学術文章の表現注意点

学術的な文章や研究において使用を避けるべき言葉や表現がいくつかあります。これらの表現は、文章の信頼性や客観性を損なう可能性があるため、慎重に使うべきです。以下に、学術的な文章で避けるべき主な言葉や表現を挙げます。

1. 主観的な表現

学術的な文章は、事実に基づいて論理的に構成されるべきです。そのため、主観的な表現や感情的な言葉は避けるべきです。

• 「私の意見では」（主観的な意見が強調される）
• 「私は思う」（自分の意見を強調する）
• 「感じる」（感情的な表現）

これらは、客観性が求められる学術的な文脈では不適切です。代わりに、実証的な証拠や研究結果を基にした表現を使用しましょう。

2. あいまいな言葉

学術的な文章では、明確で具体的な言葉を使うことが重要です。あいまいな表現や不確かな言葉は、読者に誤解を与える可能性があります。

• 「多くの場合」
• 「かなりの」
• 「おそらく」

これらの表現は、具体的な証拠やデータがある場合に使うべきではなく、確実な事実に基づく表現が求められます。

3. 口語的な表現

学術的な文章では、口語的な表現やカジュアルな言葉は避けるべきです。文語的で洗練された表現が求められます。

• 「とか」（不確実な、または列挙的な表現）
• 「なんとなく」（不明確な表現）
• 「すごい」（感情的な強調）

これらの言葉は、学術的な厳密さや専門的なトーンには合いません。

4. 過度な一般化

過度な一般化を避け、具体的なデータや事実に基づいた論述を行うことが重要です。過度な一般化は、論文の信頼性を損なう可能性があります。

• 「すべての」（実際にすべてに当てはまる場合は非常に稀です）
• 「絶対に」（通常、証明できる場合に使うべき）
• 「何でも」（広すぎる表現）

学術的な文章では、明確で証拠に基づいた表現が必要です。

5. 個人的な感情や評価を含む表現

学術的な文章では、個人的な感情や評価を表現することは適切ではありません。評価や感情に基づいた表現は避け、データや事実に基づいた論理的な分析を行うべきです。

• 「素晴らしい」（感情的な評価）
• 「ひどい」（感情的な批判）
• 「嫌い」（個人的な感情）

学術的な論文では、価値判断を避けることが大切です。

6. 誇張や過剰な表現

誇張や過剰な表現も学術的な文脈では避けるべきです。事実に基づき、冷静で客観的な表現を心がけることが重要です。

• 「すべて」（すべてに当てはまるわけではない場合が多い）
• 「絶対」（不確実な場合に使うのは不適切）
• 「完璧に」（完璧という概念は学術的な文脈では避けるべき）

これらの表現は、誇張や過剰な主張を避け、客観的に事実を提示する際に問題を引き起こすことがあります。

7. 過度に親しい表現

学術的な文章では、読者との距離を保ちながらも適切な親しみを感じさせる文体を維持することが求められます。過度に親しい表現は、論文のフォーマルさを欠くことになります。

• 「君」や「あなた」（相手を直接指すのは避ける）
• 「俺」や「私」（一人称を避ける）

代わりに、一般的な表現や第三者視点での記述を使用することが推奨されます。

結論

学術的な文章では、明確で客観的な表現が最も重要です。個人的な感情や評価、主観的な表現、曖昧な言葉を避け、証拠に基づいた論理的な分析を行うことが求められます。これにより、論文の信頼性と科学的価値が高まり、読者に対して説得力を持つことができます。