高血圧と低血圧の症状

高血圧（高血圧症）と低血圧（低血圧）は、どちらも血圧の異常に関連する疾患であり、それぞれに特徴的な症状があります。これらの疾患は、発症した際に体に与える影響が大きいため、早期発見と適切な対策が求められます。本記事では、高血圧と低血圧の症状について、完全かつ包括的に解説します。

高血圧の症状

高血圧は、血液が血管内を流れる際にかかる圧力が異常に高くなる状態です。正常な血圧は、一般的に120/80mmHg以下とされています。高血圧の基準は、上の血圧（収縮期血圧）が140mmHg以上、または下の血圧（拡張期血圧）が90mmHg以上であるとされています。高血圧の症状は、しばしば初期段階では自覚症状がほとんどなく、「サイレントキラー（静かな殺し屋）」と呼ばれることもあります。つまり、高血圧は進行するまで気づきにくい場合が多いです。

1. 頭痛

高血圧が進行すると、特に血圧が非常に高くなると、頭痛が発生することがあります。これは、血管が圧迫され、脳内で圧力が増すことが原因とされています。高血圧による頭痛は、しばしば後頭部に感じられることが多く、朝起きた時に特に強く感じられることがあります。

2. めまい

高血圧の症状として、めまいやふらつきも一般的です。血圧が高い状態が続くと、血管が硬化して柔軟性を失い、血流が不安定になります。これにより、脳への血流が不足し、めまいやふらつきが生じることがあります。

3. 息切れ

高血圧が進行すると、心臓に負担がかかり、心臓のポンプ機能が低下することがあります。このため、少しの運動や歩行でも息切れを感じることがあります。特に、運動後に息切れが続く場合は、高血圧が原因となっている可能性があります。

4. 胸の圧迫感や痛み

高血圧は心臓に負担をかけるため、胸の圧迫感や痛みを引き起こすことがあります。これが心臓病の兆候である可能性があるため、胸の痛みを感じた場合は早急に医師の診断を受けることが重要です。

5. 視力障害

高血圧が進行すると、血管が破れたり、狭くなったりすることがあります。これが目の網膜に影響を及ぼし、視力がぼやけたり、視野が狭くなったりすることがあります。視力障害は、高血圧が原因である可能性があるため、注意が必要です。

6. 脳卒中

高血圧は脳卒中のリスク因子です。高血圧が長期間続くと、脳の血管が損傷を受け、脳卒中を引き起こす可能性があります。突然の言語障害、片側の麻痺、意識障害などが現れた場合は、直ちに医師の診察を受けるべきです。

低血圧の症状

低血圧は、血液が血管内を流れる際にかかる圧力が正常よりも低い状態です。通常、血圧が90/60mmHg未満の場合に低血圧とされます。低血圧もまた、特に軽度の場合は症状が現れにくいことがありますが、血圧が極端に低下すると、体に様々な不調が現れます。

1. めまいや立ちくらみ

低血圧の最も一般的な症状の一つが、めまいや立ちくらみです。特に立ち上がったり、座ったりしたときに血圧が急激に下がると、脳への血流が不足し、めまいやふらつきが生じます。これは「起立性低血圧」と呼ばれ、低血圧の特徴的な症状です。

2. 倦怠感

低血圧による倦怠感や疲れやすさも一般的な症状です。血圧が低いため、体全体への血流が不十分になり、エネルギー不足を感じることが多くなります。日常生活でもだるさや無気力感を感じることが増えることがあります。

3. 息切れ

低血圧が原因で、十分な血液が全身に行き渡らず、呼吸が浅くなり、息切れを感じることがあります。特に運動後や急激な体勢の変更時に息苦しさを感じることがあります。

4. 頭痛や集中力の低下

低血圧の人は、血液循環が悪いため、脳への血流も減少します。これにより、頭痛が起こることがあり、また集中力が低下することもあります。軽い頭痛やぼーっとした感じが続くこともあります。

5. 手足の冷え

低血圧が続くと、手足の血流が減少し、冷えを感じることがあります。これは血液が体の中心部に集まり、四肢への血流が不足するためです。特に寒い季節に冷えが強く感じられることがあります。

6. ショック状態

低血圧が極端に進行すると、ショック状態に陥ることがあります。これは、血液が十分に体の臓器に届かなくなることで、意識障害や臓器の機能不全を引き起こす可能性があります。低血圧が非常に低い場合には、緊急の医療対応が必要です。

まとめ

高血圧と低血圧は、いずれも血圧に異常をきたす状態であり、体に多大な影響を与える可能性があります。高血圧はしばしば自覚症状がないため、定期的な検診が重要です。一方、低血圧はめまいや疲れやすさ、息切れなどの症状が現れやすいですが、適切な対策を講じることで改善することが可能です。どちらの症状も軽視せず、早期の診断と治療を受けることが健康を守るために必要です。