SharePointのインストールガイド:アプリケーションサーバーおよびWebサーバーへのインストール
Microsoft SharePointは、企業のコラボレーション、コンテンツ管理、およびドキュメント共有を支援する強力なプラットフォームです。SharePointをインストールするには、アプリケーションサーバーとWebサーバーにインストールするプロセスが必要です。このガイドでは、SharePointのインストール手順を完全かつ包括的に説明します。インストール前に必要なシステム要件を満たしていることを確認してください。

1. システム要件の確認
SharePointのインストール前に、サーバーが必要なシステム要件を満たしていることを確認することが重要です。主な要件は以下の通りです。
ハードウェア要件
- プロセッサ: 64ビットプロセッサ(x64)
- メモリ: 16GB以上(推奨)
- ディスク容量: 80GB以上の空き容量(インストールには最低でも60GBが必要)
- ネットワーク: 高速インターネット接続(ダウンロードやライセンス認証に必要)
ソフトウェア要件
- オペレーティングシステム: Windows Server 2016以降
- データベースサーバー: SQL Server 2016以上(SQL Server Expressは推奨されません)
- Webサーバー: IIS(Internet Information Services)8.5以上
ブラウザの要件
- Microsoft Edge、Google Chrome、または最新のInternet Explorerを使用します。
2. インストールの準備
2.1 必要なソフトウェアのインストール
まず、SharePointをインストールするために必要なソフトウェアを準備します。これには、Windows Server、SQL Server、および必要な依存関係が含まれます。
- Windows Serverのインストール: 最新のWindows Server(Windows Server 2016またはそれ以降)をインストールし、最新の更新プログラムを適用します。
- SQL Serverのインストール: SharePointはSQL Serverに依存しているため、SQL Serverをインストールします。SQL Serverのインストールは、必ずSQL Server Management Studio(SSMS)を含めて行ってください。
- IISの有効化: IIS(インターネット情報サービス)を有効にし、必要な機能(ASP.NET、.NET Frameworkなど)をインストールします。
2.2 サーバーの役割を確認
SharePointには、さまざまな役割のサーバーが必要です。以下の役割のサーバーを決定し、各サーバーにインストールします。
- アプリケーションサーバー: SharePointアプリケーションのメインの処理を担当します。
- Webサーバー: Webインターフェースを提供し、ユーザーがSharePointにアクセスできるようにします。
3. SharePointのインストール
3.1 SharePointのインストールファイルを準備
Microsoftの公式サイトからSharePointのインストールパッケージをダウンロードします。ダウンロード後、インストールパッケージを適切なサーバーに配置します。
3.2 インストールの開始
- インストーラを実行: SharePointのインストールパッケージを実行します。最初にセットアップウィザードが表示されます。
- 言語の選択: 日本語を選択してインストールを進めます。
- インストールの準備: 必要な依存関係がインストールされていない場合、インストーラがそれらを自動的にインストールします。
3.3 インストールオプションの選択
インストール中に、以下のオプションを選択します。
- サーバーファームのインストール: 新しいファームを作成する場合、または既存のファームに参加させる場合の選択肢があります。
- Webアプリケーションの設定: WebアプリケーションのURLや設定を行います。
3.4 インストールの完了
インストールが完了すると、管理コンソールにアクセスできます。SharePointの管理者アカウントを設定し、管理コンソールを開きます。
4. 初期設定
4.1 SharePointファームの構成
インストールが完了したら、次にSharePointファームの構成を行います。これには、SharePointの管理者アカウントを作成し、必要なサービスを有効にする作業が含まれます。
- SharePoint管理シェルを起動: 管理者権限でPowerShellを実行し、SharePointファームの構成を開始します。
- サービスアプリケーションの構成: 必要なサービス(検索サービス、ユーザー情報サービスなど)を構成します。
4.2 Webアプリケーションの作成
Webアプリケーションを作成し、URLを設定します。これにより、ユーザーがSharePointにアクセスできるようになります。
- 新しいWebアプリケーションの作成: 管理コンソールで「Webアプリケーションの作成」を選択し、名前、URL、データベースなどの詳細を設定します。
- Webサイトの作成: 作成したWebアプリケーションの中に、SharePointサイトを作成します。
5. アプリケーションサーバーとWebサーバーの統合
SharePointは、アプリケーションサーバーとWebサーバーを連携させて動作します。各サーバーは、役割に応じて異なるリソースを提供します。Webサーバーはユーザーからのリクエストを処理し、アプリケーションサーバーはバックエンドでデータ処理を行います。この連携により、エンタープライズレベルのパフォーマンスを提供できます。
6. 最後の確認とテスト
インストールと設定が完了したら、次にSharePointが正常に動作しているか確認します。
- サイトのアクセス確認: WebブラウザからSharePointのURLにアクセスし、サイトが正しく表示されるかを確認します。
- ユーザーの確認: 新しいユーザーアカウントを作成し、そのユーザーでSharePointにログインできるか確認します。
- サービスの確認: SharePointのサービス(検索、ドキュメント管理など)が正常に動作していることを確認します。
7. まとめ
SharePointのインストールは、計画的に進めることでスムーズに完了します。必要なシステム要件を満たし、インストール前の準備をしっかり行うことが、成功するための鍵となります。インストール後は、管理者として設定を行い、ユーザーが効率的にコラボレーションできる環境を提供することが求められます。
このガイドに従い、SharePointのインストールを完了し、組織のニーズに合ったコラボレーションプラットフォームを構築してください。