開発運用

UbuntuでCUPSを設定する方法

CUPS(Common UNIX Printing System)は、Unix系システムで広く使用される印刷システムです。UbuntuにCUPSをインストールして設定することで、ネットワークプリンターやローカルプリンターを簡単に管理することができます。この完全かつ包括的なガイドでは、UbuntuにおけるCUPSのインストール、設定、管理方法について詳細に解説します。

CUPSのインストール

まず最初に、CUPSをUbuntuにインストールする必要があります。Ubuntuは標準でCUPSをサポートしていますが、もしインストールされていない場合は、以下の手順に従ってインストールできます。

  1. 端末を開く
    アプリケーションメニューから「端末」を検索して開きます。

  2. CUPSパッケージのインストール
    端末に以下のコマンドを入力して、CUPSをインストールします。

    bash
    sudo apt update sudo apt install cups

    このコマンドは、最新のパッケージ情報を取得し、CUPSをインストールします。

  3. CUPSサービスの開始
    インストール後、CUPSサービスが自動的に開始されるはずですが、もし開始されていない場合は、次のコマンドで手動でサービスを起動できます。

    bash
    sudo systemctl start cups
  4. CUPSサービスの自動起動設定
    サーバーを再起動した後でもCUPSが自動的に起動するように設定します。

    bash
    sudo systemctl enable cups
  5. CUPSが動作しているか確認する
    CUPSサービスが正常に動作しているか確認するために、次のコマンドを使用します。

    bash
    sudo systemctl status cups

    正常に動作していれば、active (running)というメッセージが表示されます。

CUPSの設定

CUPSの管理は、Webベースのインターフェースを使用して行います。インストールが完了した後、Webブラウザを使って設定を行います。

  1. CUPS管理ページにアクセス
    CUPSの管理インターフェースは、ブラウザを通じてアクセスできます。URLバーに以下のアドレスを入力します。

    arduino
    http://localhost:631

    これでCUPSの管理画面にアクセスできます。初めてアクセスする際には、管理者のパスワードを入力する必要がある場合があります。

  2. プリンターの追加
    管理画面にアクセスしたら、「プリンターの追加」セクションに進みます。そこでは、接続されているプリンターを選択することができます。

    • ローカルプリンターの追加
      USB接続のプリンターや、直接接続されたプリンターを選択します。CUPSは通常、接続されているプリンターを自動的に検出します。

    • ネットワークプリンターの追加
      ネットワーク経由で接続されたプリンター(Wi-FiやEthernet経由)を追加する場合、ネットワーク内のプリンターがリストに表示されるはずです。手動でIPアドレスを指定することもできます。

  3. プリンター設定の調整
    プリンターを追加した後、詳細な設定(印刷品質、用紙サイズ、デフォルトのプリンター設定など)を行うことができます。

    プリンターの設定を変更するには、CUPSの管理画面で該当のプリンターを選択し、「管理」ボタンをクリックします。ここから、用紙サイズや印刷モードの変更が可能です。

プリンターのドライバーと設定

プリンターを正しく動作させるためには、適切なドライバーをインストールする必要があります。Ubuntuでは、一般的なプリンタードライバーはデフォルトでサポートされていますが、特定のモデルには専用ドライバーが必要な場合もあります。

  1. HPLIPのインストール
    HPプリンターなど一部のプリンターには、専用のドライバーツールであるHPLIP(HP Linux Imaging and Printing)をインストールする必要があります。以下のコマンドでHPLIPをインストールできます。

    bash
    sudo apt install hplip
  2. 追加のドライバーのインストール
    特定のメーカーのプリンターや高性能なプリンターを使用する場合、メーカーから提供されているドライバーをインストールすることが推奨されます。これには、プリンターモデルに応じたパッケージをダウンロードしてインストールします。

プリンターのテストと印刷

CUPSにプリンターを追加した後、実際にテスト印刷を行って、すべてが正常に機能するか確認します。

  1. テストページの印刷
    CUPSの管理画面に戻り、追加したプリンターの「テストページを印刷」オプションを選択します。これにより、プリンターが正しく設定されているか、印刷品質に問題がないか確認できます。

  2. 印刷ジョブの管理
    印刷ジョブがキューに入ると、CUPSはそれを管理します。CUPSの管理画面で、現在の印刷ジョブの状態や進行状況を確認することができます。印刷ジョブを一時停止したり、キャンセルしたりすることも可能です。

ネットワークプリンターの共有

CUPSを使ってネットワークプリンターを他のコンピューターと共有することもできます。これにより、複数のUbuntuマシンや他のOS(WindowsやMac)からもプリンターを利用できるようになります。

  1. 共有設定の有効化
    CUPSの設定画面で「プリンターの共有」を有効にすることで、ネットワーク上で他のコンピューターからもこのプリンターを使用できるようになります。

  2. ファイアウォールの設定
    プリンターの共有を有効にした場合、ネットワークからのアクセスを許可するために、ファイアウォールの設定を調整する必要があることがあります。次のコマンドでCUPSのポート(631番)が許可されていることを確認します。

    bash
    sudo ufw allow 631/tcp

トラブルシューティング

CUPSを使用する際に問題が発生することもありますが、一般的なトラブルシューティング手順を知っておくと便利です。

  1. CUPSサービスの再起動
    CUPSが動作しない場合や設定を変更した後に問題が発生した場合は、サービスを再起動することで問題が解決することがあります。

    bash
    sudo systemctl restart cups
  2. ログの確認
    CUPSのログは、システムの問題を診断するための重要な情報を提供します。ログファイルは/var/log/cupsに保存されており、特にerror_logファイルが問題解決の手助けになります。

    bash
    sudo less /var/log/cups/error_log
  3. プリンターのドライバーを再インストール
    プリンターが正しく動作しない場合、ドライバーを再インストールすることが効果的です。

まとめ

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