数値の変換は、異なる計算システム間で数値を表現するための重要な操作です。私たちが日常的に使う十進法(デシマルシステム)から、二進法(バイナリ)、八進法、十六進法など、他の進数システムへの変換は、コンピュータサイエンスやエンジニアリングの分野で非常に重要です。この記事では、これらの変換について、各進数システムの特徴と、数値変換の方法を詳しく解説します。
1. 数値の進数システムとは
進数システムとは、数値を表すために使用する基数(または基)に基づいたシステムです。最も広く使用されている進数システムには以下のものがあります:

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十進法(デシマル): 基数は10。私たちが日常的に使用しているシステムで、0から9の数字を使います。
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二進法(バイナリ): 基数は2。0と1の2つの数字を使い、コンピュータの内部で情報を表現するのに使われます。
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八進法(オクタル): 基数は8。0から7までの数字を使用し、主にコンピュータの内部で使用されることがあります。
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十六進法(ヘキサ): 基数は16。0から9の数字とAからFのアルファベット(A=10, B=11, …, F=15)を使い、コンピュータ科学やプログラミングでよく使用されます。
2. 数値の進数変換方法
進数の変換には、いくつかの基本的な方法があります。それぞれの進数システム間で数値を変換するためには、特定のアルゴリズムに従う必要があります。
2.1. 十進法から二進法への変換
十進法の数値を二進法に変換するには、まずその数値を2で割り、その商と余りを使って二進数を求めます。具体的な手順は以下の通りです:
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十進数を2で割る。
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商を再び2で割る。
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余りを順番に記録する。
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商が0になったら、余りを逆順に並べる。
例えば、十進数の「13」を二進法に変換する場合:
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13 ÷ 2 = 6 余り 1
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6 ÷ 2 = 3 余り 0
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3 ÷ 2 = 1 余り 1
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1 ÷ 2 = 0 余り 1
したがって、13(十進数)は1101(二進数)になります。
2.2. 十進法から八進法への変換
十進法から八進法への変換は、十進法の数値を8で割り、余りを記録する方法で行います。手順は以下の通りです:
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十進数を8で割る。
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商を再び8で割る。
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余りを順番に記録する。
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商が0になったら、余りを逆順に並べる。
例えば、十進数の「45」を八進法に変換する場合:
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45 ÷ 8 = 5 余り 5
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5 ÷ 8 = 0 余り 5
したがって、45(十進数)は55(八進法)になります。
2.3. 十進法から十六進法への変換
十進法から十六進法への変換は、十進法の数値を16で割り、余りを16進法の対応する数字(0-9およびA-F)で表します。手順は以下の通りです:
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十進数を16で割る。
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商を再び16で割る。
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余りを順番に記録する(余りが10以上なら、それをA-Fに変換)。
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商が0になったら、余りを逆順に並べる。
例えば、十進数の「255」を十六進法に変換する場合:
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255 ÷ 16 = 15 余り 15 → F
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15 ÷ 16 = 0 余り 15 → F
したがって、255(十進数)はFF(十六進法)になります。
3. 他の進数システム間の変換
進数間の変換は、他のシステム間でも行えますが、基本的なアプローチは同じです。たとえば、二進法から八進法や十六進法に変換する場合は、まずその数を十進法に変換してから、希望するシステムに変換することが一般的です。逆に、八進法や十六進法から二進法に変換する場合も、同様に一度十進法を介して変換します。
3.1. 二進法から十進法への変換
二進法から十進法への変換は、各桁の値に2のべき乗を掛け、それらを合計する方法です。たとえば、二進数「1101」を十進法に変換する場合:
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1 × 2^3 = 8
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1 × 2^2 = 4
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0 × 2^1 = 0
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1 × 2^0 = 1
これらを合計すると、8 + 4 + 0 + 1 = 13(十進数)です。
3.2. 八進法から十進法への変換
八進法から十進法への変換も、各桁の値に8のべき乗を掛けて合計します。たとえば、八進数「55」を十進法に変換する場合:
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5 × 8^1 = 40
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5 × 8^0 = 5
これらを合計すると、40 + 5 = 45(十進数)です。
3.3. 十六進法から十進法への変換
十六進法から十進法への変換も、各桁の値に16のべき乗を掛けて合計します。たとえば、十六進数「FF」を十進法に変換する場合:
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F (15) × 16^1 = 240
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F (15) × 16^0 = 15
これらを合計すると、240 + 15 = 255(十進数)です。
4. 結論
進数変換は、特にコンピュータサイエンスやプログラミングにおいて非常に重要なスキルです。異なるシステム間での数値の変換を理解することで、コンピュータの内部での処理やデータの操作をより深く理解することができます。どの進数システムを使うかは、用途や必要に応じて選択され、変換の方法をしっかりと把握することで、より効率的に作業を行うことができます。