Windows Server 2012 R2 のインストールは、企業のシステム環境やITインフラにおいて重要な作業です。本記事では、Windows Server 2012 R2 を完全かつ包括的にインストールするための手順を詳細に説明します。インストールの前に、必要な準備、システム要件、インストール後の初期設定などを順を追って確認し、スムーズに環境を整えるための方法を紹介します。
1. Windows Server 2012 R2 のインストール前準備
インストールを開始する前に、以下の項目を確認しておくことが重要です。
1.1 必要なシステム要件
Windows Server 2012 R2 をインストールするためには、以下の最小システム要件を満たす必要があります。
- プロセッサ: 1.4 GHz 以上の64ビットプロセッサ
- RAM: 最小512 MB(推奨2 GB以上)
- ディスク空き容量: 最小32 GB
- ネットワークアダプタ: Gigabit Ethernet
- ドライブ: DVD-ROMドライブ(物理メディアの場合)
- グラフィック: Super VGA(800×600以上)
1.2 インストールメディアの準備
Windows Server 2012 R2 をインストールするためには、インストールメディアが必要です。これには、ISOファイルをダウンロードしてDVDに書き込むか、USBメモリに作成する方法があります。Microsoft の公式サイトから ISO ファイルをダウンロードし、インストールメディアを作成する手順は以下の通りです。
- Microsoft の公式ウェブサイトから Windows Server 2012 R2 の ISO をダウンロードします。
- USBドライブまたはDVDにブート可能なメディアを作成します。例えば、USBメモリを使用する場合、「Windows USB/DVD Download Tool」を使用してISOをUSBメモリに書き込みます。
1.3 ハードウェアのチェックとバックアップ
インストール前に、サーバーが十分なリソースを持っているか確認します。また、既存のデータやシステム設定のバックアップを取ることが推奨されます。
2. インストールの開始
インストールの手順は、次のように進めます。
2.1 インストールメディアからブートする
インストールメディア(DVDまたはUSBドライブ)をサーバーに接続し、サーバーを再起動します。BIOS または UEFI 設定で、最初に起動するデバイスをインストールメディアに設定し、システムをブートします。
2.2 Windows Setup 画面
インストールメディアからブートすると、Windows Setup(インストールの準備)が始まります。以下の画面が表示されます。
- 言語、時刻、通貨形式、およびキーボードレイアウトを選択します。
- 「次へ」をクリックします。
2.3 インストールの開始
次に、インストールオプションが表示されます。新規インストールを選択する場合は、「今すぐインストール」をクリックします。
2.4 プロダクトキーの入力
インストールを進めるために、製品版のプロダクトキーを入力します。試用版を使用する場合は、「プロダクトキーを入力しない」を選択することも可能です。
2.5 インストールするエディションの選択
次に、インストールする Windows Server 2012 R2 のエディションを選択します。一般的には、「Windows Server 2012 R2 Standard」や「Windows Server 2012 R2 Datacenter」などが選べます。
2.6 ライセンス条項の確認
ライセンス条項を読み、「同意する」を選択して次に進みます。
2.7 インストールタイプの選択
インストールタイプを選択します。「カスタム(Windowsのみをインストール)」を選択すると、クリーンインストールが行われます。このオプションを選択すると、すべての既存のデータが消去されます。
2.8 ドライブの選択
インストール先のドライブを選択します。新しいハードディスクの場合は、ドライブをフォーマットしてインストールします。複数のパーティションがある場合は、インストールするパーティションを選択してください。
2.9 インストールの進行
インストールが開始されると、必要なファイルのコピーが行われます。このプロセスはしばらく時間がかかる場合があります。インストール中はコンピューターを再起動することがあります。
3. 初期設定
インストールが完了すると、サーバーが自動的に再起動され、Windows Server 2012 R2 の初期設定画面が表示されます。ここで、サーバーの管理者アカウントを設定します。
3.1 管理者アカウントの設定
「パスワードの設定」画面が表示されるので、管理者アカウントのパスワードを設定します。このパスワードは後でサーバーにログインするために必要です。
3.2 システムの確認
次に、インストールされた Windows Server のバージョンや設定を確認します。必要に応じて、サーバーの名前やネットワーク設定を行います。
4. サーバーの役割と機能の追加
インストールが完了したら、サーバーの役割や機能を追加していくことができます。これには、サーバーマネージャを使用して必要なロール(例えば、Active Directory、DNS、DHCPなど)を追加する作業が含まれます。
4.1 サーバーマネージャの使用
サーバーマネージャを開き、左側のメニューから「役割と機能の追加」を選択します。ここで、インストールするロールや機能を選択します。選択した後、「次へ」をクリックし、指示に従って設定を完了します。
4.2 Windows Update の実行
インストールが完了したら、最新のセキュリティ更新や修正プログラムを適用するために、Windows Update を実行します。これにより、システムの安全性と安定性が確保されます。
5. インストール後の管理
インストールが完了し、サーバーが正常に動作していることを確認したら、定期的なバックアップの設定やセキュリティ対策(例えば、Windows Firewall の設定やユーザーアクセス管理)を行います。また、リモートデスクトップの設定やサーバーの監視ツールを利用して、効率的に管理します。
まとめ
Windows Server 2012 R2 のインストールは、システムの準備からインストール後の初期設定、役割の追加まで一連の手順をしっかりと行うことで、安定したサーバー環境を構築できます。この記事で紹介した手順に従うことで、スムーズにインストールが完了し、その後の運用にも役立つ設定が行えます。
