最小公倍数の求め方
最小公倍数(LCM: Least Common Multiple)は、二つ以上の整数の公倍数の中で最小のものを指します。最小公倍数は、数学や数式の問題解決において非常に重要な概念です。例えば、分数の足し算や引き算、時間計算などで役立ちます。この記事では、最小公倍数の求め方について、基本的な概念から応用的な方法まで詳しく説明します。
1. 最小公倍数とは?
最小公倍数は、ある数が他の数と共通して持つ倍数のうち、最も小さいものを指します。例えば、6と8の最小公倍数は24です。これは、6の倍数(6, 12, 18, 24, 30…)と8の倍数(8, 16, 24, 32, 40…)を比較して、共通の倍数の中で最も小さいものが24だからです。
最小公倍数を求めることで、異なる分母を持つ分数の足し算や引き算をする際に共通の分母を見つけることができます。
2. 最小公倍数の求め方
最小公倍数を求める方法にはいくつかの方法があります。以下に代表的な方法を紹介します。
2.1. 倍数表を使った方法
この方法では、まず各整数の倍数を列挙し、それらの中で最も小さい共通の倍数を探します。
例題:
最小公倍数を求める数:12と18
-
12の倍数を挙げる:
12, 24, 36, 48, 60, 72, … -
18の倍数を挙げる:
18, 36, 54, 72, … -
12と18の共通の倍数の中で最小のものは、36です。
したがって、12と18の最小公倍数は36です。
2.2. 素因数分解を使った方法
素因数分解を使う方法では、まず各数を素因数分解し、それぞれの素因数の最大の指数を選んで掛け合わせます。この方法は、より効率的に最小公倍数を求めることができます。
例題:
最小公倍数を求める数:12と18
-
12の素因数分解:
12 = 2² × 3 -
18の素因数分解:
18 = 2 × 3²
次に、各素因数の最大の指数を選びます:
-
2の最大指数は2(12の方が大きい)
-
3の最大指数は2(18の方が大きい)
したがって、最小公倍数は次のように求められます:
LCM(12, 18) = 2² × 3² = 4 × 9 = 36
よって、12と18の最小公倍数は36です。
2.3. 最大公約数を使った方法
最大公約数(GCD: Greatest Common Divisor)を使った方法もあります。この方法では、最小公倍数と最大公約数の関係を利用して求めます。最小公倍数は次の公式を使って求めることができます:
LCM(a,b)=GCD(a,b)∣a×b∣
例題:
最小公倍数を求める数:12と18
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12と18の最大公約数を求めます。12の約数は1, 2, 3, 4, 6, 12、18の約数は1, 2, 3, 6, 9, 18です。共通する最大の約数は6です。
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次に、最小公倍数を求めます:
LCM(12,18)=GCD(12,18)∣12×18∣=6216=36
したがって、12と18の最小公倍数は36です。
3. 最小公倍数の応用
最小公倍数は、分数の加算や減算においてよく使用されます。分母を最小公倍数に揃えることで、分数同士を簡単に足したり引いたりすることができます。
例題:
分数 41 と 61 を足す場合、まず最小公倍数を求めます。
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4の倍数:4, 8, 12, 16, 20, 24, …
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6の倍数:6, 12, 18, 24, 30, …
最小公倍数は12です。
次に、分母を12に揃えます:
41=123,61=122
したがって、足し算は次のように行います:
123+122=125
最小公倍数を使うことで、計算が簡単になります。
4. まとめ
最小公倍数は、整数の公倍数の中で最も小さいものです。最小公倍数を求める方法には、倍数表を使う方法、素因数分解を使う方法、最大公約数を使う方法があります。最小公倍数は分数の加算や減算において非常に重要な役割を果たします。この概念を理解することで、数学的な計算を効率よく行うことができます。
最小公倍数の求め方をマスターすることで、数学の問題をよりスムーズに解決できるようになります。
