月の満ち欠けは、地球と月、そして太陽の位置関係によって引き起こされます。月は地球の周りを約27.3日で一周します。この周期の中で、月は太陽と地球の相対的位置によってさまざまな「相」を取ります。これを「月の相」と呼び、これには新月、上弦の月、満月、下弦の月などが含まれます。月の満ち欠けの原因を理解するには、月と地球、太陽の位置関係を正確に把握することが重要です。
月の相の変化
月の相は、月が地球の周りを公転することによって変化します。月は自転と公転をほぼ同じ速度で行っているため、常に同じ面を地球に向けています。そのため、月の片面は常に地球から見ることができず、これを「月の裏側」と呼びます。

1. 新月(しんげつ)
新月は、月が太陽と地球の間に位置する時に起こります。この時、月は太陽の光を反射せず、地球から見ると月が見えません。新月の後、月は徐々にその明かりが見え始めます。
2. 三日月(みかづき)
新月から数日後、月は少しずつ太陽の光を反射し、右側(北半球では)の半分が明るく見えます。この状態を三日月と呼びます。この時点では、月の左側はまだ暗く、見えにくいです。
3. 上弦の月(じょうけんのつき)
三日月からさらに数日経つと、月は地球の周りを半分以上回り、上弦の月を迎えます。上弦の月では、月の右半分が完全に明るく、左半分は暗いです。上弦の月は新月から約7日後に観察されます。
4. 満月(まんげつ)
上弦の月からさらに約7日後、月は太陽と地球の反対側に位置し、完全に太陽の光を反射するため、地球から見た月は完全に明るく、円形の形になります。この状態を満月と呼びます。満月は地球の夜空で最も明るい月として観察されます。
5. 下弦の月(かけんのつき)
満月から約7日後、月は再び上弦の月と反対側に位置し、左側が明るく、右側が暗い半月の状態になります。これを下弦の月と言います。この段階では、月は次第に新月へ向かって進んでいきます。
6. 三日月(再び)
下弦の月から数日後、月は再び三日月の状態に戻り、その後、最終的に新月に至ります。
月の相の周期
月の相のサイクルは約29.5日かかります。この周期を「朔望月(さくぼうげつ)」と呼びます。このため、月の相は毎月少しずつずれていきます。例えば、満月の日付は毎月少しずつ変化します。
月の相と潮汐
月の相は地球の潮汐にも影響を与えます。潮汐とは、海水面が周期的に上昇・下降する現象です。これは月の引力が地球の水に影響を与えるためです。新月や満月の時、月と太陽の引力が重なり、最も大きな潮汐が発生します。これを「大潮」と呼び、上弦の月や下弦の月の時は、潮汐の変化が少ない「小潮」となります。
まとめ
月の満ち欠けは、月が地球の周りを回ることによって引き起こされる自然現象であり、その相は太陽、地球、月の位置関係に依存しています。月の相の変化は新月から始まり、三日月、上弦の月、満月、下弦の月と進み、再び三日月に戻り、新月に至ります。このサイクルは約29.5日であり、私たちの生活にもさまざまな影響を与えています。