Linuxシステムにおけるディスクの分割は、システムのパフォーマンスやデータの管理の面で重要な役割を果たします。ディスクの分割は、単にストレージを区分けするだけでなく、システムの効率的な利用やデータの安全性を向上させるためにも必要です。ここでは、Linuxでのディスク分割方法を、実際のコマンドやツールを交えて詳しく説明します。
1. ディスクの確認と準備
最初に、システムに接続されているディスクを確認します。これには、lsblk
コマンドを使用します。
bashlsblk
このコマンドで、接続されている全てのストレージデバイスがリストされます。通常、/dev/sda
, /dev/sdb
などの名前で表示されるディスクを確認できます。
次に、ディスクが未フォーマットである場合は、fdisk
またはparted
を使用して、ディスクのパーティションテーブルを作成します。これらのツールは、Linuxのディスク管理において最も一般的に使用されます。
2. fdisk
を使ったパーティション作成
fdisk
は、MBR(Master Boot Record)形式のパーティションテーブルを作成するためのツールです。GPT(GUID Partition Table)形式が必要な場合は、gdisk
やparted
を使用します。
fdisk
を使ってディスクのパーティションを作成する方法は次の通りです。
-
fdisk
コマンドを使用してディスクにアクセスします。bashsudo fdisk /dev/sda
-
fdisk
に入ったら、まず現在のパーティションテーブルを確認するためにp
を押して表示します。 -
新しいパーティションを作成するために、
n
を押します。その後、パーティションのタイプ(プライマリまたは拡張)を選択し、開始と終了のセクターを指定します。 -
変更を保存するには、
w
を押します。
3. parted
を使ったGPTパーティションテーブルの作成
parted
は、GPT形式のパーティションテーブルを管理するためのツールです。GPT形式は、特に2TBを超える大きなディスクや、UEFIブートシステムを使用する場合に重要です。
bashsudo parted /dev/sda
parted
に入ったら、以下のコマンドでパーティションテーブルを作成します。
bashmklabel gpt
その後、パーティションを作成するために、mkpart
コマンドを使用します。
bashmkpart primary ext4 0% 50% mkpart primary ext4 50% 100%
このコマンドは、ディスクの最初の50%を一つ目のパーティション、残りを二つ目のパーティションとして分割します。
4. フォーマットとマウント
パーティションを作成した後、次にそのパーティションをフォーマットする必要があります。mkfs
コマンドを使用して、パーティションにファイルシステムを作成します。例えば、/dev/sda1
パーティションにext4ファイルシステムを作成する場合は、次のようにコマンドを実行します。
bashsudo mkfs.ext4 /dev/sda1
その後、作成したパーティションをマウントします。マウントポイント(例えば/mnt/data
)を作成し、mount
コマンドでマウントします。
bashsudo mkdir /mnt/data
sudo mount /dev/sda1 /mnt/data
5. fstabによる自動マウント設定
ディスクを再起動後も自動的にマウントするには、/etc/fstab
ファイルにエントリを追加します。このファイルにパーティションのUUID(ユニークID)を記述することで、システム起動時に自動でマウントできます。
まず、パーティションのUUIDを確認します。
bashsudo blkid /dev/sda1
出力されるUUIDをコピーし、/etc/fstab
ファイルに次のようなエントリを追加します。
bashUUID=your-uuid-here /mnt/data ext4 defaults 0 2
これで、システム起動時に自動的にマウントされるようになります。
6. RAIDによるディスクの管理
RAID(Redundant Array of Independent Disks)は、複数のディスクを使ってデータの冗長性やパフォーマンスを向上させる技術です。Linuxでは、mdadm
を使用してRAIDを管理します。RAIDのセットアップ方法は多岐にわたりますが、ここではRAID 1(ミラーリング)を例にとって説明します。
RAID 1を設定するには、次のコマンドでディスクをRAIDアレイに追加します。
bashsudo mdadm --create /dev/md0 --level=1 --raid-devices=2 /dev/sda1 /dev/sdb1
その後、RAIDデバイスをフォーマットし、マウントします。
bashsudo mkfs.ext4 /dev/md0 sudo mount /dev/md0 /mnt/raid
7. ディスクの拡張
ディスクの容量を増やす場合、既存のパーティションに新しい領域を追加したり、サイズを変更したりできます。gparted
などのツールを使用して、パーティションサイズを変更することができますが、操作には注意が必要です。
bashsudo gparted
GPartedを使用することで、GUI上で直感的にパーティションを管理することができます。
結論
Linuxシステムでのディスク分割は、効率的なストレージ管理、システムのパフォーマンス向上、データの安全性確保に欠かせない操作です。fdisk
やparted
、mdadm
などのツールを駆使することで、必要な分割や拡張、RAID構築が可能となります。常にデータのバックアップを取ることを忘れず、慎重に作業を行うことが重要です。