Ubuntu 16.04上でLAMPサーバーを使用してWordPressをインストールする方法について、詳細かつ包括的な手順を日本語で解説します。LAMPとは、Linux、Apache、MySQL(またはMariaDB)、PHPを指す、Webアプリケーションの開発において広く使用されているスタックです。このガイドでは、LAMP環境を構築し、WordPressをインストールする手順を順を追って説明します。
1. 必要なパッケージのインストール
まず、必要なパッケージをインストールします。Ubuntu 16.04では、以下のコマンドを使用してApache、MySQL、PHP、そして関連するパッケージをインストールできます。
1.1 Apacheのインストール
Apache Webサーバーをインストールするには、以下のコマンドを実行します。
bashsudo apt update sudo apt install apache2
インストール後、Apacheサービスが正常に動作しているか確認するために、次のコマンドを使います。
bashsudo systemctl status apache2
ブラウザで http://localhost
またはサーバーのIPアドレスを入力し、Apacheのデフォルトのページが表示されることを確認します。
1.2 MySQLのインストール
次に、データベース管理システムであるMySQLをインストールします。以下のコマンドを使用します。
bashsudo apt install mysql-server
インストール後、MySQLのセキュリティ設定を行うために次のコマンドを実行します。
bashsudo mysql_secure_installation
ここでは、rootパスワードの設定や不要な設定の削除などを行います。プロンプトに従って、適切な設定を行ってください。
1.3 PHPのインストール
WordPressを動作させるためにPHPが必要です。PHPとその必要な拡張モジュールをインストールします。
bashsudo apt install php libapache2-mod-php php-mysql php-xml php-mbstring php-curl php-zip
インストール後、Apacheサーバーを再起動してPHPモジュールを適用します。
bashsudo systemctl restart apache2
1.4 必要なPHP拡張の確認
PHPが正しくインストールされていることを確認するために、以下のコマンドを使ってPHPのバージョンを確認します。
bashphp -v
PHPのバージョンが表示されれば、PHPは正常にインストールされています。
2. WordPressのインストール
2.1 WordPressのダウンロード
次に、WordPressを公式サイトからダウンロードします。/var/www/html
ディレクトリはApacheのデフォルトのWebルートですので、そこにWordPressを配置します。
bashcd /tmp
wget https://wordpress.org/latest.tar.gz
ダウンロードしたアーカイブを解凍して、/var/www/html
にコピーします。
bashtar -xzvf latest.tar.gz
sudo cp -r wordpress/* /var/www/html/
2.2 ディレクトリの権限設定
ApacheがWordPressにアクセスできるように、ディレクトリとファイルの所有者を適切に設定します。
bashsudo chown -R www-data:www-data /var/www/html/
2.3 データベースの作成
次に、WordPress用のデータベースを作成します。MySQLにログインします。
bashsudo mysql -u root -p
MySQLにログイン後、以下のコマンドで新しいデータベースを作成し、ユーザーに権限を付与します。
sqlCREATE DATABASE wordpress;
GRANT ALL PRIVILEGES ON wordpress.* TO 'wp_user'@'localhost' IDENTIFIED BY 'password';
FLUSH PRIVILEGES;
EXIT;
ここでは、データベース名をwordpress
、ユーザー名をwp_user
、パスワードをpassword
に設定しています。これらは必要に応じて変更してください。
3. WordPress設定ファイルの設定
3.1 wp-config.php
の編集
WordPressの設定ファイルを設定します。/var/www/html
にある wp-config-sample.php
をコピーし、wp-config.php
に名前を変更します。
bashcd /var/www/html
sudo cp wp-config-sample.php wp-config.php
wp-config.php
ファイルをテキストエディタで開き、以下の設定を行います。
bashsudo nano wp-config.php
次の部分を変更します。
phpdefine('DB_NAME', 'wordpress');
define('DB_USER', 'wp_user');
define('DB_PASSWORD', 'password');
define('DB_HOST', 'localhost');
この設定は、先ほど作成したデータベースとユーザー情報に合わせて変更してください。
3.2 Apacheの設定ファイルの変更
/etc/apache2/sites-available/000-default.conf
を編集して、WordPressのURL設定を変更します。
bashsudo nano /etc/apache2/sites-available/000-default.conf
DocumentRoot
のパスが /var/www/html
になっていることを確認してください。
bashDocumentRoot /var/www/html
4. Apacheの再起動とインストール完了
設定が完了したら、Apacheを再起動します。
bashsudo systemctl restart apache2
5. WordPressインストールの完了
ブラウザを開き、http://localhost
またはサーバーのIPアドレスにアクセスします。WordPressのインストール画面が表示されるので、言語を選択し、インストールを続けてください。データベースの設定、サイト名、管理者アカウントなどを入力し、インストールが完了します。
結論
以上の手順で、Ubuntu 16.04上にLAMPスタックを使用してWordPressをインストールすることができます。Webサーバーのセットアップ、データベースの作成、WordPressの設定といった作業を順番に実行することで、WordPressを問題なく稼働させることができます。このインストールが完了した後、サイトを管理し、さまざまなプラグインやテーマを使用してさらにカスタマイズすることができます。