眼圧(眼球内の圧力)は、眼の健康において非常に重要な指標であり、眼圧が異常に高くなると、緑内障を引き起こす可能性があるため、適切な範囲内で維持されることが重要です。この記事では、眼圧の定義、正常値、眼圧が高い場合の影響、測定方法、そして眼圧を管理する方法について詳しく説明します。
1. 眼圧とは何か?
眼圧は、眼球内に存在する液体(房水)が眼の内部を圧迫する力を指します。房水は、眼内で生成され、虹彩と角膜の間を流れ、最終的に隅角部から排出されます。この圧力が正常範囲内に保たれることが、眼の健康を保つためには必要不可欠です。眼圧が高くなると、視神経にダメージを与え、緑内障の発症リスクが高まる可能性があります。

2. 眼圧の正常範囲
正常な眼圧は通常、10mmHgから21mmHgの範囲にあります。この範囲内であれば、眼の健康を保つ上で問題はありません。しかし、眼圧の正常値は個人差があり、これを基準として過度に高い、または低い眼圧が常に問題になるわけではありません。一般的には、眼圧が21mmHgを超えると緑内障のリスクが高まるとされますが、これを超えたからといって必ずしも緑内障が発症するわけではない点も理解しておくことが重要です。
3. 眼圧が高い場合の影響
眼圧が高くなると、視神経に圧力がかかり、その結果として視神経が損傷を受ける可能性があります。この状態が長期間続くと、視野の欠損や視力低下を引き起こし、最終的には失明に至ることもあります。このような病状を引き起こすのが「緑内障」です。緑内障は、目の圧力が高くなることで視神経が傷つく慢性疾患で、初期の段階では自覚症状がないため、定期的な眼科の検診で早期発見することが重要です。
4. 眼圧測定方法
眼圧を測定するためには、いくつかの方法があります。代表的なものは以下の通りです。
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トノメトリー(眼圧計)
眼科で最も一般的に使用される方法で、角膜の中央に軽い圧力をかけて、その反発を測定することで眼圧を測定します。最も広く使われているのは「ノンコンタクト・トノメトリー(空気圧方式)」と呼ばれる方法です。この方法では、目に空気を吹き付け、眼圧を測定します。 -
ゴールドマン・アプラナション法
眼科でよく使用される、最も正確な方法とされる眼圧測定法です。角膜に軽い圧力をかけ、その反発を測定することにより眼圧を測定します。この方法は患者が少し不快に感じる場合がありますが、精度が高いです。 -
パルスアプラナション法
眼科で使用されることの多い手法で、患者が快適に測定できる点が特徴です。
いずれの方法も痛みを伴わないか、最小限であり、眼科医による定期的な測定が推奨されます。
5. 眼圧を正常に保つための方法
眼圧が高くなるのを防ぐためには、生活習慣を見直し、必要に応じて治療を受けることが重要です。以下の方法で眼圧を正常範囲に保つことができます。
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規則正しい生活とストレス管理
ストレスや不規則な生活は眼圧に影響を与えることがあります。リラックスする時間を持ち、十分な睡眠をとることが大切です。 -
禁煙と飲酒の制限
喫煙や過度のアルコール摂取は、眼圧に悪影響を与えることがあります。禁煙をすることが推奨されます。 -
運動
適度な運動は眼圧を管理するのに有効です。有酸素運動やウォーキングなどが推奨されますが、激しい運動や負担のかかる運動は避けるべきです。 -
薬物療法
眼圧が高いと診断された場合、医師は薬物療法を提案することがあります。例えば、眼圧を下げる目薬(プロスタグランジン類似物質、β遮断薬など)があります。薬物による治療は、症状に応じて医師の指導のもとで行うことが重要です。 -
手術療法
薬物療法で眼圧が管理できない場合、手術を検討することがあります。レーザー治療や手術によって、房水の排出を促進し、眼圧を下げる方法が取られることもあります。
6. まとめ
眼圧の管理は眼の健康を保つために非常に重要です。眼圧が正常範囲内であれば、緑内障を予防し、視力を保護することができます。定期的な眼科の検診を受け、眼圧を測定し、異常があれば早期に対応することが大切です。また、生活習慣を見直し、適切な治療を受けることで、眼圧を正常に保つことが可能です。眼圧を適切に管理し、視力を守り続けることが、健康な生活を送るために欠かせません。