Python 3は、オープンソースであり、高度なプログラム開発において非常に重要な言語です。Ubuntu 16.04にPython 3をインストールし、開発環境を整える方法を順を追って解説します。
1. Python 3のインストール
まず最初に、Python 3がUbuntu 16.04にプリインストールされている場合もありますが、最新版をインストールするために以下の手順を実行します。
ステップ 1: パッケージリストの更新
ターミナルを開き、以下のコマンドを実行してパッケージリストを更新します。これにより、最新のパッケージがインストールされるようになります。
bashsudo apt update
ステップ 2: Python 3のインストール
次に、Python 3をインストールするために以下のコマンドを実行します。
bashsudo apt install python3
これにより、最新のPython 3がインストールされます。
ステップ 3: インストール確認
Python 3が正常にインストールされたかどうかを確認するため、次のコマンドを実行します。
bashpython3 --version
これにより、インストールされたPython 3のバージョンが表示されます。
2. Python 3に関連するツールのインストール
Python 3をインストールした後、Pythonで開発するためにはいくつかのツールもインストールする必要があります。
ステップ 1: pipのインストール
pip
はPythonパッケージを管理するツールです。Python 3に対応するpip3
をインストールするには、次のコマンドを実行します。
bashsudo apt install python3-pip
インストール後、以下のコマンドでpipのバージョンを確認できます。
bashpip3 --version
ステップ 2: venvのインストール
venv
は仮想環境を作成するためのツールです。開発中に依存関係を管理するために非常に有用です。次のコマンドでvenv
をインストールできます。
bashsudo apt install python3-venv
3. 開発環境の設定
Python 3をインストールした後、仮想環境を設定して依存関係を分離することが重要です。
ステップ 1: 仮想環境の作成
まず、プロジェクトのディレクトリを作成します。以下のコマンドでディレクトリを作成し、その中に移動します。
bashmkdir my_project
cd my_project
次に、以下のコマンドで仮想環境を作成します。
bashpython3 -m venv venv
これにより、my_project
ディレクトリ内にvenv
という仮想環境が作成されます。
ステップ 2: 仮想環境の有効化
仮想環境を有効にするために、以下のコマンドを実行します。
bashsource venv/bin/activate
これにより、仮想環境内で作業を行うことができます。仮想環境が有効になっている場合、ターミナルのプロンプトが変更されます。
ステップ 3: 必要なパッケージのインストール
仮想環境が有効になった状態で、必要なパッケージをインストールできます。例えば、FlaskやDjangoなどのフレームワークをインストールする場合は、次のように実行します。
bashpip install flask
また、requirements.txt
ファイルを使用して複数のパッケージを一度にインストールすることもできます。
bashpip install -r requirements.txt
ステップ 4: 仮想環境の無効化
作業が終わったら、仮想環境を無効化することを忘れないようにしましょう。以下のコマンドで仮想環境を無効化できます。
bashdeactivate
4. Python 3のIDE(統合開発環境)の設定
Pythonの開発をより効率的に行うために、IDE(統合開発環境)を設定することができます。Ubuntuでは、いくつかの優れたPython IDEがあります。
1. Visual Studio Code (VSCode)
VSCodeは軽量でありながら強力なエディタで、Pythonの開発にも非常に適しています。インストールするには、次の手順を実行します。
bashsudo apt install code
または、公式ウェブサイトからDebパッケージをダウンロードしてインストールすることもできます。
VSCodeでは、Python用の拡張機能をインストールすることで、コード補完やデバッグ機能が提供されます。
2. PyCharm
PyCharmは、JetBrainsが提供する強力なIDEで、Pythonの開発に特化しています。Community Edition(無料版)をインストールするには、公式サイトからダウンロードし、インストールします。
bashsudo snap install pycharm-community --classic
5. Pythonスクリプトの実行
Pythonスクリプトを実行するには、以下のコマンドを使います。
bashpython3 script_name.py
ここで、script_name.py
は実行したいPythonファイルの名前です。
6. Python 3のアップデート
定期的にPython 3をアップデートすることをおすすめします。アップデートを行うには、以下のコマンドを実行します。
bashsudo apt upgrade python3
まとめ
Ubuntu 16.04にPython 3をインストールし、開発環境を整えるための手順は以上です。これにより、効率的なPython開発が可能となり、さまざまなプロジェクトに取り組むことができます。仮想環境を利用することで、プロジェクトごとに依存関係を管理し、システム全体に影響を与えることなく作業できます。また、IDEを活用することで、開発の生産性が向上し、快適なプログラミングが可能になります。