データの組み合わせにおける最頻値(モード)の計算方法
データセットにおいて最も頻繁に出現する値を「最頻値(モード)」と言います。最頻値は、特にデータが数値であり、かつその分布においてどの値が最も多く現れるかを知りたい場合に有効な指標です。組み合わせデータ(区間に分けられたデータ)で最頻値を求める方法について、以下に詳しく説明します。

1. データの組み合わせ(ビン)と最頻値の概念
組み合わせデータとは、数値の範囲をいくつかの区間(ビン)に分け、その各区間にデータがどれくらい入っているかを集計したものです。例えば、身長のデータを「150cm〜160cm」「160cm〜170cm」などに区切った場合、それぞれの区間に何人が該当するかを集計します。このようなデータで最頻値を求める方法は、連続データの処理において特に重要です。
2. 最頻値の定義と計算方法
組み合わせデータにおける最頻値は、最もデータが集中している区間(ビン)を指します。具体的な計算方法は次の通りです。
ステップ1: データを区間(ビン)に分ける
まず、元のデータを適切な区間(ビン)に分けます。この際、区間の幅は予め設定されているか、データの範囲に基づいて決定されます。例えば、0〜10、10〜20、20〜30のように区切ることがあります。
ステップ2: 各区間に含まれるデータの頻度を数える
次に、それぞれの区間に何件のデータが含まれているかを数えます。これを頻度(または度数)と言います。例えば、区間「10〜20」にデータが15件、区間「20〜30」にデータが30件あった場合、後者の区間が最も頻度が高いことがわかります。
ステップ3: 最も頻度の高い区間を特定する
次に、最も頻度の高い区間(最頻区間)を特定します。この区間が最頻値を持つ区間となります。
ステップ4: 最頻値の推定
最頻区間が特定できたら、その区間内の最頻値を推定する方法があります。具体的には、最頻値はその区間の範囲内に存在する値として推定されます。数式を使って、最頻値を計算する方法は以下の通りです。
最頻値の推定式:
L+(2f1−f0−f2)(f1−f0)×h
ここで:
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L は最頻区間の下限
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f1 は最頻区間の頻度
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f0 は最頻区間の前の区間の頻度
-
f2 は最頻区間の次の区間の頻度
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h は区間の幅(すべての区間が同じ幅である場合)
3. 実際の例
例えば、次のような組み合わせデータがあるとします。
区間 (cm) | 度数 |
---|---|
150〜160 | 5 |
160〜170 | 10 |
170〜180 | 12 |
180〜190 | 8 |
190〜200 | 3 |
この場合、最も頻度が高い区間は「170〜180」であり、度数は12です。次に、最頻値を推定するために、上記の式を使います。
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L=170(最頻区間の下限)
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f1=12(最頻区間の度数)
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f0=10(前の区間の度数)
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f2=8(次の区間の度数)
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h=10(区間の幅)
したがって、最頻値の推定は以下のように計算できます。
最頻値=170+(2×12−10−8)(12−10)×10=170+62×10=170+3.33=173.33
このように、最頻値は約173.33cmとなります。
4. まとめ
組み合わせデータにおける最頻値の計算は、まずデータを区間に分け、その各区間の度数を調べます。その後、最も度数が高い区間(最頻区間)を特定し、最頻値を推定します。この方法は、特に連続的なデータを扱う際に有効であり、最頻値を得ることでデータの傾向を把握する手助けとなります。