近年、世界中の多くの大学では、英語能力証明書を要求することが一般的ですが、その中でも英語の試験成績を必須としていない大学も増えてきています。英語を母国語としない学生にとって、TOEFLやIELTSなどの試験結果を提出することは大きなハードルとなることがあります。ここでは、英語能力証明書を提出しなくても入学できる大学について詳しく紹介します。
1. 英語能力証明書を免除する理由
まず、なぜ一部の大学が英語能力証明書を免除しているのかについて理解しておく必要があります。その背景には、以下のような理由が考えられます。

1.1 母国語として英語を使用している
英語を母国語とする国や地域からの学生は、当然ながら英語能力証明書を提出する必要はありません。例えば、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなどの英語圏の国々からの学生には、英語試験を要求しない大学が多いです。
1.2 英語での教育を受けている
一部の大学では、英語を授業の主言語として使用している学校やプログラムに参加している学生に対して、英語能力証明書の提出を免除しています。例えば、英語で教育を行うインターナショナルスクールや、英語を基盤にした大学の学位を持っている場合などです。
1.3 個別の英語評価
大学によっては、英語能力証明書の代わりに、入学試験の一環として独自の英語力を測定する方法を採用しています。この場合、TOEFLやIELTSのような標準化された試験の結果は不要で、大学が提供するオンラインテストや面接を通じて英語能力を評価します。
2. 英語能力証明書が不要な大学例
2.1 スウェーデンの大学
スウェーデンでは、英語を母国語としている国の学生や、英語で教育を受けている学生に対して、英語能力証明書の提出が免除されることがあります。スウェーデンの多くの大学では、英語を主言語で授業が行われているため、英語での能力を証明するためにテストを受ける必要がない場合があります。さらに、スウェーデン政府が提供する奨学金や助成金を活用して、英語能力証明書を免除する場合もあります。
2.2 オランダの大学
オランダの大学でも、特に欧州連合(EU)や欧州経済領域(EEA)内の学生には、英語の試験結果を求めない大学が多くあります。オランダでは英語を第二言語として学ぶ学生が多く、英語での教育が進んでいるため、英語の試験を要求しないことがあります。さらに、オランダの一部の大学では、学生が以前に英語のプログラムを修了している場合、試験を免除されることもあります。
2.3 フィンランドの大学
フィンランドでも、多くの大学で英語能力証明書を提出しなくてもよいプログラムが存在します。特に、過去に英語で教育を受けた学生に対しては、英語能力証明書を免除する場合があります。また、フィンランドの大学では、学生が英語力を試験で証明する代わりに、面接などの形式で評価することが一般的です。
3. どのように英語能力を証明するのか?
英語能力証明書が必要ない大学でも、入学の際に英語力が問われることはあります。以下の方法で英語能力を証明することが一般的です。
3.1 インタビュー
一部の大学では、入学前に面接を行い、そこで学生の英語力を評価します。このインタビューは、電話やオンラインで行われることが多く、英語でのコミュニケーション能力を確認するための重要な手段となります。
3.2 過去の学業成績
学生が過去に英語で行われた学位プログラムを修了している場合、その学業成績が英語能力の証明となることがあります。例えば、英語の文学や科学、ビジネスに関連する学位を持っている場合、その学位が英語能力を示す指標として認められることがあります。
3.3 独自の試験
大学が独自に実施する英語能力試験を受けることもあります。この場合、TOEFLやIELTSとは異なり、その大学独自の基準に基づいて英語力が測定されます。試験内容や形式は大学によって異なりますが、通常はリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4つのスキルを総合的に評価します。
4. 英語能力証明書が免除されるプログラム
4.1 特定の大学院プログラム
特に大学院レベルのプログラムでは、研究や専門分野に関する優れた成果を持つ学生に対して、英語能力証明書の提出を免除することがあります。例えば、学生がすでに英語を使用した研究活動を行っていた場合、その実績が評価されることがあります。
4.2 特定の学部プログラム
一部の学部プログラムでは、英語を母国語としない学生に対して英語試験の免除が与えられることがあります。特に、英語での学位を持っている場合や、過去に英語の授業を受けていた場合、その学業の成果が証明書として代用されることがあります。
5. 英語能力証明書を提出しなくても入学できる大学のメリットとデメリット
5.1 メリット
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経済的負担の軽減: 英語能力証明書の試験料やその準備にかかる費用を節約できます。
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アクセス向上: 英語能力試験のスコアが不十分な学生でも入学のチャンスを得やすくなります。
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多様な学生層: 英語を母国語としない学生が積極的に参加できるため、異文化交流や国際的な視野が広がります。
5.2 デメリット
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自己評価の不確実性: 英語力が試験を通じて評価されないため、実際に授業で英語力が求められた際に困難を感じることがあります。
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言語サポートの不足: 英語力に不安がある学生に対して、十分な言語サポートが提供されない場合があります。
結論
英語能力証明書を免除する大学は増えてきており、特に英語での教育を受けている学生にとっては、入学がしやすくなるという利点があります。しかし、英語の能力が求められることには変わりなく、面接や独自の試験などを通じて英語力を証明する機会があることを覚えておくことが大切です。英語を流暢に使えることは、学問だけでなく、将来のキャリアにも大いに役立つスキルとなるため、日頃からの学習が重要です。