Bootstrap 3は、ウェブ開発者がレスポンシブでモバイルフレンドリーなウェブサイトを簡単に作成できるフロントエンドのフレームワークです。特にその「グリッドシステム(Grid System)」は、ページレイアウトの設計を簡素化し、デバイスに応じたコンテンツ表示をサポートします。本記事では、Bootstrap 3の概要とそのグリッドシステムの使い方について詳しく解説します。
Bootstrap 3とは?
Bootstrapは、Twitter社が開発したオープンソースのフロントエンドフレームワークで、HTML、CSS、JavaScriptのコンポーネントを提供します。このフレームワークは、ウェブデザインを効率的に行うためのツールセットを提供し、特に「レスポンシブデザイン」の実現を簡単にするために設計されています。レスポンシブデザインとは、ウェブページが異なるデバイス(スマートフォン、タブレット、デスクトップなど)で適切に表示されるように調整されるデザインのことです。
Bootstrap 3は、特に「モバイルファースト」という概念を重視しており、モバイルデバイスでの表示に最適化されたレイアウトが標準で提供されます。これにより、ユーザーは異なるデバイスでもシームレスな閲覧体験を享受できます。
Bootstrap 3の特徴
Bootstrap 3にはいくつかの特徴的な機能があります。
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レスポンシブデザイン: メディアクエリを活用して、デバイスの画面サイズに応じてレイアウトが自動的に調整されます。
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カスタマイズ可能なCSS: 色やフォント、間隔などを簡単に変更でき、デザインの自由度が高いです。
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豊富なコンポーネント: ナビゲーションバー、ボタン、フォーム、モーダルウィンドウ、アラートなど、多くのUIコンポーネントが用意されています。
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JavaScriptプラグイン: タブ、カルーセル、ドロップダウンなどのインタラクティブな要素を簡単に追加できます。
Bootstrap 3のグリッドシステム
Bootstrap 3のグリッドシステムは、ウェブページのレイアウトを作成するための基本的な構造を提供します。これは、レスポンシブデザインを支える中心的な部分で、コンテンツを複数の列に分割し、異なるデバイスに応じた表示を実現します。グリッドシステムは、12のカラムを基準に構築されており、この12カラムを使ってページのレイアウトを自由にカスタマイズできます。
グリッドシステムの基本
Bootstrap 3のグリッドシステムは、コンテナ、行、列の3つの主要な要素で構成されています。
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コンテナ(Container):
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コンテナはページ全体のラッパーで、すべてのコンテンツがこの中に配置されます。
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2種類のコンテナがあります:
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.container: 固定幅のコンテナ。 -
.container-fluid: 幅が100%で、ブラウザのサイズに合わせて変動するコンテナ。
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行(Row):
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行は、グリッドの水平なセクションを作成します。すべての列は行内に配置されます。
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.rowクラスを使って行を定義します。
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列(Column):
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列は、グリッドの垂直方向の部分を作成します。
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列は12のカラムを基に配置され、1行内で合計12カラムを超えてはいけません。
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例えば、3つの同じサイズの列を作成する場合、各列は4カラム(12 ÷ 3)に相当します。
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カラムの幅とレスポンシブデザイン
Bootstrap 3では、デバイスの画面サイズに応じて、列の幅を変更することができます。これを実現するために、以下のクラスが使用されます。
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xs: 超小型スクリーン(モバイル)
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sm: 小型スクリーン(タブレット)
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md: 中型スクリーン(デスクトップ)
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lg: 大型スクリーン(大きなデスクトップ)
例えば、以下のように設定することで、異なるスクリーンサイズに応じた列の幅を指定できます。
html<div class="container">
<div class="row">
<div class="col-xs-6 col-sm-4 col-md-3 col-lg-2">Column 1div>
<div class="col-xs-6 col-sm-4 col-md-3 col-lg-2">Column 2div>
<div class="col-xs-6 col-sm-4 col-md-3 col-lg-2">Column 3div>
<div class="col-xs-6 col-sm-4 col-md-3 col-lg-2">Column 4div>
div>
div>
このコードでは、スクリーンサイズが小さいときは各列が6カラム(50%の幅)を占め、スクリーンが大きくなると、列の幅が調整されます。
オフセットと順序
Bootstrap 3のグリッドシステムでは、列のオフセット(位置調整)や順序(表示順変更)を簡単に行うことができます。
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オフセット:
col-md-offset-2などを使用することで、列を右にスライドさせることができます。 -
順序:
col-md-push-6やcol-md-pull-6を使って、列の順番を変更できます。
カスタマイズ可能なグリッドシステム
Bootstrap 3では、デフォルトの12カラムに加えて、カスタムグリッドシステムを作成することもできます。例えば、列を4カラムや16カラムに変更することも可能です。これを行うには、CSSでカスタムスタイルを追加するか、Sassを使ってグリッドの設定を変更します。
まとめ
Bootstrap 3のグリッドシステムは、レスポンシブデザインを実現するために非常に強力で、使いやすいツールです。12カラムを基本に、行と列を使ってコンテンツをレイアウトし、スクリーンサイズに応じた柔軟なレイアウトを提供します。また、オフセットや順序の変更など、高度なカスタマイズも可能です。このフレームワークを使用することで、迅速にモバイルフレンドリーなウェブサイトを作成できます。

