介します。

1. 口腔体温

口の中で測定する方法で、通常は36.6度から37.0度の範囲が一般的です。幼児や乳児には難しい場合が多いので、適切な年齢に達している場合に使います。

2. 脇の下(腋窩)体温

腋窩(わきの下)で測定する方法です。通常、体温は36.5度から37.0度の範囲が一般的です。この方法は簡単で安全ですが、精度が他の方法に比べて少し低い場合があります。

3. 耳(鼓膜)体温

耳で測定する方法です。耳の中にセンサーを入れて測定するため、迅速で便利ですが、正しい方法で測定しないと誤差が生じることがあります。通常の範囲は36.5度から37.5度です。

4. 直腸体温

直腸で測定する方法は、最も正確で信頼性の高い方法とされています。特に1歳未満の乳児に使用されることが多いですが、実施には注意が必要です。通常、体温は37.0度から37.5度の範囲が正常です。

発熱がある場合の対応

子供が発熱した場合、まずは体温を確認し、どの程度の発熱かを把握することが大切です。高熱(38度以上)が続く場合や、子供がぐったりしている、食事を取らない、呼吸が速くなるなどの異常が見られる場合は、早めに医師に相談することをおすすめします。

発熱の原因はさまざまであり、風邪やインフルエンザ、胃腸炎、耳や喉の感染症などが考えられます。発熱を抑えるために解熱剤を使用することもありますが、薬の使用については必ず医師の指示を受けるようにしましょう。

注意すべき体温の異常

子供の体温が異常に高く(38度以上)、または異常に低い(35度未満)場合には、すぐに医師の診察を受けることが必要です。特に、体温が39度以上に達する高熱が続く場合や、体温が低すぎる場合は、熱中症や重篤な感染症の可能性も考えられるため、迅速な対応が求められます。

結論

子供の体温は通常、36.5度から37.5度の範囲に収まりますが、年齢や体調により個人差があります。発熱はしばしば感染症のサインですが、その他の症状と合わせて注意深く観察し、適切な対処を行うことが重要です。もし異常な体温が続いたり、その他の異常が見られた場合は、早めに医師に相談しましょう。

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