開発運用

Sequelize 多対多 関係

最終更新： 2月 21, 2025
1 分の読み

Sequelizeを使用して、複数のテーブル間で「多対多」の関係を設定する方法について、完全かつ包括的な記事を日本語で説明します。以下では、Sequelize ORM（Object-Relational Mapping）を用いて、リレーショナルデータベースでの「多対多」リレーションをどのように構築するかをステップバイステップで解説します。

1. Sequelizeとは？

Sequelizeは、Node.js環境で使用される強力なORMライブラリです。Sequelizeを使うと、データベースと対話するためにSQLを書く必要がなくなり、JavaScriptコードでデータベース操作を行うことができます。Sequelizeは、MySQL、PostgreSQL、SQLite、Microsoft SQL Serverなどの多くのデータベースをサポートしています。

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2. 多対多（Many-to-Many）関係とは？

多対多の関係とは、一方のテーブルのレコードが、別のテーブルの複数のレコードと関連している関係のことです。例えば、ある「学生（Students）」テーブルと「コース（Courses）」テーブルがあり、一人の学生が複数のコースを受講し、また一つのコースに複数の学生が登録できる場合です。この場合、学生とコースの間には多対多の関係が成り立ちます。

3. 多対多の関係を実現するための準備

Sequelizeで多対多のリレーションを作成するには、3つのテーブルが必要です。例えば、「学生（Students）」と「コース（Courses）」テーブルの間に多対多の関係を作る場合、通常は中間テーブル（student_courses）を使います。この中間テーブルは、2つのテーブルを関連付けるために使用されます。

4. モデルの定義

まずは、各テーブルのモデルを定義します。ここでは、学生とコースのテーブルに加えて、中間テーブル「student_courses」を定義します。

学生（Students）モデル

javascript
const { DataTypes } = require('sequelize');
const sequelize = require('./database'); // Sequelizeインスタンス

const Student = sequelize.define('Student', {
  name: {
    type: DataTypes.STRING,
    allowNull: false,
  },
  age: {
    type: DataTypes.INTEGER,
    allowNull: false,
  },
});

module.exports = Student;

コース（Courses）モデル

javascript
const { DataTypes } = require('sequelize');
const sequelize = require('./database'); // Sequelizeインスタンス

const Course = sequelize.define('Course', {
  title: {
    type: DataTypes.STRING,
    allowNull: false,
  },
  description: {
    type: DataTypes.TEXT,
  },
});

module.exports = Course;

中間テーブル（StudentCourses）モデル

javascript
const { DataTypes } = require('sequelize');
const sequelize = require('./database'); // Sequelizeインスタンス

const StudentCourse = sequelize.define('StudentCourse', {
  // 特に他のカラムが必要ない場合でも、モデルを定義する必要があります。
});

module.exports = StudentCourse;

5. 多対多の関係の定義

次に、StudentとCourseテーブルの間に多対多のリレーションを定義します。このリレーションを実現するために、belongsToManyメソッドを使用します。

javascript
const Student = require('./Student');
const Course = require('./Course');

// 多対多のリレーションを設定
Student.belongsToMany(Course, {
  through: 'StudentCourse', // 中間テーブル
  foreignKey: 'student_id',
});
Course.belongsToMany(Student, {
  through: 'StudentCourse', // 中間テーブル
  foreignKey: 'course_id',
});

このコードでは、Student.belongsToMany(Course)とCourse.belongsToMany(Student)を使って、学生とコースの間に多対多のリレーションを設定しています。throughオプションには中間テーブルの名前（ここではStudentCourse）を指定します。

6. テーブルの同期

次に、データベースにテーブルを作成するために、sequelize.sync()メソッドを使用します。これにより、モデルに基づいてテーブルがデータベースに反映されます。

javascript
sequelize.sync({ force: true }) // force: trueは既存のテーブルを削除して再作成します
  .then(() => {
    console.log('Database synchronized');
  })
  .catch((error) => {
    console.error('Unable to sync the database:', error);
  });

7. データの挿入

ここでは、学生とコースにデータを挿入し、関連するレコードを中間テーブルに挿入する方法を示します。

javascript
const Student = require('./Student');
const Course = require('./Course');

// 学生とコースを作成
async function createData() {
  const student1 = await Student.create({ name: 'John Doe', age: 22 });
  const student2 = await Student.create({ name: 'Jane Smith', age: 21 });
  
  const course1 = await Course.create({ title: 'Math 101', description: 'Basic Math' });
  const course2 = await Course.create({ title: 'History 101', description: 'Introduction to History' });

  // 多対多の関係を設定
  await student1.addCourses([course1, course2]);
  await student2.addCourses([course1]);

  console.log('Data inserted');
}

createData();

このコードでは、addCoursesメソッドを使って、学生とコースの多対多の関係を作成しています。このメソッドを使うことで、関連する中間テーブルにも自動的にデータが挿入されます。

8. 関連データの取得

多対多の関係を設定した後、関連するデータを取得する方法を見ていきます。例えば、特定の学生が受講しているコースを取得する方法は以下の通りです。

javascript
async function getStudentCourses() {
  const student = await Student.findOne({
    where: { name: 'John Doe' },
    include: Course, // コースも一緒に取得
  });

  console.log(student.Courses); // 学生が受講しているコースを表示
}

getStudentCourses();

このコードでは、Student.findOneで特定の学生を取得し、その学生が受講しているコース（Courses）を含めてデータを取得しています。

9. データの削除

多対多のリレーションにおいて、学生とコースの関連を削除するには、removeCoursesメソッドを使用します。

javascript
async function removeCourseFromStudent() {
  const student = await Student.findOne({
    where: { name: 'John Doe' },
  });

  const course = await Course.findOne({
    where: { title: 'Math 101' },
  });

  // 学生からコースを削除
  await student.removeCourse(course);

  console.log('Course removed from student');
}

removeCourseFromStudent();

10. まとめ

Sequelizeを使って多対多のリレーションを設定する方法を解説しました。中間テーブルを使用することで、複数のテーブル間で複雑なリレーションを簡単に管理できます。belongsToManyメソッドを利用することで、テーブル間の多対多の関係を定義し、データの挿入、取得、削除も簡単に行うことができます。

Sequelizeを活用することで、リレーショナルデータベースの操作を効率的に行えるため、Node.jsでのデータベース管理が非常にスムーズになります。

最終更新： 2月 21, 2025
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