WordPressのインストールは、オンラインビジネスや個人ブログの立ち上げにおいて非常に重要なステップです。しかし、WordPressをインストールする際には、セキュリティをしっかりと考慮し、安全に運用することが不可欠です。この記事では、WordPressの安全なインストール方法について、完全かつ包括的に説明します。
1. サーバーとホスティングの選定
WordPressをインストールする前に、最初に適切なサーバーとホスティングサービスを選定することが重要です。ホスティングの種類には、共有ホスティング、VPS、専用サーバーなどがありますが、セキュリティ面を重視する場合は、以下の点に注意しましょう。
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SSL対応: サイトのセキュリティを高めるために、SSL(Secure Socket Layer)証明書が必須です。これにより、ウェブサイトと訪問者の間の通信が暗号化され、セキュリティが向上します。
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バックアップ機能: 定期的なバックアップができるホスティングサービスを選びましょう。万が一、データが失われた場合に備えて、バックアップを簡単に復元できる機能が必要です。
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セキュリティ機能: DDoS攻撃やハッキングからサイトを守るためのセキュリティ機能(ファイアウォール、マルウェア検出など)があるホスティングサービスを選びましょう。
2. WordPressのインストール準備
次に、WordPressをインストールする準備を整えます。準備するものは以下の通りです。
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ドメイン名: サイトにアクセスするためのURL(ドメイン名)を取得します。ドメインは、信頼性の高いレジストラで購入することをおすすめします。
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データベースの作成: WordPressはデータベースを使用してコンテンツを保存します。MySQLまたはMariaDBを使用することが一般的です。ホスティングサービスの管理画面から、データベースを作成し、ユーザーを設定します。
3. WordPressのインストール
インストール方法にはいくつかの方法がありますが、ここでは最も一般的で安全な手順を紹介します。
3.1 WordPressのダウンロード
3.2 インストールファイルのアップロード
ダウンロードしたWordPressのファイルを、サーバーにアップロードします。これにはFTPクライアント(例えば、FileZillaなど)を使用します。サーバーの指定されたディレクトリにアップロードしてください。
3.3 インストールの実行
アップロードが完了したら、ブラウザを開き、ドメイン名にアクセスします。WordPressのインストール画面が表示されるので、画面の指示に従って、言語の選択、データベースの情報(ホスト名、データベース名、ユーザー名、パスワード)を入力します。
その後、インストールが完了すると、サイトのタイトルや管理者アカウントの設定を行う画面が表示されます。ここで強力なパスワードを設定し、セキュリティを強化することが重要です。
4. セキュリティ設定
インストールが完了した後は、セキュリティを強化するための設定を行います。以下のステップを踏むことで、WordPressのセキュリティを高めることができます。
4.1 管理者アカウントの強化
WordPressのデフォルトでは、「admin」というユーザー名がよく使用されますが、これは非常に脆弱です。管理者アカウントには、予測不可能で強力なユーザー名とパスワードを設定することが推奨されます。また、二段階認証を有効にすることで、さらにセキュリティを強化できます。
4.2 プラグインとテーマの更新
WordPressのプラグインやテーマは定期的に更新され、セキュリティの向上が図られています。インストール後、プラグインやテーマを常に最新のバージョンに保つことが重要です。自動更新機能を利用することもおすすめです。
4.3 不要なプラグインの削除
不要なプラグインやテーマは、セキュリティリスクを増加させる原因となります。使用していないプラグインやテーマはすぐに削除し、管理をシンプルに保ちましょう。
4.4 セキュリティプラグインの導入
セキュリティプラグイン(例:Wordfence Security、iThemes Securityなど)をインストールして、サイトを守るための追加の防御策を講じましょう。これらのプラグインは、マルウェアの検出やログイン試行の制限、ファイアウォールの設定などを提供します。
4.5 ファイルの権限設定
WordPressが動作するディレクトリやファイルの権限を適切に設定することで、外部からの不正アクセスを防ぐことができます。特にwp-config.phpファイルの権限は、最も厳しく設定する必要があります。
5. 定期的なバックアップ
セキュリティ対策として、定期的にバックアップを取ることが不可欠です。万が一、サーバーが攻撃を受けた場合やデータが消失した場合に備えて、サイト全体のバックアップを行い、安全な場所に保管しましょう。バックアッププラグイン(例:UpdraftPlus、BackWPupなど)を使って、手間を減らすことができます。
6. 定期的なセキュリティスキャン
WordPressサイトのセキュリティを保つためには、定期的にセキュリティスキャンを行うことが重要です。セキュリティプラグインを利用して、サイト内の脆弱性をチェックし、必要に応じて修正を加えましょう。また、パスワードや設定の変更履歴を監視し、異常があれば即座に対応できるようにしましょう。
7. セキュリティ強化のための追加的な方法
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.htaccessの設定: .htaccessファイルを利用して、特定のIPアドレスからのアクセスを制限する、ディレクトリリスト表示を無効化するなどのセキュリティ対策ができます。
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ログイン試行制限: ログイン試行回数を制限することで、ブルートフォース攻撃を防ぐことができます。
まとめ
WordPressのインストールは簡単ですが、セキュリティ面においては慎重に行動する必要があります。サーバーの選定から始まり、強力なパスワードの設定、プラグインやテーマの更新、そして定期的なバックアップを行うことで、サイトを安全に運用することができます。セキュリティは一度設定して終わりではなく、常に最新の状態を保つことが求められます。
