トルコ共和国におけるクルド人の人口は、情報源や推定方法によって大きく異なります。以下に、主要な推定値を示します。
| 情報源 | 推定人口 | 割合 | 備考 |
|---|---|---|---|
| CIAワールドファクトブック(2016年) | 約1,525万人 | 約19% | 総人口8,020万人の19%として計算 |
| KONDA(2013年推定) | 1,300万~1,420万人 | 約18% | |
| クルド研究所(2017年推定) | 1,500万~2,000万人 | 約19%~25% |
このような推定値の差異は、調査方法、定義、政治的要因などに起因しています。例えば、KONDAの2006年の調査では、トルコの総人口約7,300万人のうち、クルド人とザザ人を合わせて約1,140万人(約15.68%)と推定しています。
クルド人は主にトルコ東部および南東部のアナトリア地域に居住していますが、国内移住によりイスタンブール、イズミル、アンカラ、アダナ、メルシンなどの西部の大都市にも大規模なコミュニティを形成しています。
クルド人はトルコ最大の少数民族であり、独自の文化と言語を持っています。歴史的には、トルコ政府による同化政策や言語・文化の制限が行われてきました。例えば、1923年のトルコ共和国建国以降、トルコ国家としての単一のアイデンティティを重視し、非トルコ人の同化政策が進められました。
クルド語の使用も厳しく制限され、1980年代の軍政時代には教育、放送、出版が禁止されるなど、文化的な抑圧が強まりました。近年では、欧州連合(EU)への加盟を目指すトルコ政府の民主化要求により、クルド語教育や放送の条件が緩和されつつありますが、依然として制約が存在します。
クルド人の人口増加率はトルコ全体よりも高く、クルド人女性の平均出生率は約4人と、トルコ全体の2倍以上と報告されています。
以上のように、トルコにおけるクルド人の人口は情報源によって異なりますが、総じて1,300万人から2,000万人の範囲で推定されており、トルコ社会において重要な位置を占めています。
