白血球の数は、体内の免疫システムの重要な一部を担う細胞群であり、病原菌やウイルスから体を守る役割を果たします。特に子供の白血球の数は、その成長段階や健康状態に応じて異なり、適切な範囲にあることが重要です。本記事では、子供の白血球数について、正常値、異常値、そしてその原因について詳しく解説します。
1. 白血球とは
白血球(WBC、White Blood Cells)は、血液中に存在する免疫細胞で、身体が感染症に対抗するために必要不可欠です。白血球は主に骨髄で生成され、血液中に放出されます。白血球には、主に5種類の細胞が含まれています:

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好中球
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好酸球
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好塩基球
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単球
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リンパ球
これらの細胞はそれぞれ異なる役割を持っており、身体に侵入した細菌やウイルスに対する防御を行います。
2. 子供における白血球数の基準値
子供の白血球数は年齢によって異なります。一般的に、新生児や乳児の方が白血球数が高い傾向にあります。以下は子供の年齢ごとの正常な白血球数の目安です:
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新生児(0~1ヶ月):9,000~30,000/μL
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幼児(1~3歳):6,000~17,500/μL
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小児(4~9歳):5,000~15,000/μL
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思春期(10歳以上):4,500~13,500/μL
白血球数は年齢とともに減少し、成人の基準に近づきます。これらの基準はあくまで一般的な目安であり、子供の個別の健康状態によって異なることもあります。
3. 異常な白血球数の原因
白血球数が正常範囲外である場合、さまざまな要因が考えられます。異常な白血球数は、白血球の種類によっても異なります。
3.1 白血球数が高い(白血球増加症)
白血球数が異常に高くなることを「白血球増加症」といいます。これは、体が感染症に反応している場合や、特定の疾患に関連していることがあります。以下は、白血球増加症の主な原因です:
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感染症(細菌やウイルスによるもの)
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炎症反応(例えばアレルギー反応や自己免疫疾患)
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ストレスや体温上昇(例えば発熱)
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白血病やリンパ腫などの血液疾患
3.2 白血球数が低い(白血球減少症)
白血球数が低くなる状態は「白血球減少症」と呼ばれ、免疫力が低下していることを示唆しています。白血球減少症の主な原因には以下のようなものがあります:
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ウイルス感染(例えばインフルエンザや風邪)
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血液疾患(例えば再生不良性貧血や白血病)
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栄養不良(特にビタミンB12や葉酸の不足)
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薬剤の副作用(例えば化学療法薬や抗生物質)
4. 白血球数の測定方法
白血球数は、血液検査を通じて測定されます。最も一般的な検査方法は「全血球計算(CBC)」です。この検査では、白血球数だけでなく、赤血球数や血小板数なども同時に測定されます。血液サンプルは通常、腕の静脈から採取され、結果は数時間以内に得られます。
5. 白血球数が異常な場合の対応
白血球数が異常である場合、医師は原因を特定するためにさらに詳しい検査を行います。例えば、感染症が疑われる場合は、細菌やウイルスの検査が行われ、血液疾患が疑われる場合は、骨髄検査が行われることがあります。治療方法は原因に応じて異なりますが、感染症が原因であれば抗生物質や抗ウイルス薬が処方され、血液疾患が原因であれば、化学療法や免疫療法などの治療が行われることがあります。
6. 結論
子供の白血球数は、免疫システムの健全性を反映する重要な指標です。正常な白血球数は、病気に対する防御機能がしっかりと働いていることを示しており、異常な数値が見られる場合は、迅速に医師に相談することが重要です。定期的な健康診断を通じて、子供の白血球数をチェックし、必要に応じて早期の対応を行うことが、健康な成長と発達に寄与します。